埼玉県立高校のエアコン代は、今は保護者負担

これ、知っていましたか?
私は、知りませんでした。

埼玉県内の県立高校のエアコン代は、イニシャル/ランニングともに学校負担ではなく、保護者負担とのことです。

金額は学校によってまちまちなのでしょうが、ある県立高校の事例では、月額1,000円程度とのことでした。

先の県議会定例会(令和5年12月定例会)の一般質問で取り上げられたテーマの一つでした。

 

 

県外に目を向けてみると、全国的には公費負担への切り替えが進んでおり、今日においては公費負担をしていないのは、埼玉県の他、鹿児島県、岡山県、北海道の4道県のみとのことです。

 

 

近年の温暖化、夏の猛暑化によって、エアコン(冷房)はもはや贅沢品ではなく、生命を守るための必需品となりました。

県議会においては、以前から(私が当選する前から)エアコン費用負担の公費への切り替えが求められていたとのことです。

 

この令和5年12月定例会では、教育長より、

「学校設置者の県が負担することが望ましい」と答弁をし、公費負担への切り替えに向けて、各学校のエアコン設置状況や契約内容について調査を始めているとのことです。

時期については明言しませんでしたが、いずれ公費負担に切り替えられるものと思います。

 

 

尚、蕨市内の市立小中学校は、すべてエアコン設置済みですが、もちろん保護者が負担することはありません。


今は、年度末に公共工事は集中しない

一昔前は、年が明けて年度末になると、あちこちで道路がほじくり返され、やたらとたくさん公共工事が行われている、といったイメージがありました。

あまりにも年度末に公共工事が集中するために、「予算が余ったから、年度内に使い切るために無駄遣いをしているのではないか?」と勘繰る方が多かったものと思います。

 

 

これは、もちろん、本当に無駄遣いをしていたわけではなく(全てが違うかというと、私も正確には分かりませんが)、単年度予算システムの弊害で、どうしても1会計年度の中で、業務量が後半に集中してしまったから、であります。

 

 

国でも、都道府県でも、市町村でも、予算というものは、単年度制です。

ある年の会計年度は、4月に始まり、3月に終わります。

その年の予算は、4月に入ってから、使い始めることができます。

3月のうちに、あらかじめ、4月以降に発注する予定の工事の見積もり出しをしてもらったり、入札をしたり、発注したり、打合せをしたり、といったことは、一切できません。

4月に入ってから、諸々の作業に着手することになります。

従って、年度当初(4、5、6月くらい)はほとんど公共工事は行われず、7月くらいからようやくちょろちょろ工事が始まるようになって、年度末にはバタバタと慌ただしくあちこちで工事をやっている、といった状況になってしまっていたのです。

 

 

工事量を平準化しよう、という試み

このような、月毎の、公共工事の量の偏りは、誰にとっても何のメリットもなく、世の中全体にとっては害悪しかありません。

土木・建設業界は、仕事量が偏って大変だし、そこで働く人たちも大変です。

 

 

そこで、公共工事の量を、月毎に平準化していこう!ということになりました。

 

 

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平成26年に新・担い手3法(と通称される、3つの法律)改正が行われ、作業量の平準化は、発注者(国とか、都道府県とか、市町村とか)の責務となりました。

 

 

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今では、「債務負担行為の設定」という会計上の手続きを行うことによって、新年度が始まる前の1,2,3月くらいに、打合せ、見積もり出しの依頼、入札、契約の手続きなどを進めておき、4月に入ったら、すぐに公共工事に取り掛かれるようにしております。

 

 

本日、令和5年(2023年)12月18日は、埼玉県議会 総務県民生活常任委員会が開かれ、上記のような話が出ました。


ガソリン補助金は公平か?

ガソリンの価格高騰が続いております。

この事態に対応して、我が国において、時限的な措置としてガソリン補助金が配られ続けています。
あくまでも時限的な措置なので、いずれはガソリン補助金は廃止されるべきもので、今時点の措置は、本来であれば、9月末で終了する予定とのことです。

 

 

最新の世論調査によると、
79% 継続すべき
15% 継続すべきではない
だそうです。

 

このような世論の動向を受けて、

自民党中央は「継続すべき」という提言を出すようですので、まあ、おそらく、10月以降も継続されることになるのでしょう。

 

 

このような状況で、ガソリン補助金に反対を唱えることは政治的リスクを伴いますので、私の意見をここで表明するのは差し控えておきましょうw

 

 

ここで、考えておかなくてはならないのは、ガソリン補助金は公平だろうか?ということです。

政治、行政における、あらゆる政策、仕組み、制度、は、公平を目指すべきです。

完全な公平は難しい、あるいは無理だとしても、出来るだけ公平を目指さなくてはなりません。

 

 

ガソリン補助金は、公平だろうか?

