先日、令和5年(2023年)10月21日(土)、蕨市内の7つの小学校において、運動会が行われました。
天気が良く、それほど暑くもなく寒くもなくほどほどの気温で、絶好の運動会日和となりました。
私は、時間の都合上、市内7校全てを回ることはできず、西小と北小のみお伺いしました。
北小にて。
開会式。
西小にて。
徒競走。
参加した全ての選手の皆様、学校の先生やPTAなど関係者の皆様、お疲れ様でした。
私が所属している蕨市議会の保守系会派:令政クラブと、須賀敬史県議会議員と合同で、お隣りの戸田市の教育について、戸田市教育長に話を伺いに行って来ました。
戸田市の教育、というと、何となく先進的なイメージがあります。
また、豊かな財政を背景として、湯水のように教育にお金を注ぎ込んでいるイメージもあります。
しかしながら、これらはあくまでもイメージであって、実態はどうなのかな?
今までは体系的に戸田市の教育を調べてみたことはなかったのですが、この機会に、ざっくりとした戸田市の教育の特徴を把握することが出来たような気がします。
あくまでざっくりですけど、ポイントは、私なりには以下のように理解しました。
一つずつ以下に解説していきます。
学校教育においては、当たり前ですけど、受験・進学というのはとても大切で、教育の成果、教師の成果のかなりの部分は、受験・進学の成績によって評価されるという冷徹な現実があります。
その結果として、学校教育の全ては、受験・進学の成績の向上という目的のために最適化されてしまいます。
「そのツール・メソッドは、受験・進学に役に立つのか?」ということが常に厳しく問われる、ということです。逆に、受験・進学に役に立たないのであれば、ムダだとみなされてしまいがちです。
しかしながら、受験システムは、年々変化しているとのこと。
今日では、東京大学の入試ですら、推薦入試が取り入れられています。
教育長曰く、むしろ、現実の受験システムよりも、一般の人の感覚の方が遅れているくらいだ、と。
つまり、受験・進学の成績の向上を目指すとしても、従来型の暗記型、ペーパー試験対策偏重の教育ではなく、「考える力の育成」こそが、実は今日、そして今後においては、より適しているのだ、という考え方です。
多くの民間企業はCSRネタを探しており、特に教育分野での提供先を探しているとのこと。
自治体からアプローチすると、喜んで無償で教育ツール・メソッドを提供してくれる、と。コンピュータ端末をただで提供してくれたり、等。
戸田市は、様々な先進的な、実験的な、新しい教育ツール・メソッドの導入を行っておりますが、そのほとんどが、民間企業・大学等から無償で提供されているもので、ほとんどお金はかかっておらず、決して戸田市の豊富な財政力を背景としてお金を出して買ってきているものではない、とのことです。
近年の戸田市の一般会計予決算を見ると、教育費の比率がかなり高くなっているのですが、小中学校の校舎が順次更新時期を迎えており、建て替えを行っているためなのだそうです。
つまり、一時的に教育費比率が高まっているだけであり、その上積み分のほとんどは、ソフトウェア・教育の中身に対してではなく、ハードウェア・建物等に対してのものなのだそうです。
そして、新しい取り組みを行うにあたっては、ファーストペンギン・スピリットを大切にしているとのこと。
ファーストペンギンはかっこいいのですが、当たるも八卦、当たらぬも八卦の、バクチのようなベンチャービジネスの世界です。アザラシやシャチに食われて死屍累々たる結果になるリスクも覚悟の上で臨むのであればいいと思いますし、私もそういう世界で血を吐き泥水をすすりながら仕事をしてきたので、個人的にはその種のやり方には魅力を感じます。
しかしながら、子供たちの教育、子供たちの人生を実験台にすることになりはしないのか? ファーストペンギンではなく、二番煎じのフォロワーペンギンこそが、安価で効率的で、最も理想的な姿ではないのか? というのが私が感じた疑問です。
正直、戸田市のやり方は私には腹落ち出来ていないのですが、結果として、戸田市において、安価で効率的に、最先端の質の高い教育が提供されているのは事実であります。
現教育長が打ち出した、教育改革の方向性と、
・前市長の、教育へのICT導入を推進する姿勢
・現市長の、教育日本一を目指す方針
が、マッチしたからこそ、戸田市の教育改革が上手く進んだ、ということが言えそうです。
教育を変えるのは教育長、それをサポートするのが市長、という役割分担の中で、両者の方向性・方針が同じ方向を向いていたからこそ、ファーストペンギンとして先進的かつ試験的な挑戦をすることが出来た、と言えましょうか。
このエントリは、5月24日付けの、
↑こちらの続編です。
ただ今、蕨市議会の6月定例会が開かれているのですが、その中で明らかになった、蕨市の学校ICTの今後について、新たな情報を、箇条書きにて以下に記します。
chromebookで確定。
全学年に1人1台配備が完了するのは、令和4年度予定。
