埼玉県立高校のエアコン代は、今は保護者負担

これ、知っていましたか?
私は、知りませんでした。

埼玉県内の県立高校のエアコン代は、イニシャル/ランニングともに学校負担ではなく、保護者負担とのことです。

金額は学校によってまちまちなのでしょうが、ある県立高校の事例では、月額1,000円程度とのことでした。

先の県議会定例会(令和5年12月定例会)の一般質問で取り上げられたテーマの一つでした。

 

 

県外に目を向けてみると、全国的には公費負担への切り替えが進んでおり、今日においては公費負担をしていないのは、埼玉県の他、鹿児島県、岡山県、北海道の4道県のみとのことです。

 

 

近年の温暖化、夏の猛暑化によって、エアコン(冷房)はもはや贅沢品ではなく、生命を守るための必需品となりました。

県議会においては、以前から(私が当選する前から)エアコン費用負担の公費への切り替えが求められていたとのことです。

 

この令和5年12月定例会では、教育長より、

「学校設置者の県が負担することが望ましい」と答弁をし、公費負担への切り替えに向けて、各学校のエアコン設置状況や契約内容について調査を始めているとのことです。

時期については明言しませんでしたが、いずれ公費負担に切り替えられるものと思います。

 

 

尚、蕨市内の市立小中学校は、すべてエアコン設置済みですが、もちろん保護者が負担することはありません。


蕨市内の小学校の運動会

先日、令和5年(2023年)10月21日(土)、蕨市内の7つの小学校において、運動会が行われました。

天気が良く、それほど暑くもなく寒くもなくほどほどの気温で、絶好の運動会日和となりました。

 

 

私は、時間の都合上、市内7校全てを回ることはできず、西小と北小のみお伺いしました。

 

 

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北小にて。

開会式。

 

 

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西小にて。

徒競走。

 

 

参加した全ての選手の皆様、学校の先生やPTAなど関係者の皆様、お疲れ様でした。


蕨市内で開かれたインクルーシブ教育イベント

蕨市内のスポーツクラブNAS蕨で開催された、インクルーシブ教育イベントを見学して参りました。

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スポーツクラブNAS蕨のトレーニング室を用いて、
一般社団法人 日本凸凹支援スポーツ協会が開催したものです。

定期的に開催しているわけではなく、今回限りのイベントです。

 

 

インクルーシブ教育とは、聞き慣れない言葉です。

社会学的にあるいは政治・行政の領域で、「インクルーシブ」、「インクルージョン」というワードを用いた場合、様々な人・グループを違いを超えて包摂・包含してくことによって、より全体を高めていこう、という考え方を指します。

様々な人・グループというのは、例えば、性別・民族を超えて様々、とか、障害がある人とない人をすべて含めて様々、とか、文脈によっていろいろな使われ方をします。

 

 

ここで、上記イベントが指すインクルーシブ教育とは、発達障害などの障害を持った子どもたちを包摂・包含して、ダンス、サッカーのような簡単なスポーツを提供していこうというものでした。

 

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ガチのサッカーではなく、大人と子どもの混成で、楽しみながらチームプレイをすることによって、他者とのコミュニケーションを取っていこう、というものです。

 

 

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子どもたちは、楽しそうに興じていました。

 

 

ボランティアベースでサービスを提供している、この団体の方々には頭が下がります。

 

 

一般論として申し上げますが、

この種の社会福祉には、ボランティア精神が求められる事が多く、携わっている方々も実際にそのような考え方に基いてお金を取ることを嫌がる方が多いのです。

しかしながら、安定的、継続的に、質の高いサービスを提供し続けるためには、やはりしっかりお金を取るべきだと思います。

「がっつり金儲けしよう」という意味ではなく、損益はプラマイゼロだとしても、少なくとも必要経費、適切な人件費くらいは確保することが、まわりまわって利用者にとっての利益にも繋がることなのではないかと思います。


【埼玉県のいろいろなデータ】高校卒業者の進路 — 大学進学率は一貫して上昇

本日付で、令和5年3月高等学校卒業者の進路状況調査が発表されております。

 

 

このレポートの8ページ目(PDFファイルの9ページ目)が、昭和54年以降の、高校卒業者の進学率、就職率。

 

 

ここを見ると、一貫して大学進学率が上がり続けていることが分かります。

 

 

10年毎の比率の推移を抜き出してみると、

大学 専修学校等 就職等
昭和58年
(1983年)
23.6% 32.0% 39.5%
平成5年
(1993年)
27.5% 39.7% 27.0%
平成15年
(2003年)
43.9% 32.1% 12.3%
平成25年
(2013年)
56.5% 24.5% 14.7%
令和5年
(2023年)
64.6% 19.9% 10.9%

 