例えば、

クルマを持っている人と、持っていない人がいる。
クルマ保有者はガソリン補助金をもらえる。
クルマ非保有者はガソリン補助金はもらえない。

クルマには、燃費のいいクルマもあれば、悪いクルマもある。
燃費の悪い、大きなエンジンの高級車に乗っている人は、ガソリン補助金をたくさんもらえる。
燃費のいい、EV、HVや軽自動車に乗っている人は、ガソリン補助金を少ししかもらえない。

たくさん走る人もいれば、少ししか走らない人もいる。
趣味やレジャーのためにたくさん走り回る人は、ガソリン補助金をたくさんもらえる。
ほとんどクルマを動かさない人は、ガソリン補助金を少ししかもらえない。

 

 

どう考えても公平ではないですね。

 

 

激変緩和のため、という理由があるならばいいんですよ。

物価上昇、原油価格上昇に対応して、本来であれば賃金も上昇して、良いインフレが起こるべきところ、あまりに上昇ペースが早過ぎるために、一時的に問題が生じており、これを打ち消すため、ということであれば、アリです。

しかしながら、今般のガソリン価格高騰の原因は、コロナ禍が明けて経済が一斉に回り出したことによる世界的な需要逼迫等の一時的な要因もあるものの、円安といった構造的な要因もあり、更には、ウクライナ戦争は当初の大方の予想以上に長期化しており、ロシア・共産中国といった専制国家の脅威が高まる中で、世界は再びブロック経済化していく可能性もあり、もはや一時的な激変事態ではなく、長期的、構造的な事態とも言えます。

 

 

そもそも、ガソリン補助金の原資は、どこから出てきているのか?

結局は、税金なんですよ。
広く薄く集めた税金を、補助金として配っているわけです。
今まで無かった補助金制度を新たに作るのならば、増税が必要です。

増税をせずに起債(借金)してまかなうのであれば、それは「将来の子どもたちへのツケ」以外の何ものでもありません。


【埼玉県議会】任期初の5月臨時会が開かれました

昨日 令和5年(2023年)5月23日より本日24日まで、期間2日間の5月臨時議会が開かれました。

私にとっては、任期初の議会となります。

 

 

議会人事

地方議会ではどこでも、選挙後すぐに臨時議会が開かれ、正副議長、各委員会の正副委員長、各議員の所属委員会などの議会人事を決めることになります。

それぞれの任期は1年間なので、翌年の同じ頃に再び臨時議会を開き、議会人事を決め直すことになります。

従って、結局のところ、毎年、同じ時期に臨時議会を開くことになりますので、もはや臨時ではなく、定例なのですけど、慣習的にそのように呼び習わしております。

 

 

議会人事においては、

私は、

  • 総務県民生活常任委員会
  • 危機管理・大規模災害対策特別委員会
  • 予算特別委員会

に所属することになりました。

 

私としては、当面のところは、特定の分野に狭く深く精通した専門家志向ではなく、ゼネラリストとして全分野を広く把握していきたいので、一通り、常任委員会も全て一回ずつ経験してみたいところです。しかしながら、委員会任期は1年間で、常任委員会は8つありますので、全て経験しようと思ったら8年間かかってしまうことになります。

議長には、立石泰広議員(川口市選出)が就任されました。

議長室で一緒に記念撮影をさせていただきました。

 

 

補正予算

この5月臨時議会において、補正予算案が上程され、可決されております。

国からの補助率100%の補助金を原資としたもので、補正額184億円です。

この補助金は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金というものです。当初は新型コロナウイルス感染症拡大による、感染対策・シュリンクした経済対策・生活支援のための仕組みだったのですが、その後、エネルギー高・物価高対策としての性格が付与され、肥大化している代物です。

 

それにしても、蕨市の一般会計予算が、総額260億くらいなんですよ。
その7割の金額の補正予算が、会期2日間の臨時議会で決められてしまうわけです。

蕨市議会での感覚からすると、どうしても審議は大雑把なものになってしまっている感が否めません。


令和5年度 蕨市 一般会計予算の「付帯決議」

先日、蕨市議会3月定例会が閉会しております。

3月定例議会とは、全国どこの地方自治体においても、新年度予算(今ならば、令和5年度予算)を決めます。

蕨市議会においても、令和5年度(2023年度)予算案を決めたのですが、既に新聞報道等でご案内の通り、「付帯決議」が付けられております。

 

