蕨市の学校ICT推進状況、コロナ禍をきっかけにGIGAスクール構想が変質

先日、蕨市議会6月定例会に上程される各種議案、補正予算案についての、行政当局からの説明会がございました。

この稿では、学校ICT推進が前倒しされる件を解説致します。

 

 

 

ビフォア・コロナ時代のGIGAスクール構想のざっくり概要

一言でいうと、「全国の小中学校を、コンピュータ1人1台体制にする」という、国の政策です。

昨年度、令和元年度(2019年度)の冬に、新設されたものです。

国が、学校に1人1台パソコンを配ってくれる??

こちらで解説したように、「我が国の教育は如何にあるべきか?」という教育政策の発想から持ち上がってきた政策ではなく、ケインズ的な経済対策として持ち上がってきたものです。

パソコン(デスクトップパソコン、ノートパソコンではなくてタブレットでも構わず、どちらかというとタブレットを導入する自治体の方が多いようです)は、マシンだけ買っても教育の現場では使い物にはならず、

・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制

をセットで導入する必要があります。

ハードウェアは、生徒児童、一人一台の人数分のコンピュータ端末機器と、学校内のネットワークです。有線LANではなく無線LANが想定されています。

ソフトウェアは、コンピュータ端末で使用するコンテンツ、アプリケーション、デジタル教科書など、狭義のソフトウェアです。

指導体制は、これらのツールを用いて、先生がどうやって教えていくかという方法論、トレーニング・バックアップ体制のことです。

 

もちろん、膨大なお金がかかるし、買って設置したら終わり、というものでもないので、複数年単位での導入期間が必要です。

 

小中学校教育というのは、もちろん市町村の教育委員会が行うものなので、国が全国の市町村に補助金を配って、それを元にして、市町村が独自の考え方に基づいて、推進していく、という流れになります。

 

この、ビフォア・コロナの時点で、GIGAスクール構想が想定していた学校ICTの仕組みは、

従来のGIGAスクール構想が想定していたICT教育

学校の教室の中で、ICTを用いて授業を行うというものでした。

従来であれば、教科書、ノート、鉛筆、黒板などを用いていたものを、ICT機器に置き換えていくというものでした。

 

 

 

ビフォア・コロナ時代の、GIGAスクール構想に基づく、蕨市の小中学校へのICT導入計画

蕨市議会 3月定例会が始まります。

以前にこちらの記事にてご説明した通り、今年度、令和2年度(2020年度)当初予算にて、3.2億が計上されました。

体育館も含めて小中学校内にLAN環境が整備され、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級の全員にコンピュータ端末が配備されることになりました。

この時点では、令和2年度(2020年度)から令和5年度(2023年)までの4年間かけて、全ての学年に配備する計画でした。

 

急に決まった国の経済対策の補正予算を受けて、大慌てでざっくりした計画を立てたものです。この時点では、詳細はほとんど決まっていませんでした。

ネットワーク整備については、1/2が国補助。
コンピュータ端末の購入あるいはリースは、1台当たり4.5万円の国補助が出ますが、この当初予算の時点では、詳細は決まっていなかったので、歳出の全体の金額のみを決め、国の補助金は計上していませんでした。

 

 

 

コロナ禍によって、国のGIGAスクール構想が前倒しに

そして、このコロナ禍がやってきて、全国の小中学校が一斉に休校になりました。

諸外国では、zoom等のツールを用いたオンライン授業が行われ、我が国においても、先進的な企業はリモートワークに、大学、私立高校など高等・中等教育機関はリモート授業に移行する中で、我が国の小中学校は、なす術があまりありませんでした。

紙ベースの宿題を課したり、ワークブックを配ったり、試行的に自習用スマホアプリサービスのアカウントを配ったりしてみたものの、授業が開けない以上、学力の衰えは避けることが出来ません。

 

ここで、

オンライン授業をやらなくてはならない!