 

私が高校を卒業して、大学に入ったのは、令和5年(1993年)で、ちょうど30年前なんですよ。

団塊ジュニアのピークでした。

中学校は当たり前のように一学年が10クラス以上ありましたし、全国あちこちで新設校が開設されていました。

受験戦争という言葉が生まれたように、競争は苛烈でした。

同年代の中には、大学に行きたくて何年か浪人したものの、最終的には諦める、といった人たちも少なからずいました。

(しかも、大学卒業直前にバブルが弾けて、就職状況も悲惨なものでしたし・・・ここの話は別の機会に)

 

 

30年前当時の大学進学率は27.5%で、今は37.1%も上昇して、64.6%になっています。

 

 

競争が緩くなったのかどうか、受験勉強の渦中にいる高校生にとっては、昔との比較などはどうでもいいことでしょうが、大学進学率が上昇し続けていることは、社会全体にとってポジティブなことだと思います。

我が国の社会が豊かになって成熟してきたことを示しているのではないかと思います。


西小の卒業式

本日、令和5年(2023年)3月22日、蕨市立西小学校の卒業式がございました。

ご卒業おめでとうございます。

保護者や教職員の皆様、地域社会の皆様もおめでとうございます。

 

令和4年度 蕨市立西小学校卒業式

卒業生は2クラス、67名でした。

 

先日行われた中学校の卒業式同様、このコロナ禍において、縮小された形での卒業式が続いております。

ビフォア・コロナであれば、18名の市議会議員全員が、市内各地の小学校に来賓として招かれていたところですが、今年は、議長として私が出席したのみでした。

 

令和4年度 蕨市立西小学校卒業式

卒業生の一言コメント

・将来の夢
・好きな歌
・好きな漢字熟語
・10年後の自分へ

 

「好きな漢字熟語」は、育ちつつある厨二心の片鱗が伺えて微笑ましく感ずるものが多数。

「10年後の自分へ」は、意外とみんなまじめに書いており、感心しました。

「好きな歌」は、私の世代には知らない曲名ばかりなのですが、幾つかググってみると、ボカロが多い点に驚きました。

2007年に初音ミクがサービスインされて、はや16年も経ちました。
当初のボカロは、サブカル、あるいはオタクカルチャーの一つとしてみなされていました。
ボカロというプラットフォームそのものも、デマンドサイドから求められて生まれたものというよりも、サプライサイドから「取り敢えず作ってみた」というノリで発表された、技術主導のものだったと思います。

今日においては、すっかりメインカルチャーの一つとなって定着したのだと思うと、隔世の感があります。

今日は3月9日、ミクの日だよ〜。


戸田市の教育を視察

私が所属している蕨市議会の保守系会派:令政クラブと、須賀敬史県議会議員と合同で、お隣りの戸田市の教育について、戸田市教育長に話を伺いに行って来ました。

 

戸田市の教育、というと、何となく先進的なイメージがあります。

また、豊かな財政を背景として、湯水のように教育にお金を注ぎ込んでいるイメージもあります。

 

しかしながら、これらはあくまでもイメージであって、実態はどうなのかな?

 

今までは体系的に戸田市の教育を調べてみたことはなかったのですが、この機会に、ざっくりとした戸田市の教育の特徴を把握することが出来たような気がします。

あくまでざっくりですけど、ポイントは、私なりには以下のように理解しました。

 

  • 従来型の受験・進学のための暗記型教育を脱した、「考える力の育成」志向
  • 民間企業CSRとのコラボによる、安上がりな新しい教育ツール・メソッドの導入
  • 教育長の教育改革の方向性と、市長の教育に比重を置く姿勢との相乗

 

一つずつ以下に解説していきます。

 

 

 

 

  • 従来型の受験・進学のための暗記型教育を脱した、「考える力の育成」志向

学校教育においては、当たり前ですけど、受験・進学というのはとても大切で、教育の成果、教師の成果のかなりの部分は、受験・進学の成績によって評価されるという冷徹な現実があります。

その結果として、学校教育の全ては、受験・進学の成績の向上という目的のために最適化されてしまいます。
「そのツール・メソッドは、受験・進学に役に立つのか?」ということが常に厳しく問われる、ということです。逆に、受験・進学に役に立たないのであれば、ムダだとみなされてしまいがちです。

しかしながら、受験システムは、年々変化しているとのこと。
今日では、東京大学の入試ですら、推薦入試が取り入れられています。

教育長曰く、むしろ、現実の受験システムよりも、一般の人の感覚の方が遅れているくらいだ、と。

つまり、受験・進学の成績の向上を目指すとしても、従来型の暗記型、ペーパー試験対策偏重の教育ではなく、「考える力の育成」こそが、実は今日、そして今後においては、より適しているのだ、という考え方です。