将来に渡っても、「双方向・リアルタイムのオンライン授業」は、やらない。
1人1台体制配備完了後に、端末を各家庭に貸し出した後にオンライン教育を行うが、その時点でイメージされているものは、双方向ではなく一方向(ブロードキャスト型)であり、リアルタイムではなく非リアルタイムの、自習・補習支援。
つまり、前回のエントリで書いた、
↑これは、やらない、ということです。
・接続環境有無
【追記】この項目、誤りがあったので修正。
有線のみ有り、無線のみ有り、有線無線の両方有り、合わせて、90.9%。
9.1%は、ネット接続環境が無い。
(ここには、おそらく、スマホの4G契約は含んでいませんが、モバイルwifiルータの4G契約は含んでいます。しかし、タブレットのセルラータイプの4G SIM契約も含む?調査票が開示されていないので、詳細不明。)
「ネット環境が完全無し」が、1.8%いるとのこと。
(調査票不明です)
おそらく、家族の誰一人としてスマホもガラケーも持っていないか、持っていても音声通話だけしか使っていない、ということかと。ちょっと信じがたい数字ですが、何かライフスタイルへのこだわりがある方々なのかと思います。
・接続環境があるうち、契約上、パケット容量制限の有無
19.5%が、容量制限あり。
先日、蕨市議会6月定例会に上程される各種議案、補正予算案についての、行政当局からの説明会がございました。
この稿では、学校ICT推進が前倒しされる件を解説致します。
一言でいうと、「全国の小中学校を、コンピュータ1人1台体制にする」という、国の政策です。
昨年度、令和元年度(2019年度)の冬に、新設されたものです。
こちらで解説したように、「我が国の教育は如何にあるべきか?」という教育政策の発想から持ち上がってきた政策ではなく、ケインズ的な経済対策として持ち上がってきたものです。
パソコン(デスクトップパソコン、ノートパソコンではなくてタブレットでも構わず、どちらかというとタブレットを導入する自治体の方が多いようです)は、マシンだけ買っても教育の現場では使い物にはならず、
・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制
をセットで導入する必要があります。
ハードウェアは、生徒児童、一人一台の人数分のコンピュータ端末機器と、学校内のネットワークです。有線LANではなく無線LANが想定されています。
ソフトウェアは、コンピュータ端末で使用するコンテンツ、アプリケーション、デジタル教科書など、狭義のソフトウェアです。
指導体制は、これらのツールを用いて、先生がどうやって教えていくかという方法論、トレーニング・バックアップ体制のことです。
もちろん、膨大なお金がかかるし、買って設置したら終わり、というものでもないので、複数年単位での導入期間が必要です。
小中学校教育というのは、もちろん市町村の教育委員会が行うものなので、国が全国の市町村に補助金を配って、それを元にして、市町村が独自の考え方に基づいて、推進していく、という流れになります。
この、ビフォア・コロナの時点で、GIGAスクール構想が想定していた学校ICTの仕組みは、
学校の教室の中で、ICTを用いて授業を行うというものでした。
従来であれば、教科書、ノート、鉛筆、黒板などを用いていたものを、ICT機器に置き換えていくというものでした。
以前にこちらの記事にてご説明した通り、今年度、令和2年度(2020年度)当初予算にて、3.2億が計上されました。
体育館も含めて小中学校内にLAN環境が整備され、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級の全員にコンピュータ端末が配備されることになりました。
この時点では、令和2年度(2020年度)から令和5年度(2023年)までの4年間かけて、全ての学年に配備する計画でした。
急に決まった国の経済対策の補正予算を受けて、大慌てでざっくりした計画を立てたものです。この時点では、詳細はほとんど決まっていませんでした。
ネットワーク整備については、1/2が国補助。
コンピュータ端末の購入あるいはリースは、1台当たり4.5万円の国補助が出ますが、この当初予算の時点では、詳細は決まっていなかったので、歳出の全体の金額のみを決め、国の補助金は計上していませんでした。
そして、このコロナ禍がやってきて、全国の小中学校が一斉に休校になりました。
諸外国では、zoom等のツールを用いたオンライン授業が行われ、我が国においても、先進的な企業はリモートワークに、大学、私立高校など高等・中等教育機関はリモート授業に移行する中で、我が国の小中学校は、なす術があまりありませんでした。
紙ベースの宿題を課したり、ワークブックを配ったり、試行的に自習用スマホアプリサービスのアカウントを配ったりしてみたものの、授業が開けない以上、学力の衰えは避けることが出来ません。
ここで、
オンライン授業をやらなくてはならない!