という需要が、急遽、新たに発生しました。

 

新たにGIGAスクール構想が想定するオンライン教育

 

オンライン授業は、ビフォア・コロナ時代には全く想定していなかったものです。

ビフォア・コロナ時代に想定していたICT教育は、前述の通り、あくまでも、一つの教室の中で、先生も生徒も全員が集まって、その中でICTツールを用いて授業を行う、というものでした。

今、そしてこれからのアフター・コロナ時代に求められるオンライン授業は、先生と各自の自宅にいる生徒・児童をインターネットで繋いで、完全にネット上で授業を行う、というものです。

 

リモートワークにて、Zoomや MS Teamsでオンライン会議を、しかも座長の立場で参加したことがある方であれば、大勢の児童・生徒の集中力を途切れさせることがなく、適切に双方向のコミュニケーションを行いながら、オンライン授業を行うのが、どれほど大変なものであるか、ちょっと考えれば想像がつくでしょう。

これ、本当に大変ですよ、先生は。

 

・ハードウェア
・ソフトウェア
・指導体制

これらのセットのうち、ハードウェア、ソフトウェアについても、ビフォア・コロナ時代に想定された従来型ICT教育とは、異なるものが必要となります。

生徒・児童の各家庭にネットワーク環境が必要になりますし、ソフトウェアもそれ用のものが必要になります。

 

「GIGAスクール構想」前倒し 積極推進の自治体も

政府は新型コロナウイルスへの対応としてまとめた緊急経済対策に、「GIGAスクール構想」の前倒し実施等の施策を盛り込んだ。児童・生徒「1人1台端末」の整備はこれまで令和5(2023)年度の達成を目指していたが、現状を踏まえ、令和元年度補正予算と2年度補正予算に端末整備等に係る予算を計上した。「1人1台端末」や在宅オンライン学習に必要な通信環境の整備等を加速する考え。 …

このように、GIGAスクール構想そのものが、性格を変えながら、前倒しでやることとなって、国の予算が付きました。

 

 

 

蕨市の学校ICT整備も前倒し

国のGIGAスクール構想が前倒しになったのに伴い、蕨市の学校ICT整備も前倒しすることになりました。

これが、6月定例会に1.1億増額の補正予算案として上程されます。

当初予算では、コンピュータ端末を配るのは、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級のみ、1,560台の予定でしたが、3,500台分に拡大します。全ての生徒・児童のうち、約8割に行き渡ることになります。

 

 

詳しいことは、6月定例会の中で、活発に質疑や意見が出てくる中で明らかになるでしょう。


【蕨市議会】新型コロナ対策の臨時議会がございました。

先日、令和2年5月1日(金)、蕨市議会の臨時議会が開かれました。

会期はわずか1日間だけという異例のもので、新型コロナ禍のために急いで設けられる緊急対策の予算案、条例案を通すための臨時議会でした。

 

緊急対策の、お金の出どころ別の分類

まず、

(1)国の一律10万円給付金
(2)市単独事業

この2つに分類出来ます。

 

 

(1)国の一律10万円給付金

すったもんだした挙げ句に決まった、国の一律10万円の給付金は、給付に伴う諸々の事務作業(案内書類を発送したり、返送を受け付けて確認したり、振り込んだりといった作業)は、市町村が下請けします。

 

蕨市の人口は、75,654人(4月1日時点)なので、

75,654人 ☓ 10万円 = (ちょっと余裕を持って多めに)76億円

が予算として計上されました。

よく理解していませんでしたが、これって、市内在住の外国人にも給付するんですね。

 

一連の事務作業の費用として、9,357万7千円も計上されております。
印刷代、送料、銀行振込手数料といったものに加えて、職員の人件費も含みます。
職員は、6人から成るプロジェクトチームが既に動き始めているとのことです(専任か兼任か、正規職員か会計年度任用職員かは不明)。

これらの原資は、全て国費です。
国のお金で、市が下請けをする、ということです。

 

(2)市単独事業

市が、基金(会計年度をまたいで貯めたり使ったり出来る、言わば貯金箱のようなもの)を原資として、独自に行うものです。

各自治体ごとに、首長の腕の見せ所とも言えます。

 

