自民党員の地方議員としての立場、かつ自民党陣営の一員として選挙活動に関わった立場から、あくまでも主観的に感想を書き付けてみる。
(数字を用いた分析はナシで。くれぐれもツッコミもナシで頼みます。)
自公圧勝の内訳
自公は圧勝したが、自民党単独では、300行くと思っていた。残念ながら、事前の「自公圧倒的優勢」というマスメディア報道によって、判官びいき効果が働いたようだ。
内訳を見ると、積極的な自民党支持が増えたわけではなく、消去法で消極的に選択した人が多い、って感じでしょうか。
おそらく今後4年間はほぼ解散総選挙はなく、安定した自公連立政権が続くものと思うが、自民党は、ここで驕って、数を頼みに強引に自分たちの考えを通そうとしたりすると大変なことになるだろう。圧倒的に勝った時こそ、少数派に配慮した、より丁寧な政権運営が求められる。自民党のコア支持層からは「やったね!これでやりたい政策を邪魔されずに好きなように出来るようになるね!一気に憲法改正しちゃおうぜ!」と声援を受けることが多いと思うが、調子に乗って鵜呑みにしていけない。
いずれにしても、自民党は今が一つのピークだろう。
民主党は壊滅
ボロボロですね。
当然とも言える。
戦略レベルでもそもそも政権奪回を目指しておらず、有力幹部が何人も落選したこの度の民主党には、もはや政権担当能力はない。
一強多弱の構図が確定してしまったという点で、1994年に選挙制度を中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に移行し、健全な二大政党制の実現を目指した試みは、また一歩後退してしまったことになる。
ところで、民主党といえば、民主党候補の選挙ボランティアをやった方による回想録が面白かった。匿名の増田なので真偽は不明だけど。余計なお世話だけど、日教組と労働組合左派と、菅直人氏のような左派市民運動出身者を切らないとダメじゃないかな。
はてな Anonymous diary 2014/12/15 : 民主党の選挙事務所で働いてみた
無党派層・浮動票狙いの第三極も壊滅
第二極(民主党)も壊滅したが、第三極も壊滅。
みんなの党は選挙を待たずに内部対立から崩壊してしまった。
維新は選挙の準備不足で後退。これは安部首相による選挙戦略が成功したことによるもの。選挙に失敗しただけであって、支持を失ったわけではないので、今後に期待したい(後述)。
日共が受け皿としてファンクションした
第二極、第三極の壊滅に伴い、反自民・自民不支持セグメントの票が日共に流れた。日共が伸長したことは残念でならない。日共を叩き潰すためにも、健全な二大政党制を何としても実現しなくてはならない。
次世代の壊滅要因は不明
個人的には、比例でもうちょっと取ると思っていた。ここまでボロボロだとは思わなかった。理由はよく分からない。
個人的には彼らの主張は支持出来ない部分が大きいが、自民党よりも保守的な政党の存在は、何より自民党にとって必要なので、もっと頑張ってほしいと思う。
今後の政界再編に向けての展望
第二極の民主党がここまでボロボロになってしまい、第三極のみんなが自壊し、維新もボロボロだった以上、今後、野党/反自民・非自民の合従連衡が進まざるをえない。現状では、誰が/どこのグループが、コアになるのか見えてこないが、4年間も時間があるので、健全な二大政党制を実現するために、丁寧に政界再編して欲しいと思う。まあ、あまりモタモタしてると、自民党は、また電撃的に解散すると思うけどね。現状ではコアになり得る人物は、民主党の中で日教組・労組の組織票を頼みとしていない若手あるいは維新の橋下さんくらいだろうか。