という需要が、急遽、新たに発生しました。
オンライン授業は、ビフォア・コロナ時代には全く想定していなかったものです。
ビフォア・コロナ時代に想定していたICT教育は、前述の通り、あくまでも、一つの教室の中で、先生も生徒も全員が集まって、その中でICTツールを用いて授業を行う、というものでした。
今、そしてこれからのアフター・コロナ時代に求められるオンライン授業は、先生と各自の自宅にいる生徒・児童をインターネットで繋いで、完全にネット上で授業を行う、というものです。
リモートワークにて、Zoomや MS Teamsでオンライン会議を、しかも座長の立場で参加したことがある方であれば、大勢の児童・生徒の集中力を途切れさせることがなく、適切に双方向のコミュニケーションを行いながら、オンライン授業を行うのが、どれほど大変なものであるか、ちょっと考えれば想像がつくでしょう。
これ、本当に大変ですよ、先生は。
・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制
これらのセットのうち、ハードウェア、ソフトウェアについても、ビフォア・コロナ時代に想定された従来型ICT教育とは、異なるものが必要となります。
生徒・児童の各家庭にネットワーク環境が必要になりますし、ソフトウェアもそれ用のものが必要になります。
「GIGAスクール構想」前倒し 積極推進の自治体も
政府は新型コロナウイルスへの対応としてまとめた緊急経済対策に、「GIGAスクール構想」の前倒し実施等の施策を盛り込んだ。児童・生徒「1人1台端末」の整備はこれまで令和5(2023)年度の達成を目指していたが、現状を踏まえ、令和元年度補正予算と2年度補正予算に端末整備等に係る予算を計上した。「1人1台端末」や在宅オンライン学習に必要な通信環境の整備等を加速する考え。 …
このように、GIGAスクール構想そのものが、性格を変えながら、前倒しでやることとなって、国の予算が付きました。
国のGIGAスクール構想が前倒しになったのに伴い、蕨市の学校ICT整備も前倒しすることになりました。
これが、6月定例会に1.1億増額の補正予算案として上程されます。
当初予算では、コンピュータ端末を配るのは、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級のみ、1,560台の予定でしたが、3,500台分に拡大します。全ての生徒・児童のうち、約8割に行き渡ることになります。
詳しいことは、6月定例会の中で、活発に質疑や意見が出てくる中で明らかになるでしょう。
先週、2019年6月21日、お台場で開かれていた教育ITソリューションEXPOに行ってきました。
教育業界における、ITソリューション(ハードウェア、ソフトウェアとそれらの組み合わせ)の大規模な展示会で、IT業界ではこの種のイベントは毎年いくつもお台場や幕張でやっており、諸々の最新の流れを把握するのに手っ取り早くて効率がいいのです。
校務システム(学校・教員間のコミュニケーション)、学務システム(学校側と学生・生徒側との間のコミュニケーション)、大量高速な採点マシン、英語教材の類などが多かったのですが、最も関心があったのは、プログラミング教育の教材・仕組みでありました。
いわゆる「プログラミング教育」には、
(1)狭義の、プログラミングそのものの技術を身につけるための教育
(2)広義の、プログラミング思考を身につけるための教育
の2種類があり、これは似て非なるものです。
私個人的には、最近のプログラミング教育がやたらともてはやされている風潮には否定的です。
定義(1)プログラミング技術教育は、そもそも小中学校でやるようなものではなく不要であり、定義(2)プログラミング思考を身につける教育は、算数・数学をしっかり学べば十分ではないかという疑問を常々抱いています。
しかしながら、
↑上の2014年のエントリで書いたように、教育の領域においては、素人の主観的な考えは危険であり、排さなくてはならないことも理解しているつもりなので、最新の流れについては関心を持っております。
ということで、プログラミング教育の教材、仕組み類を一通り見てきました。
これからの小中学校が導入しようとしている「プログラミング教育」は、上記の定義(1)ではなく、定義(2)を指しています。
プログラミング言語を用いて、コンピュータの画面に向かってコーディングするわけではありません。
既存の国語・算数(数学)・理科・社会といった科目の中で、プログラミング思考を身につけさせよう、というものです。
いくつもの企業グループが展示していましたが、どれもこれも概ね同じ仕組みで、
・キットを組み立てて簡易なロボットを作り、
・PCやタブレットの画面上でビジュアルプログラミング言語を用いて、そのロボットを動かす
というものでした。
コレ以外の仕組みは無し。
これらの企業グループが販売している商品は、
・ロボットの制作キット
