武雄市議会では議場で電源・PCが利用可能

本日2013年8月9日(金)、佐賀県武雄市役所に、所属している蕨市議会 保守系会派 新生会にて視察(政務活動費にて支払い)致しました。

その際にあまりにも素晴らしいと感激したのが、議場で電源とPCが使えるようになっていたことです。

これは素晴らしい議会改革です。
逆に言うと、たいがいの地方議会では、議場で電源とPCを使えるようにするのには、全会派(または全議員)の合意なくしては出来無いので、事実上不可能に近いと言ってもいいくらい、果てしなく遠い道のりであります。おそらく、世代交代が為されない限り無理ではないでしょうか。

私は、蕨市議会においてこのルールを知らずにタブレットをいじっていたら、あとで先輩議員に呼び出されて「ピコピコやるんじゃない!」と怒られたことがあります。
(この時使っていたASUSのAndroidタブレットは、そもそも議場で使うためにわざわざ買ったものなんですけどw)

武雄市議会においても、高齢の議員を中心にPCを使いこなせない方々がおり、「不公平だ!」という理由で当初は反対したそうです。
結局は「使いたくない人は使わなければいい」ということで、全議員の合意を得ることが出来たようですが。

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市議会議場の全体。

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議員席には電源が引かれています。

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こちらは市執行部側(部長クラス)の席。
有線LANが引かれています。
議場内に引かれている無線LANを使わずに敢えて有線LANを使うのは、セキュリティ上の理由によるものと思います。

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答弁席に設置する大型ディスプレイ。

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無線LAN機器。

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一般質問にて、パワポを用いてプレゼンする様子。
(写真を撮影したもの)

実際の質問日の3営業日前までにパワポデータを提出するルールとなっているようです。(これは発言通行期限より後)

これはかなりいいですね。
現状の多数の地方議会(蕨市議会を含む)では、口頭で言葉でしゃべることだけしか出来ません。国会の委員会TV中継でよく見かけるようなフリップボードも使えないし、紙ベースの資料を配ることもできません。

パワポでビジュアルプレゼンテーションをすることによりより深く実のある議論ができるものと思います。


【蕨市議会】7月臨時議会が終わりました。

本日2013年7月25日(木)、蕨市議会7月臨時議会が終了しました。
この度の臨時議会は、会期は3日間でした。

市長提出議案は、消防によるポンプ車の購入(入札)の承認一件のみ。

その他、議会人事を決めました。
議会人事(議長、副議長、前議員の所属委員会、出向先の一部事務組合など)は、毎年7月臨時議会に決める慣例です。だいたいは事前の各会派内部での調整と、会派間でのすり合わせによって決まります。

私 保谷武(ほやたけし)は、

所属常任委員会:
教育まちづくり常任委員会 → 総務常任委員会 に異動し、副委員長になりました。
新たに決算常任委員会に配属されました。

所属特別委員会:
以前より議会改革特別委員会に配属されており、これはそのままです。

出向先の一部事務組合:
以前より戸田衛生センター組合議会に出向しており、これも変更ありません。
(全議員は、こちらか戸田競艇組合のどちらかに出向することになっています)

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今日の蕨市役所


全国市議会議長会研究フォーラムに行って来ました。

先週の2013年7月9~11日、北海道は旭川市にて開催された、全国市議会議長会研究フォーラムに行って来ました。

全国の市議会議員を集めた、大きな講演会フォーラムです。

蕨市議会からは、会派単位で参加するところと参加しないところがありますが、私が所属している保守系会派 新生会では、毎年全員参加しています。

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会議の模様。

今年のテーマは議会改革でした。

・行政学者の西尾勝氏の「地方議会改革」と題した基調講演
・学者によるパネルディスカッション「住民自治の実現と地方議会への期待」
・政務活動費に関して先進的な取り組みをしている自治体の議長によるパネルディスカッション「政務活動費を考える」

西尾勝氏の講演は、まさに学者の授業のような感じで、現実的に政策面ですぐに役に立つような話ではなかった。
例えば、「有権者が政治家に対して相談/陳情を持ち掛けて役所への仲介斡旋を求めるのは日本独自の政治カルチャーである」との指摘があった。街灯が切れてるとか蚊が発生してるのでなんとかして欲しいとか、いわゆる御用聞き業務。どんな議員でも大かかれ少なかれこういう作業に手間暇を割いているはず。これが日本独自であるというのは知らなかった。
西尾氏は、このような御用聞き業務について否定的な立場を取りつつも「議論を要する、避けて通れない長期の課題である」と述べるに留めている。
もちろんその通りなのだろうが、このような話を聞いても、日々の市議会議員としての職務に当たる上では何の役にも立たない。