(1)国の給付金の財源は、全額が国債の新規発行です。日銀は令和2年4月27日の金融政策決定会合にて国債の買いオペの上限を撤廃しておりますので、要するにこれって、ヘリコプターマネーですよね。「お金を刷って配る」ということです。

(2)市単独事業の財源は、(私の理解によると、国と異なり、地方政府は、新型コロナ対策のための起債は出来ないはずなので、)基金を取り崩すしかありません。基金は、過去に貯めてきたお金であり、将来何かに使うはずだったお金です。当然に、将来何かをやるための原資が減ることになります。

財源は、国の経済対策と、市単独事業の経済対策の大きな違いです。

 

 

緊急対策の、対象別・お金の出し方別の分類

(1)経済対策
(2)生活支援

この2つに分けられます。

 

(1)経済対策というのは、企業の廃業・倒産を防ぐ、失業の発生を防ぐ、マクロの地域経済の疲弊を防ぐ、経済を回す(お金を使わせる)ことを目的とするものです。
対象は、営利を目的とした民間企業・個人事業主・フリーランスです。
市町村が行う経済対策は、主に、その地域に本店を置く中小零細企業、個人事業主、フリーランスを対象とし、いわゆる大手企業は対象とはしません。

・給付金
一定の条件に従って、差し上げるもの(返済を求めない)

・制度融資
一定の条件に従って、有利な条件で貸付をおこなうもの(返済を求める)

があります。

 

(2)生活支援は、市民個人を対象とするものです。
条件に従っての給付金(お金を差し上げる)、何らかの金券類の配布など様々なパターンがあろうかと思います。

生活を支援することが目的であって、経済を回すこと(お金を使ってもらうこと)が目的ではないので、配ったお金は、市外で使われてしまっても、貯金されてしまっても構いません。

 

 

 

蕨市の緊急経済対策を、川口市、戸田市と比較

3市の経済対策を比較できるように一覧にしてみました。

 

  • 川口市の経済対策

埼玉・川口市 小規模事業者に10万円給付 総額35億円の緊急経済対策

埼玉県川口市は新型コロナウイルスの感染拡大を受け、総額35億円超の緊急経済対策を実施する。売り上げが減少するなど影響を受けた小規模事業者に、10万円程度を一律給付する支援策などを盛り込む。補償の財源は市の財政調整基金の一部を活用する。 …

まず、4月9日に川口市がいちはやく経済対策を発表しました。
売上が減った小規模事業者に、条件付きで一律10万円を配るという、異例の給付金には、度肝を抜かれました。

川口市は中小零細企業が多いので、想定対象数は15,000件ということで、給付総額は15億。

しかも、これを議会を通さずに市長が専決処分(事後的に議会の承認を得る仕組み)で決めた点にもびっくりしました。

尚、給付金の総額が15億、これを含めてパッケージ総額が35億とのことですが、残りの20億の内訳は不明です。
従って、真水で何億かも不明。
川口市のwebサイトをじっくり探してみたのですが、さっぱり見つかりませんでした。余計なお世話ですけど、川口市のwebサイトはちょっと見にくいですね。

 

 

  • 戸田市の経済対策

4月22日に発表されております。
戸田市も、川口市と同じく、市単独事業については、市長による専決処分。
(後、国の10万円給付関連の予算を通すために臨時議会を開くことになりました)

https://www.city.toda.saitama.jp/site/press/hisyo-press2020-kisyakaikenkinkyuusien.html

戸田市は、菅原市長の下で広報がすごく上手ですね。
資料がとても分かりやすい。

総額12億とのことですが、内、8億は制度融資です。
制度融資は、一部は貸し倒れることでしょうが、いずれは返済されるべきお金です。
(利子補給と信用保証料は、供与するもの)

この制度融資の分を除いて、真水は4億というところですね。

 

川口市と同じく、小規模事業者・個人事業主向けの10万円給付を行います。
川口市と比べると対象者数が少なく、総額は2億48百万となっています。

ひとり親世帯、生活困窮者向けの生活支援として、3万円も給付します。これは独自のものです(この時点では)。

 