この「付帯決議」が何なのか、よく分からん、というご意見をよく聞くのですが、要するに、まとめると、以下のようになります。

 

  • 6月の市長選を目前に控えた選挙対策としか言いようのない、くだらないバラ撒きに反対。
  • 予算案を丸ごと否決してしまうと、行政機能全てがストップしてしまう。
    (学校、ゴミ・し尿収集、消防・救急、災害対策など、全て)
  • 予算案は、便宜上「賛成」して可決しつつ、くだらない選挙対策のバラ撒き部分のみに「条件を設定して、条件を履行した上で執行すること」を求めた
  • その条件は、
    (1)バラ撒きの相手先である町会との十分な協議
    (2)使途基準の明確化
    (3)上記1,2の、議会への報告

 

喧嘩のイラスト「カップル喧嘩・痴話喧嘩」

厳密に言うと、この「付帯決議」という仕組みには、市長・行政に対して、法的な拘束力はありません。

しかしながら、これだけ多くの市民から「くだらない」、「止めろ」、「そんなもん要らない」という声が湧き上がっており、マスメディア上でも批判されている以上、日本共産党の党籍を持つ、共産主義者の現職:頼高市長が、付帯決議を押し切って強行することはあり得ないでしょう。

そもそも、彼の任期は、6月4日まで、つまり、あと2ヶ月ちょいしかありませんしねw

 

以下は、私が議会で所属している保守系・自民党系会派:令政クラブの公式声明です。


令和5年 第1回定例会報告

 

令政クラブでは、3月の予算議会で蕨市公明党他の賛同を得て、議案第19号「令和5年度蕨市一般会計予算」に対する附帯決議を行いました。

当初予算案については、おおむね異論がないものの「ポスト・コロナ町会活動再開支援事業補助金」及び「タブレット端末の貸与事業」に要する経費に疑義(疑問)があるため行ったものです。

長引くコロナ禍において町会活動が行えず、活動再開支援の必要性は、私どもも申し述べてきたところであります。しかしながら「ポスト・コロナ町会活動再開支援事業補助金」に関しては、明確な使途の基準が示されていないこと、支援内容について十分な話し合いがなされていないこと。そして何より審議前の議案が案としながらも、町会に案内されていたことは議会軽視と捉えます。

また「タブレット端末の貸与事業」に関しても同様に、町会への十分な説明の経緯、及び使途管理基準が明確となっていないなど不明確な点が見受けられます。

よって、この事業については、以下の事項を履行するよう求めたものです。

  1. 「ポスト・コロナ町会活動再開支援事業補助金」及び「タブレット端末の貸与事業」については、町会との十分な協議をおこなうこと。
  2. 使途基準を明確にすること。
  3. 1・2の結果を議会に対して報告したうえで予算執行すること。

令和4年度 蕨市 一般会計決算は、好調と予想

蕨市議会の3月定例会が、明後日、令和5年(2023年)2月17日(金)から始まります。

 

ところで、自治体政府の年間予算と決算にかかわるスケジュールは、以下のようになっています。

例えば、令和4年度(R4/4~R5/3)の例で言うと、

予算

令和3年度3月定例会で、令和4年度予算を決めます。

令和5年度9月定例会で、令和4年度決算を認定します。

 

ということで、令和4年度の決算は、9月にならないと確定しないのですが、実は、年度末である、この令和4年3月定例会に上程される補正予算案を見ることで、何となくどんな感じなのか、黒なのか赤なのかくらいは推測できたりします。

 

 

 

 

3月は、年度末です。
補正予算案は、四半期ごとの定例会のたびに、ちょこちょことした微修正や、年度当初には想定されていなかった新規案件の追加が出てくるものなのですが、
年度末である3月定例会に上程される補正予算案は、年度末の帳尻合わせが行われるために、年間を通じて最もボリュームが大きいものになります。

 

民間企業であれば、年度末においては、
売上・利益が目標に達しそうもない場合は、「お化粧」をして上積みを図ることもあるでしょうし、
逆に、
利益が出過ぎて法人税たくさん払うのいやだなーという場合は、顧問税理士に相談しながら、税務署に否認されそうもない範囲で、経費を上積みして合法的な節税策を駆使することもあるでしょう。

 

 

では、自治体政府の場合は、年度末の帳尻合わせとして、どういうことをやるのでしょうか?