 

私見ですが、

議員自身が議会を改革することは無理もしくは極めて困難だと思います。
理由は、議員自身が個人的な利害関係を有しているからです。

身も蓋も無い言い方、かつ、人ごとみたいな言い方で恐縮ですが、蕨市議として議席をいただいて2年間それなりに活動してきつつ、の、偽らざる本音であります。

 

それでは、議会改革をするにはどうすればいいのか?

ビジネスの世界では、先進的な大企業の間では、新しいガバナンスの手法として、ボードに社外取締役を増やしたり、取締役・監査役の人選や報酬額の決定にあたって社外の人物からなる指名委員会・報酬委員会を設置する流れがある。

議会改革を真に進めるなら、このやり方がヒントになる。

遠隔地に住んでいて、まったくその自治体に利害関係を有しないメンバーから成る議会改革委員会のようなものを設け、権限を付与して、議会改革を進めてもらう。

実際にコレをやろうと思ったら、そもそもそのメンバーはどうやって選ぶのか?権限を付与する以上は民主的なプロセスを経ることは必須であるので、選挙を行うのか?などいろいろな課題がある。
しかしながら、例えば、市長が指名する諮問委員会のような形式を取って、予め「議会はこの諮問委員会の結論を尊重する」という事前の合意をしておくなど、現行法制度下でも実現するやり方はあろうかと思う。

 

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おまけの写真。
会場に隣接していた旭川市役所内の、ゴミ箱。
分別の種類がとても多い!ですね。


【蕨市議会】3月定例会一般質問(5) 蕨PR大使への萌えキャラの採用について

通告内容
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蕨PR大使への萌えキャラの採用について
(1)平成25年度における蕨PR大使事業の目的と具体的内容について
(2)著名人を採用するだけではなく、萌えキャラを新規に作成あるいは既存のものを採用して本市の魅力を効果的にアピールし、かつ著作権フリーとして、事業終了後もバイラルな効果が継続することを目指してはどうか
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蕨PR大使?

この3月定例会で上程された25年度新年度予算において、 広報の新規事業:蕨PR大使 462,000円 というものがありました。 詳細は未定とのことですが、リアルのタレント、文化人にPR大使になってもらうというものだそうです。

蕨市のPR大使というと、タレントの石原良純氏が務めていた(?)というのが有名で、wikipedia:蕨市にも載ってます。 私もリアルタイムに当時のことは知らないのですが、ぐぐってみると断片的な情報が幾つかヒットします。
ところが、これ、実は番組内の企画で勝手に蕨PR大使を名乗っていただけ(?)みたいで、市(行政)や市内の団体からお金が出た企画ではなかったようです。

かなり昔のものなので、今となっては詳細不明です。
しかも、タレントを使った企画は、著作権の関係でネット上にアップされなかったり、期間が終了すると削除してしまうことが多いので、詳細は調べようがありません。

 

PR大使としてタレントを使うことのメリット/デメリット

メリット
・その人物の人気に乗っかることが出来る。
・その人物のファン層にリーチ出来る。

デメリット
・著作権管理が細かくてうるさい。事務作業が煩雑になる。
・契約範囲のみでしか使えない。
(webには掲載した画像を、後からtwitterとLINEでも使おうとしたら、契約範囲外だからNG、とか)
・二次利用不可能。
・契約期間終了後、利用不可能。
・万が一、その人物が不祥事を起こした際に、共にイメージダウンしてしまう。

 

PR大使として創作キャラ(萌えキャラ、ゆるキャラ)を使うことのメリット

それでは、リアルの人物(タレント類)ではなく、創作したキャラ(いわゆる萌えキャラ、ゆるキャラ)を用いることのメリットは何だろうか。

・著作権を買い取り、製作者は著作者人格権を行使しないと契約すれば、自由に使える。
→事務手続きが楽ちん。

・二次利用可能/二次創作の許可
→バイラルなクチコミ効果の拡大が期待できる。
→関連グッズ収益を育てられる。

・事業終了後も利用可能
→効果の持続が期待できる。

 