 

  • 蕨市の経済対策

これらを参考にして、蕨市は4月28日に、総額2.7億からなる経済対策を発表しました。

https://www.city.warabi.saitama.jp/shisei/kouhou/1006028/1006029.html

詳細はこちらをご覧ください。

蕨市は、川口市、戸田市と異なり、市長による専決処分ではなく、臨時議会を開くことになりました。

 

川口市・戸田市と同じく、小規模事業者向けに10万円給付を行うほか、家賃補助として一社当たり5万円。総額2億4千万。

戸田市はひとり親世帯・生活困窮世帯に一律3万円、総額3千8百万を給付しますが、蕨市は、ひとり親家庭のみ一律3万円、総額9百万を給付。
その他、妊婦さんに1万円分の交通ICカードを配布。

 

ということで、先に発表された川口市、戸田市の政策パッケージと遜色が無いようにコピーした上で、独自性を醸し出すためのプラスαを付け加えたという努力の跡が見られます。

戸田市の真水が4億であることと比べると、蕨市2.7億はかなり頑張った大判振る舞いと言えます。

もちろん、前述の通り、多ければいいというものではありません。基金を取り崩して原資とするわけですから、将来何かをやるためのお金が減ってしまうということになります。

 

コロナ禍の長期化に伴い、祭りの類のイベントは軒並み中止になっています。この種のイベントへの市からの補助金は不要となります。
市の当初予算の中で、他にも、執行出来ないものがたくさんあるでしょう。
オリンピック・パラリンピック関連のように、翌年度に繰り越さざるを得ないものもあるでしょう。

今後は、それらを精査した上で、経済対策パッケージ2.7億の原資の一部に充てる補正予算が組まれることになると思います。


市議会レベルで、今考えるべきテーマなど

まだ、「うちの市における政策案」という形で考えがまとまっているわけではありませんので、一般論として、郊外ベッドタウン都市の市議会レベルで、今の時点で考えるべきテーマはどんなことかな?というのを、だらだらと書いてみます。

要するに、以下は、精緻で体系的な意見・政策案という段階のものではなく、セルフブレストベースで考えながら書く、という感じです。

私としては、まだ何らの結論も出していませんので、ご意見あれば、お聞かせいただければ幸甚です。

 

 

 

市民への外出自粛の要請の類

これは、基本的には県レベルの話なので、市で出来ることはないかと思います。

 

市の職員が広報車を運転したり、ハンドマイクを持って歩き回ったりして、公園や繁華街などの人が集まっているところを巡回して外出自粛を呼びかけるべきだ、という意見も目にします。

これ、けっこう大変ですよ。
現場の職員は疲弊します。身が危険でもあります。
市レベルで、行政リソースが限られている中で、そこまでやる必要があるのだろうか?

防災無線、CATVの広報番組などの広報チャネルを用いて呼びかけるくらいなら、たいした追加的費用もかからないし、簡単に出来るかもしれません。

 

 

 

疫学的なアプローチ

これも、県レベルの話です。
市レベルで出来ることは、おそらく無いかと思います。

保健所は県が設置していますので。
(但し、中核市以上の市は、自前で保健所を設置していますので、自前である程度は考えないとならないですね。)

 

・・・と、思っていたのですが、

 

 

 

発熱外来の設置

ある方より、発熱外来を設置してはどうか?と提案を受けました。

東京・杉並区の病院で「発熱外来」のテントが新設|テレ朝news

感染の疑いがある症状が出た人たちを場所を分けて診療するため、東京・杉並区で病院の敷地に「発熱外来センター」のテントの設置が始まりました。 …

このような、病院や役所の駐車場などにテントを設置して、地元の医師会の協力を得て、輪番で医師会所属の医師に、新型コロナの疑いがある人の一次対応を専門に対応してもらう、というものです。

医療現場を守る効果があります。

 