 

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この3月定例議会に上程されている、補正予算書を開いてみましょう。

 

 

この中で、基金 を見てみます。

基金というのは、自治体の貯金箱のようなものです。

基金

大雑把に言うと、

基金にも2種類あり、

・具体的な目的のために、将来に備えて計画的に積み立てる、基金
例えば、庁舎建設基金、病院建替基金、など。
目標額と、スケジュールが、基本的には予め明確に定められています。
3年後にクルマを買うために、毎月2万円ずつ貯金しておこう、2万円x3年x12ヶ月=72万円貯まるから、これを頭金にしてローンを組もうかな・・・といったイメージです。

・年度ごとの財政調整のための、基金
要するに、
黒字の年度は、余ったお金を基金に(一般会計から)繰り出し
赤字の年度は、足りない分を基金から(一般会計へ)繰り入れて使う
というものです。
ここで、便宜上、「黒字」、「赤字」と書きましたが、年度末に最終的に、数字が「黒字」あるいは「赤字」となることは許されません。歳入と歳出は同額、プラスマイナスゼロでなくてはならないので、基金のお金を出し入れして、調整を図るわけです。
この、年度間のプラスマイナスの調整をするための基金を、財政調整基金といいます。

 

それでは、歳入のうち、

基金繰入金
(基金から一般会計へ繰り入れる=貯金箱から取り崩すお金)

を見てみましょう。

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財政調整基金繰入金
公共施設改修基金繰入金

が、それぞれ全額、合わせて944百万円がマイナス補正され、その結果、ゼロになっているぞ。

つまり、貯金箱のお金を取り崩す必要がなかった、ということです。

 

 

次に、歳出のうち、

基金費
(基金へ一般会計から繰り出す = 貯金箱に、貯金するお金)

を見てみましょう。

 

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補正前が21.8百万円だったところが、
2,208百万円増額補正して、2,229百万円になっているぞ。

22億円増額補正って、すごい増額幅ですね。

つまり、大幅に余ったので貯金箱に貯金する、ということです。

 

増額される22億円の内訳をみてみると、

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財政調整基金 積立金として、544百万円増額
公共施設の建て替え・メンテナンスのための基金 積立金として、301百万円増額
蕨駅西口再開発のための基金 積立金として、360百万円増額

ここらへんが大きなところですね。

 

 

次ページへ、

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この3月定例会にて新規の設置条例が上程されている、

市立病院建設基金の積立金として、10億円が増額補正されています。

 

 

ということで、令和4年度決算は、かなり好調だったようです。

なにゆえに好調だったのか、そこらの理由までは、この補正予算書からは分かりません。

 

※ 2023/2/18修正
繰入←→繰出の表記を、一部、逆に書いてしまっていたので、修正しました。


【蕨市議会】3月定例会に向けて、新年度予算説明会など

さて、そろそろ、全国の地方議会では、3月定例議会の準備が始まる頃です。

3月議会は、新年度(今であれば、令和5年度)の予算を決めなくてはならないので、一年で最も忙しく、ボリューミーな議会となります。

 

ということで、先日、令和5年(2023年)2月3日、蕨市の行政当局より、蕨市議会に向けて、3月定例議会が開かれるに先立ち、事前の新年度予算説明会が行われました。

 

 

ここでは、詳細を解説してコメントするのは止めておきます。

議会に対しては既に説明されていますが、これは、あくまでも内々の事前説明といった段階です。

3月定例会の告示日である2月10日までは、まだ一般向けに公開されているわけでないので。

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まあこれが、見事なまでに、バラ撒きの羅列です。

 

これはすごいくらいバラ撒きだらけです。

 

選挙を真近に控えたタイミングで、選挙対策の予算案を組むことができるのは、現職首長、現職政権ならではでありますが、それにしても、もう見事なまでのバラ撒きです。

もうほんとにすごいバラ撒きです。

ほんとにこれはすごい、見事なまでのバラ撒きです。

見ていて恥ずかしくなるくらいスゴい。

 

逆に言うと、選挙対策として、手持ちのカードを総動員するにしても、「バラ撒き」以外の策が思いつけない点が、共産主義者の現職市長の限界とも言えましょう。

 

バラ撒きって、安直過ぎるやり方なのです。

私だったら恥ずかしくて出来ないです。

もうよっぽど何も思いつかなかったか、自信がないか、ということの裏返しでしか無いので、政策プランナーとしては、恥ずかし過ぎる。

ここまで見事なバラ撒きを臆面もなくできるのは、逆に、一周回ってすごい。

 

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