とかく転売ヤーが敵視されております。
3日前の日経では、こんな記事も掲載されていました。
損害が年に1,300億円!?
そりゃ大変だ、何とかしなきゃ・・・いやいや、ちょっと待って!
それって、本当に損害なのか?
そもそも、その損害は、誰が被ったものなのか?
誰の作為、あるいは不作為によるものなのか?
転売は、自由で公正な市場における、正当な経済活動ではないのか???
例えば、100円で仕入れたモノを、利益を載せて105円で売却し、5円のサヤを抜く。
それは、伝統的な商社の口銭ビジネスと同じであって、正当な商取引ではないか?
どこに不正が在るというのか?
市場の歪みに目をつけ、在庫リスクを背負って、モノを流すことによって利益を売るという正当なビジネスが、何故、批難されなくてはならないのだろうか?
上記の日経の記事には、とてももやもやしたものを感じますし、個人的には不愉快ですらあります。
転売によって、誰も損していない
買い手(エンド消費者)は、そのモノに対して、105円に値すると評価し、105円という価格で満足して購入している訳だから、損失は発生していない。
売り手(メーカなり小売事業者なり)は、本来、最初から105円というプライシングを行っていれば、5円の利益の上積みができたはず。転売ヤーも排除できたはず。しかしながら、100円という「間違えたプライシング」を行い、市場の歪みを作り出してしまったのは、企業努力が足りなかった結果に他ならず、これを損失と言うことは出来ない。
社内的には「機会損失」という表現は出来るが、転売ヤーを責めるのはお門違いというものです。
チケット転売が法によって禁じられている理由
チケット転売に関して言うと、
チケット転売が、何故にチケット不正転売禁止法によって禁じられているのかについては、
こちらの記事でまとめて解説してありました。
興行チケットの転売ヤー、いわゆるダフ屋の規制については、イベント会場の周囲で行われたため、公共の治安に害を為す、という観点から行われてきた、という歴史的経緯があるとのこと。
また、2019年にチケット不正転売禁止法が立法化されたのは、東京オリンピックを目前に控えていたためであろうと述べています。
しかしながら、イベント会場周囲での治安維持が目的であるのならば、ネットオークション・フリマサイトなどを用いた転売を規制する必要はありません。
上記記事の著者も、この問題点を指摘しつつ、
売り手がダイナミックプライシングを取り入れることによって、転売行為を自動的に排除していけばいいのではないかと問題提起しています。
このやり方は私もいいと思いますね。何でやらないのか?というと、やはり企業努力が足りないから、ということに他ならないのではないでしょうか。
botによる仕入れは不正なのか?
これは、当該ECサイトなり、チケット販売サイトなりが、規約上NGと定めていれば、アウトです。
botによる高頻度大量アクセスは、大きな負荷がかかるので、これを禁じることには十分に合理性があります。
逆に、規約上NGと定めていなければ、OKじゃないですかね。これは、当該企業が企業努力によって規約を見直せばいいだけの話です。