これも、保健所レベルでないと、設置ができないのではないか?と思っていたのですが、

「発熱外来」を宮城県内初設置へ 登米市が市医師会と協議

新型コロナウイルスの感染増加に対応する緊急事態宣言を受け、登米市は17日、発熱を訴える患者を他の患者から隔離した場所で診察する「発熱外来」を、登米市民病院の敷地内に設置する方向で登米市医師会と協議していることを明らかにした。県内の自治体で発熱外来を設置するのは登米市が初めて。 同市では17日現在、新型コロナウイルスの感染者は確認されていない。 市によると、市内の開業医から「通常診療をしながら…

登米市では、地元の医師会に協力を求めて、登米市民病院の敷地内に発熱外来を設置するそうです。

登米市は、政令指定都市でも中核市でもなく、人口7.8万(奇しくも蕨市と同じくらいですね)ですので、自前の保健所は持っていません。

保健所を自前で持っていなくても、地元の医師会の協力を得られれば、発熱外来を設置することは可能のようです。

蕨市の場合であれば、医師会は「蕨戸田市医師会」ということで、範囲が戸田市・蕨市となっておりますので、蕨市と戸田市とで協力して設置する、というのが現実的かもしれません。

これは、一つのプランとして要検討です。

 

 

 

次亜塩素酸水の無料配布

また、この方からは、除菌効果がある次亜塩素酸水を製造して、無料で配布してはどうか、という提案もいただきました。

https://www.city.ebina.kanagawa.jp/guide/kenko/kansensho/1010556.html

海老名市では、無料配布しています。

数万円程度のキットを買えば、特に専門知識がなくても製造できるようです。

人的リソースに余裕があれば、これもありですが、配布方法をうまく考えないと、配布する際に三密を作ってしまうことになります。

 

 

新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく対応の類

平成24年(2012年)公布の新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づいて、全ての市町村は、新型インフルエンザへの対策の計画を作らなくてはならないことになっています。

https://www.city.warabi.saitama.jp/kenko/kenko/kansensho/1001850.html

蕨市でも、平成25年(2013年)に「蕨市新型インフルエンザ等対策行動計画」を作っています。

この法律は、本年、令和2年(2020年)3月に改正されて、この度の新型コロナにも適応されることになりました。

 

この蕨市の行動計画の中で、

・全市民に対する、優先順位をつけた上でのワクチンの住民接種
・生活関連物資の安定供給の確保
・遺体安置・火葬施設の確保

などは定められています。

この当たりは、それぞれが必要な段階になれば、担当部署が動き出すことになると思います。

 

 

市民個人/市内事業者への給付金の類

取り敢えず、国が、所得制限無しで一律、一人当たり10万円ずつ配ることが決まりました。

国のこの政策についても、ちょっといろいろ言いたいことはありますが、ここでは置いておきましょう。

国とは別に、市レベルでも独自に、市民個人あるいは市内事業者に給付金を配ろう、という動きが各自治体であります。

川口市が一律10万円独自支援金|NHK 首都圏のニュース

埼玉県川口市は、新型コロナウイルスの感染拡大で厳しい経営状況に陥っている小規模な事業者への緊急支援策として、独自に一律10万円を支給することを決めました。 川口市が一律10万円の支給の対象とするのは、製造業は従業員20人以下、商業やサービス業では従業員5人以下の小規模事業者で、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、経営が悪化するなかでも事業の継続を目指す事業者です。 …

例えば、川口市では、市内の小規模・零細事業者に、条件付きで、一律10万円の「支援金」を配布するそうです。
川口市は郊外ベッドタウンであると同時に「産業の街」でもあり、圧倒的多数の中小零細企業を抱えているという特殊性があります。

地方政治というのは、横並びでモノを考えて競い合う雰囲気があるので、当然、「ウチもやろう」という動きが出てくるはずです。

これについて、どう考えるべきか?