ということで、蕨PR大使をやるためにせっかく予算をつけるのであれば、リアルの人物(タレント類)にこだわることなく、萌えキャラ、ゆるキャラでもいいのではないかと考えました。

キャラは、新たに作成してもいいし、既存のキャラに蕨PR大使としての機能をアドオンしてもいいと思います。

 

蕨市の既存の萌えキャラ/ゆるキャラ

萌えキャラは既存のものはありませんが、蕨駅120周年記念イベント・企画に絡んで創作しようという動きがあるようです。

ゆるキャラとしては、以下の4つがあります。

・ワラビー
平成元年に、市制30年記念に作られたものです。
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・幸せの眠り豚のワラブー
(画像なし)

・中山道蕨宿の旅ガラス、わらじろう
中山道のマンホールのフタにデザインされている。
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・蕨ケーブルビジョンWINKの番組『わらなび』もふもふ犬の局長
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【蕨市議会】3月定例会一般質問(4) 待機児童解消に向けた自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスの立ち上げについて

通告内容
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待機児童解消に向けた自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスの立ち上げについて
(1)直近3年間の保育所サービスの需要数、供給数と今後3年間の見通しについて
(2)直近3年間の待機児童数と今後3年間の見通しについて
(3)待機児童がいる家庭ではどうしているのか
(4)既にリタイアして健康で地域貢献・ボランティア意識の高い方々の中には、保育士・認定ベビーシッター等の資格は持たないながらも、ボランティアベースで子どもの面倒をみてあげてもいいという方もいる。これらの方々と待機児童をマッチングし、自宅あるいは市内公共施設の空き部屋で子どもの面倒をみてもらい、サービス内容の質と代金の支払い・回収を市が保証する自治体保証型昼間里親保育マッチングサービスを立ち上げてはどうか
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保育園の種類

1~3歳の乳幼児を預かってくれる、いわゆる保育園は、ざっくり3種類に分類できます。
(この問題取り上げるまで全然知らなかった。子育てしたことないので、当然興味を持ったこともなかった)

↑  (1)認可保育園
| (2)認証保育園の類(自治体による)
↓ (3)無認可保育園

保育園行政は、基本的には自治体(市町村)レベルのものです。なので、全体的には、質・量には市町村ごとに大きく違いがあります。
乳幼児の保育は、丁寧に面倒を見てあげないとならないので大変です。
ちょっと考えてみると当たり前の話なのですが、5歳児よりも1歳児の世話をする方が遥かに大変です。スタッフ一人当たりが世話できる数も違ってきます。
つまり、年齢が下がるほど、子供一人当たり保育コストは大きくなります。

(1)認可保育園
公営の場合もあるが、民営のものもある。公の(市町村の)補助金がたっぷり投入されている。保育料も安い。
国が定めた制度なので、質は全国的に一定以上のものが保たれている。
なので人気がある。
入るためには、スコアリングモデルによる選考があります。母親が働いているかどうか、同居親族がいるかどうかなどがスコアリング項目となります。
全国どこの認可保育園もだいたい満杯です。

民間保育園が、高い基準をクリアして認可を取れば、補助金が投入されるため、経営は安定します。しかし、後述するように、じゃぶじゃぶに儲かるという訳ではありませんし、種々の規制もあります。

(3)無認可保育園
公的な基準をクリアしたものではない、民間の保育園です。
質は、まさにピンからキリまで。
保育料が高い高級路線のところから、ごちゃごちゃした雑居ビルの一室のロープライス路線まで。

(2)認証保育園の類
認可保育園と無認可保育園の中間に相当するもので、各自治体レベルで設定しています。
認可保育園を維持するのは自治体としては負担が大きく、参入業者も(後述する理由のため)少ないので、認可保育園よりも下のレベルで、公的な規制をかけつつ補助金を投入して、当該自治体における保育定員数を増やしていこう、というものです。
自治体にとっては、認可保育園よりも負担が小さくて済むものです。

但し、このような認証保育園という制度を作って維持するのは、自治体にとってはとても大きな固定費的コストがかかります。
従って、認証保育園制度を作れるのは、現実的には、ある程度以上の体力のある自治体(財政・人口規模が大きな自治体)に限られます。

正直、蕨市くらいの規模だと難しいみたいですね。

 

待機児童問題

待機児童問題は、0~3歳くらいの乳幼児向けの保育施設が、全国的に不足している問題です。
上述のように、児童が認可保育園に入れないと、空くまで待機せねばならず、それまで母親は働きたくても働きに行くことが出来ません。これは社会にとっても損失です。
他方で、無認可保育園はかなり高額で、誰もが気軽に利用できるものではありません。

 

なぜ待機児童問題は解決しないのか?