・PC、タブレットなどのハードウェア
・ビジュアルプログラミング用のwebアプリケーション、AndroidあるいはiOSアプリ
・テキスト類
これらのセット、ということになります。
ビジュアルプログラミング言語とは、上記の写真のタブレットの画面内で表示されているように、あたかもブロックを並べてフローチャートを作るかのように組み立てていき、ロボットへの指示を作る、というものです。
例えば、
・IF 壁にぶつかったら THEN 止まる
・前へ2秒進む
・赤いライトを1秒点灯する
・右に旋回する
・前へ1秒進む
・ブザーを2秒鳴らす
みたいな感じです。
まあ、何というか、楽しそうではあります。
ところで、あるブースの説明スタッフに、「ロボットは、男子は興味を持つだろうけど、女子はどうなんですか?」と尋ねたところ、「女子もリボンを付けたりして楽しんでやってますよ」とのことでした。
うーん。やはり、何か違う気がする。これじゃない感を感じる。
引き続きこの分野については注視していきます。
本日2015年3月24日(火)、蕨市立西小学校の卒業式がございました。
素晴らしい晴天に恵まれました。
式は、厳粛な雰囲気の中で行われました。
卒業生、ご家族の皆様、おめでとうございます。
卒業生は、
3クラス
男:女=37人:42人
計 79人
でした。
さて、配布資料の中に、卒業生が、将来なりたいもの・やりたいことを一言ずつ記した寄せ書きがあったのですが、
この中に「お金持ち」と書いた子供が数人おり、一瞬ちょっと残念な気持ちになりました。
私自身も、ガキの頃に「将来なりたいもの:お金持ち」と書いたことがある気がするのですが、それは棚に上げつつ、しかしながら、改めて自分の過去を振り返りつつよく考えてみたのですが、こういうことを書いてしまう子供は、リアルなお金持ちというものがどんなものかまったくイメージ出来ないんでしょうね。
当たり前の話ですが、「お金持ち」というのは、ただ単にお金をたくさん持っているというだけで、そういう職業や、何らかのカテゴリがあるわけではないし、その人が世の中で何を為したのか、どのような人物なのかを示したものではありません。
・本人の能力とは無関係に、先祖から受け継いだストックを持っている、地主みたいな「お金持ち」もいれば、
・本人の才覚によってストックを築いた、自らの会社をIPOさせたIT長者・ネット長者みたいな(しかしそこそこのストックを保有するに至った今となってはブラブラしているような)「お金持ち」もいるし、
・本人の才覚によって歩合制で大きなフローを稼いでいる(但しストックはそれほど持っていないし、シャカリキに働き続けないとならないし、休みもなかなか取れない)「お金持ち」もいるし、
まあ、お金持ちの姿はいろいろです。
当然、その人の人格とは関係ないので、上記のどのセグメントにも、鼻持ちならないクソみたいな人もいれば、誠に社会のために自分が出来る範囲で貢献しようとしてる人格高潔な人もいます。
私は、今ならこれらの全てのセグメントの人物とも付き合いがあるし(少なくとも、間近に観察する機会を得てきたし)、どんなことを考え、どんな人物なのかという類型がまったく存在しないことはリアルに分かるのですが、子供にとっては、「お金持ち」というのは、「何かスゴい能力を持っていて、スゴく仕事が出来て、スゴい成果を出して社会にインパクトを与えた人物」みたいな存在としてしかイメージ出来ないのだろうと思います。
結局のところ、大人になって何になりたいか?何をやりたいか?という目標をイメージ出来いないものの、「何だかまだ分からないけど、スゴい人になってスゴいことをやりたい」という子供が、「将来なりたいもの:お金持ち」と書いてしまうんだろうと思います。
こうして考えると、やはり世の中にどんな仕事が存在するのかをイメージしやすくするための職業体験とか、世の中のお金の循環の仕組みをイメージ出来るようにするためのマネーリテラシ教育は、出来るだけ早くやった方がいいのではないかと思います。
一般論的に、年齢が上に行くほど、人生設計上の選択肢は狭まってしまう。
中学生くらいならば、まだ何でも出来るし何にでもなれるかもしれないが、野球とかサッカーとか相撲とか、ある種のプロスポーツ選手になるのであれば、中学生くらいの時に意思決定しないと遅いかもしれません。
春麗らかに杉花粉が舞い飛ぶ、本日、2015年3月13日(金)、蕨二中にて卒業式がございました。
卒業生は、5クラスで163人。
1クラス当たり32-33人。
男女比は、72:91
(男子の国立・私立への進学率が高いためか?)
経年で見ると、卒業生は、
2012年 4クラス 147人
2013年 5クラス 196人
2014年 4クラス 156人
2015年 5クラス 163人
尚、式の最後に卒業証書を授与された生徒の卒業証書ナンバーは、第17,802号でした。
今年の卒業式は第62回なので、平均すると卒業生の数は287人/年。
卒業生、ご家族の皆様、おめでとうございました。