 

 

まず、配る相手としては、

・市民個人
・事業者(法人・個人事業主、フリーランスも含めて)

の両パターンがあります。

 

 

目的としては、

・生活を守るため
・地域経済を回すため・守るため

の両パターンがあります。

 

 

個人的には、こういう「お金を配る」って好きじゃないですね。どのようなパターンであれ、政府の介入って無条件に嫌いですね。

しかし、これは、個人的な「好き/嫌い」の話であって、
今、論ずるべきなのは、「必要かどうか、やるべきかどうか」という話です。

 

 

今は、それが必要であって、やるべき局面だろうか?

大規模な感染症の発生は、歴史上、何度も発生してきたものであって、そもそも予見できたリスクであったとも言えます。
この考え方に立って厳しい言い方をすると、事業者ならば商売をやる上で当然に見込んでおくべきリスクであったはずだし、個人ならば半年や一年分くらいの生活費はキャッシュで持っておきなよ、という話です。

他方で、ここまでの規模のものは、想定を遥かに超越したブラックスワンだとも言えます。

 

うーん、まあ、ブラックスワンですよね?

(それにしても、21世紀はブラックスワン多過ぎです)

 

 

今の状況を予見できたのは、ビル・ゲイツ氏くらいじゃないでしょうか。

 

 

市内の会社がバタバタと倒産されたら困る、失業を生むし、地域経済が壊滅するし、税収も減るから。経済を回すのは政府の仕事なので、支援するのは当然だ、という考えがあります。

他方で、
10万円なんて、社員が3,4人もいればあっという間に溶けてしまう程度の金額に過ぎないし、その後、結局盛り返せずに倒産するなら、配った10万円は死に金になってしまう、一時的な不満を和らげるだけのための無駄なバラマキに過ぎないじゃないか、という考えもあります。

それでは、100万円なら大丈夫なのか?
300万円なら?
あるいは、思い切って、売上減少分の全額補填なら大丈夫なのか?

いったい、いくら配れば、市内の倒産や失業の発生を防げるのか?

そもそも、そのお金はどこから出てくるの?

そもそも、いつまでコロナ禍による外出の自粛、経済の縮小が続くのか?
見通しにくいので、推計できません。

 

 

 

 

給付金について考えると頭が痛くなってきそうなので、ちょっと置いといて・・・

 

 

 

そもそも、市レベルの(広義の)経済政策における、ファーストプライオリティは何か?

市内企業の倒産を防ぐ、失業の発生を防ぐ、市民が住宅ローンが払えずに持ち家を手放さざるを得ないような事態を防ぐ、これはもちろん大事ですね。
とても大事です。

しかしながら、最も重要な、何よりも優先しなくてはならないこと、そして、これだけは実現しなくてはならないという最低限のこと、は何でしょうか?

 

経済的な理由による自殺を防ぐ

これじゃないでしょうかね?
どうでしょうか?

 

 

 

自殺対策

では、経済的な理由による自殺を防ぐためにはどうすればいいのか?

 

全ての市町村は、国からの要請で「自殺対策計画」というものを策定しております。
個人的には、自殺する理由と対策に、それほど地域差があるとは思えないのですが、とにかく、市町村がそれぞれ独自に対策計画を作ることになっています。

蕨市でも、

https://www.city.warabi.saitama.jp/kenko/shogaisha/seishin/1001966.html

「蕨市自殺対策計画」というものを、昨年、平成31年(2019年)3月に策定しています。

ここで書いてあることを、ざっくり斜め読みした上でまとめると、

市レベルで、経済的な理由による自殺を防ぐための対策は、

・生活保護制度
・生活困窮者自立支援制度

この2つです。

 

 

生活福祉資金|全国社会福祉協議会

「新型コロナウイルス感染症を踏まえた生活福祉資金制度による緊急小口貸付等の特例貸付」について の情報は本会トップページからご確認いただけます。 「生活福祉資金貸付制度」は、低所得者や高齢者、障害者の生活を経済的に支えるとともに、その在宅福祉及び社会参加の促進を図ることを目的とした貸付制度です。 …

社協がやっている生活福祉資金

 

小学校休業等対応助成金・支援金(4月以降分)の申請受付を開始します

このホームページを、英語・中国語・韓国語へ機械的に自動翻訳します。以下の内容をご理解のうえ、ご利用いただきますようお願いします。

厚生労働省が直でやっている、小学校休業等対応助成金・支援金

 