明らかに目の前に大きな需要(待機児童の存在)があるにもかかわらず、供給が増えないのはなぜか?
これは、私見ですが、要するの商業的に儲かる商内、ウマ味のある商内ではないからだと思います。

(1)初期投資が大きい。
キッチンなど専用施設が必要。送迎のための駐車場も必要。
既存の中古オフィス物件/倉庫物件を改装して使うのは無理。
平場を借りて、建物を新設する必要がある。

(2)利益率が低い。
この4月に蕨市に認可保育園 アートチャイルドケア蕨が新設された。この運営会社の親会社アートコーポレーション(株)のIR資料によると、アートチャイルドケア(株)の売上高営業利益率は4.3%。
この数字は、認可保育園のみならず認証保育園や病院内、企業内保育室も含めてのもので、ざっくりしたものだが、同グループの引越し事業の9.1%という数字と比べると、低い。

(3)撤退リスクが高い。
足元の数字では需要は増えているが、中期的には子供が減っていくことは確実。
一たび開設すると、社会的責任という観点からも、対自治体との関係という観点からも、撤退しにくい。

現下の制度では、認可保育園を増やすことは、自治体にとってはなかなか難しいものと思います。

 

自治体保証型昼間里親保育マッチングサービス(保育ママ/家庭的保育事業)立ち上げについて

↑  (1)認可保育園
| (2)認証保育園の類(自治体による)
| (2′)昼間里親
↓ (3)無認可保育園

認証保育園と無認可保育園の中間に位置するものとして、昼間里親という制度を作ってはどうかと考えました。

健康で、生活に余裕があって、子供を育てるのが好きだ、という家庭の方(主に、既に自分の子育てが終わった女性)が、ご自宅に子供を引き取って、有償で面倒をみてあげる、というもの。
お金儲けではなく、純粋に子供が好きで、自分に出来る範囲で社会の役に立ちたいと思っている方々の善意を頼りにするものです。

個人対個人の取引ですので、預かる方/預ける方ともに不安があります。

預かる方(保育ママ)の不安
・保育料をちゃんと払ってもらえるかしら?
・事故を起こしたらどうしよう?
・モンスターペアレントが些細な事にハードクレームを付けてきたらどうしよう?

預ける方(子供のママ)不安
・他人に子供を預けるのはとにかく不安。
・ちゃんと育ててくれるかしら?
・ニコニコしてていい人そうだけど、虐待されないかしら?

このような双方の不安を解消するために、間に行政が介在し、
・双方のマッチング
・保育料の一部を補助
・サービスの質を保証
・保育料の支払・回収保証

を行えばいい、と考えました。

自治体のメリットとしては、
・認可保育園増設と異なり、自治体の初期投資、ランニング費用は抑えられる。
・供給量の調整がしやすい。
(2,3人単位で供給量を増やせる)

同種の事例は全国に多々あります。
・横浜/川崎/厚木   家庭保育福祉員
・仙台   家庭保育福祉員
・京都   昼間里親(昭和二十年代から)

いずれも政令指定都市規模のところですね。やはりこの種の独自の制度を作って運用するのは体力がある自治体でないと難しいのでしょうかね。認証保育園制度よりももう少し手軽に出来そうに思いますけど。


【蕨市議会】3月定例会一般質問(3) 小・中学校への民間人校長の試験登用について

通告内容
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(1)現状の小・中学校長に就任するための要件・選定方針・基準・手続きはどのようになっているか
(2)民間人校長採用制度の導入を検討したことはあるか
(3)本市小・中学校教育の強化のために、民間人校長採用制度を試験的に導入してはどうか
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教育における、近隣市との競争という視点

教育政策を考えるに当たっては、「近隣市との競争」という視点を意識すべきだ考えます。
国全体での人口減少が進む中で、今後ますます「自治体間での住人の取り合い」競争が激しくなります。
そうすると、自治体経営における全分野が競争のフィールドになる訳ですが、以下の理由により、その中でも特に教育は、自治体間競争の主戦場となるのです。
・ライフタイムの中で、子育て時期が最も移動(引越し)しやすい時期であり、この時期に居住した地域にその後も住み続ける可能性が高い。
(独身~結婚して子育て前の時期も移動しやすいが、ホッピングしやすいので投資効率が悪い)
・小中学校の経営においては、市町村の裁量が大きい。独自の政策を行える。
・お金がかかるハード面ではなく、お金をかけずに知恵を絞るソフト面でいろいろな取り組みが出来る。