 

 

 

  • 民間企業CSRとのコラボによる、安上がりな新しい教育ツール・メソッドの導入

多くの民間企業はCSRネタを探しており、特に教育分野での提供先を探しているとのこと。
自治体からアプローチすると、喜んで無償で教育ツール・メソッドを提供してくれる、と。コンピュータ端末をただで提供してくれたり、等。

戸田市は、様々な先進的な、実験的な、新しい教育ツール・メソッドの導入を行っておりますが、そのほとんどが、民間企業・大学等から無償で提供されているもので、ほとんどお金はかかっておらず、決して戸田市の豊富な財政力を背景としてお金を出して買ってきているものではない、とのことです。

 

近年の戸田市の一般会計予決算を見ると、教育費の比率がかなり高くなっているのですが、小中学校の校舎が順次更新時期を迎えており、建て替えを行っているためなのだそうです。

つまり、一時的に教育費比率が高まっているだけであり、その上積み分のほとんどは、ソフトウェア・教育の中身に対してではなく、ハードウェア・建物等に対してのものなのだそうです。

 

そして、新しい取り組みを行うにあたっては、ファーストペンギン・スピリットを大切にしているとのこと。

ファーストペンギンはかっこいいのですが、当たるも八卦、当たらぬも八卦の、バクチのようなベンチャービジネスの世界です。アザラシやシャチに食われて死屍累々たる結果になるリスクも覚悟の上で臨むのであればいいと思いますし、私もそういう世界で血を吐き泥水をすすりながら仕事をしてきたので、個人的にはその種のやり方には魅力を感じます。

しかしながら、子供たちの教育、子供たちの人生を実験台にすることになりはしないのか? ファーストペンギンではなく、二番煎じのフォロワーペンギンこそが、安価で効率的で、最も理想的な姿ではないのか? というのが私が感じた疑問です。

正直、戸田市のやり方は私には腹落ち出来ていないのですが、結果として、戸田市において、安価で効率的に、最先端の質の高い教育が提供されているのは事実であります。

 

 

 

  • 教育長の教育改革の方向性と、市長の教育に比重を置く姿勢との相乗

現教育長が打ち出した、教育改革の方向性と、

・前市長の、教育へのICT導入を推進する姿勢
・現市長の、教育日本一を目指す方針

が、マッチしたからこそ、戸田市の教育改革が上手く進んだ、ということが言えそうです。

教育を変えるのは教育長、それをサポートするのが市長、という役割分担の中で、両者の方向性・方針が同じ方向を向いていたからこそ、ファーストペンギンとして先進的かつ試験的な挑戦をすることが出来た、と言えましょうか。


蕨市の学校ICT推進状況(2)

このエントリは、5月24日付けの、

蕨市の学校ICT推進状況、コロナ禍をきっかけにGIGAスクール構想が変質

↑こちらの続編です。

 

 

ただ今、蕨市議会の6月定例会が開かれているのですが、その中で明らかになった、蕨市の学校ICTの今後について、新たな情報を、箇条書きにて以下に記します。

 

 

  • クライアントOS

chromebookで確定。

 

 

  • スケジュール

全学年に1人1台配備が完了するのは、令和4年度予定。

 

 

  • 蕨市のオンライン教育の将来イメージ

将来に渡っても、「双方向・リアルタイムのオンライン授業」は、やらない。

1人1台体制配備完了後に、端末を各家庭に貸し出した後にオンライン教育を行うが、その時点でイメージされているものは、双方向ではなく一方向(ブロードキャスト型)であり、リアルタイムではなく非リアルタイムの、自習・補習支援。

つまり、前回のエントリで書いた、

新たにGIGAスクール構想が想定するオンライン教育

↑これは、やらない、ということです。

 

  • 生徒・児童の家庭のインターネット接続環境調査の結果(集計中の速報値)

・接続環境有無

【追記】この項目、誤りがあったので修正。

有線のみ有り、無線のみ有り、有線無線の両方有り、合わせて、90.9%。
9.1%は、ネット接続環境が無い。
(ここには、おそらく、スマホの4G契約は含んでいませんが、モバイルwifiルータの4G契約は含んでいます。しかし、タブレットのセルラータイプの4G SIM契約も含む?調査票が開示されていないので、詳細不明。)

「ネット環境が完全無し」が、1.8%いるとのこと。
(調査票不明です)
おそらく、家族の誰一人としてスマホもガラケーも持っていないか、持っていても音声通話だけしか使っていない、ということかと。ちょっと信じがたい数字ですが、何かライフスタイルへのこだわりがある方々なのかと思います。

 

・接続環境があるうち、契約上、パケット容量制限の有無

19.5%が、容量制限あり。