尚、もう一つの主戦場はアクティブシニア向けサービス分野ですね。これは別の機会に議会で取り上げることになると思います。

更に蛇足ですが、住人の取り合いといっても、生活保護被保護者(受給者)ばかりがよそから蕨市に集まってきても困る訳ですw
バリューの高い住民がよそから引っ越してきて欲しいのです。
自治体にとっての「住人のバリュー」とは何か、というのも色々な考え方があると思いますけど。

 

教育における、ソフト面での独自性、強み/話題性を打ち出すための施策

試行錯誤も必要ですし、ソフト面であれば概ねそれほど大きな初期投資も必要ないので、いろいろな施策をチャレンジしてみるのがいいと思います。
また、独自性というのはもちろん近隣市との比較という視点でいうと重要なのですが、その点ばかりに拘る必要もなく、よそがやっていて上手くいっているものがあれば、上手くパクるのもいいと思います。

平成25年度から、蕨市においては、学校土曜塾というものが始まります。
これは、頼高英雄市長 2期目の公約「新あったかプラン」に掲げられていた新企画で、この3月定例会で予算が可決されたものです。
このような新しい試みをやろうとすると、必ず反対する人が現れるもので、ましてや良好な成果が得られないと一斉に批判を浴びたりするものです。しかしながら、チャレンジすることが大切で、どんどんやればいいと思います。たいしてコストも掛からないし、仮に失敗したとしても損害が発生する訳ではないのですから。
私は保守主義者←→頼高市長は共産主義者と、立場は真逆でありますが、この新企画については、応援したいと思います。

やたらめったらといろいろな施策をチャレンジして行く中で、具体的な方向性が絞れてくるものかと。

 

新しい施策の一つとして「民間人校長の試験登用」を提案

以前視察した以下の2校のケースでは、民間人校長が強力なリーダーシップを発揮して独自の教育施策を打ち出していましたので、一つのキッカケ作りとして有用かと考えました。
(当たり前ですが、民間人校長を置けばスグに何かが良くなる訳でなく、あくまでも一つのキッカケです)

民間人校長 事例(1) 杉並区立和田中学校
・ドテラ(土曜寺子屋)、夜スペといった有料制課外補習授業の充実。
・「世の中課」社会で活躍する著名人を連れて来て講演。
批判もあるが、越境入学が増えるなど、成功事例とされる。
2013/1/26 杉並区立和田中学校視察 教室案内板。

民間人校長 事例(2) 守口市立橋波(はしば)小学校
コンピュータとインターネットを活用して、自ら調べる力、プレゼンする力を鍛えている。
私見だが、10年後、20年後に社会で活躍するような人材が出てくるのではないかと思う。 2012/11/6 大阪府守口市立橋波小学校のICTを活用した教育を視察

民間人校長という制度は、平成10年に制度が始まり、以下が期待されていました。
・民間ならではのマネジメント手法、コスト管理意識、カイゼン意識を取り入れられる。
・目標設定して、計画を立てて、実行して、評価する、PDCAをぐるぐる回していくという仕事の進め方(教育界に馴染みがないもの)を取り入れられる。
・組織の中に異分子が入ってくることによる活性化。

他方で、以下の様なマイナス面もあります。
・現場経験がないので使い物にならない(場合によっては)。
・教職人事ローテーションの中から校長ポストが一つ減ってしまう。

実際の導入事例が爆発的に増えている訳ではないし、教育会の評価も、世間一般の評価も賛否両論といったところが実情です。

KFSは何か?というと、身も蓋もないのですが、結局は誰を民間人校長として連れてくるか、という人次第、ということになります。

上記視察先2校で、副校長・教頭の方が、偶然にも同じことを言っていました。
学校というのは校長次第だ。校長次第で、学校はいくらでも変わるんだ、と。

 

実際に蕨市が民間人校長制度を導入できるのか

成功するか否かのポイントが「人次第」ですので、誰を選ぶか、人選を蕨市自身がやることが絶対条件となりますが、これは制度的に無理のようです。

小中学校の先生は、県費採用です。
県が採用して、人件費は県が負担します。

市町村は、何の権限も持たないのです。
(政令指定都市の場合は、市が採用し、県が人件費を負担します)

 

ということで、いろいろ調べたのですが、結局、そもそも無理!ということでした。
何だか中途半端な提案になってしまいました。

教育領域に関しては、いろいろな市独自施策を考えて行きたいと思います。


【蕨市議会】3月定例会一般質問(2) わらびりんご育成事業におけるわらびりんごの増産について

通告内容
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2 わらびりんご育成事業におけるわらびりんごの増産について
(1)本事業の目的、ゴールイメージはなにか
(2)本事業の進捗はどうか
(3)本事業の平成25年度計画はどうか
(4)本事業の課題をどのように認識しているか
(5)現状ではわらびりんごの木が少な過ぎるので、今後数年間一時的に予算を増やして苗木を増産し、市内各公共施設にわらびりんごの木を大量に植えてはどうか
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わらびりんごを用いた街づくり

わらびりんごは、錦町住人の故 吉澤正一さんが開発した新種のりんごであり、北半球で最も早く実が成るものです。
実は小さく、酸味が強く、そのまま食べられるものではありませんが、加工食品(りんごジュース、りんごジャム、りんごパイなどのお菓子等)の原料に適しています。

蕨市民の誇りでありまして、
・市民の求心力の核として行きたい、
・対外的な情報発信のメディアとして活用して行きたい
と、多くの人が考えるところかと思います。

 

現状の、わらびりんご関連施策

現状では2つのアプローチが取られており、

(1)ボランティアベース街中に木を増やすアプローチ
・市民の郷土意識の醸成が目的。
・わらびりんごの会(民間のボランティア団体)等が中心。
・公共施設や市民の庭に植える。
・木を増やす。
・関連キャラ、歌を作り、祭りへの参加などを行い、話題性を高めていく。
蕨宿場祭り わらびりんご踊り

(2)商業ベース農家による商品化アプローチ
・営利追及+対外情報発信が目的。
・農家/園芸緑化研究会が中心。
・畑で商業的に育てる。
・今後商品開発する予定の加工食品(現在は何を作るかまだ研究開発段階)にして販売する。

それぞれ民間主体の動きであり、行政はあくまでも補助という立ち位置です。

それぞれに課題があり、

(1)ボランティアベース街中に木を増やすアプローチの問題点
・現状、うまくいっているが、
・メンバーの高齢化、後継者難
・現状規模の拡大は難しい状況

(2)商業ベース農家による商品化アプローチ
・現状、まだ商品開発の途上。商業的な生産は行われていない。
・先行成功事例がない。
・農家にとっては、りんごを植えて出荷し始めるまでは、数年がかりの大きな投資案件。リスクが高い。

これら課題は、今後も根本的に解決されるものではないので、遅々として進まないことが予想される。

 

両アプローチのテコ入れ策

以下の様なテコ入れ策を提案しました。

(1)ボランティアベース街中に木を増やすアプローチ
わらびりんご育成インセンティブ「皆でわらびりんご育てよう基金」を提案しました。

個人宅/学校/子供会/町会などの団体が、わらびりんごを育てる(植えることではなく)ことにインセンティブを付与するといいのではないかと考えました。
「植える」ことではなく、「育てること」にインセンティブを付与するのがポイントです。

現状、苗木は公民館で1,000円で販売しています。
これを、買ってきて育て、↓
木が花を咲かせる。→1,000円キャッシュバック
りんごの実をつける。→さらに1,000円キャッシュバック
(まち連のくらしの商品券ポイントで)
・わらびりんごを増やすまでの一時的な基金と位置づけ、総予算がなくなったら終了。
・年間の総支払いポイントに上限を設ける

(2)商業ベース農家による商品化アプローチ
農家が、既存の畑からわらびりんごに転作して実をつけ、収益化するまでには5-8年かかる。
転作期間中は売上ゼロ、費用のみ発生する。
この期間中の農家の生活支援のために、転作期間中の低利貸付補助制度を提案しました。

また、わらびりんごへのチャレンジは、農家にとってリスクのある新規事業であります。
リスクを農家から移転するために、市の買取保証(りんご1個○円で)を提案しました。
自治体自身がやるのが問題ならば、
・基金を設置
・農協/園芸緑化研究会をシェルとして
などの方法もあると思います。