新型コロナウイルス感染症により影響を受ける中小・小規模事業者等を対象に資金繰り支援及び持続化給付金に関する相談を受け付けます

【2020年4月13日発表資料差し替え】「中小企業 金融・給付金相談窓口」の直通番号を変更しました。また、「よくあるお問い合わせ」を更新しました。 【2020年4月9日発表資料差し替え】「よくあるお問い合わせ」を追記しました。 経済産業省は、令和2年度補正予算案の閣議決定を受け、これまでの資金繰りに関する相談に加え、「中小企業 金融・給付金相談窓口」において給付金関係の相談を受け付けます。 …

経済産業省がやっている、新型コロナウイルス感染症により影響を受ける中小・小規模事業者等を対象とした「資金繰り支援及び持続化給付金」

これらの、国レベル、県レベルの給付金・貸付金をフルに使ってもらい、貯蓄を全て吐き出し、持ち家や自家用車などの資産がある人はそれらを売り払い、それでも尚、生活が立ち行かない、という人にとっての、セーフティネットが、

・生活保護制度
・生活困窮者自立支援制度

となります。

 

市レベルでのファーストプライオリティは、この2つの制度が、しっかりと機能するように、漏れが生じないように、備えをしておくことではないか、と。

 

 

 

生活保護制度は、文字通り「最後の」セーフティネットですね。

不正受給が問題になる一方で、経済的に困窮して悲観し、生活保護の申請をする前に自殺を選ぶ人たちもいます。自ら経営する会社を潰すくらいなら死んだ方がましだ、という人たちもいます。コロナ禍でダメージを受けて、本当に生活保護が必要な状態に陥ってしまった場合は、自ら死を選ぶよりも、この制度を使ってもらうえるようにしなくてはなりません。

生活保護は、国の制度であり、言わば市は下請けで運用しています。
原資も、原則として全額が国から市に支払われることになっています(3/4が国庫負担金、1/4は地方交付税交付金として)。ケースワーカーの人件費などの事務経費も国から支払われます(地方交付税交付金として)。

生活困窮者自立支援制度というのは、2015年に新設され、「生活保護の一つ手前の制度」と言われています。サービスメニュは、市が独自に設けることとなっており、費用負担が自前のものもあります。内容はかなり幅広く、「貧困の連鎖を防ぐ」という視点での、子供の学習支援などもあります。

 

制度は既にあるのです。
これが、しっかり機能するように備えをしておくことが大切です。

 

 

 

生活保護増大への備え

この2つの制度の利用者数・総額が拡大することを想定して、準備しておくことが、今の時点では必要なわけですが、

特に、重要なのは、ケースワーカーの増員です。

前述のように、ケースワーカーの人件費は、地方交付税交付金として、国が負担しています。しかしながら、人は、結局のところ、市の職員がローテーションの一環として配属されていますので、来月から急に1人増やす、ということが簡単にできるものではありません。
(尚、資格が必要な専門職ではありません)

蕨市役所の当該部署を見渡してみると、若手の職員が多く配属されているようですね。
また、受給者80世帯につきケースワーカー1人を配属しなくてはならないことになっているのですが、一昨年6月時点でのケースワーカー人数は12人で、平均して1人当たり被保護世帯102世帯を担当しているとのことで、既にケースワーカーは3人強不足していることになります。
増員しておくことが必要かなと思いますね。

 

 

 

再び給付金の話へ戻る。ある程度の倒産・ある程度の失業への備え

やはり、

・生活の支援

は、ある程度は必要か。

 

難しいのは

・完全に公平にやるのは無理。
どこかで不公平は必ず生じる。不満が出てくる。

・スピードが重要。
熟議を重ねている余裕はない。

・妥当な金額、条件は分からない。
「出せる金額」ということで総額をスパッと決めて、それを割り算で一人当たり給付額を決めるようなアプローチしか取り得ないのではないか。

 

つくづく、危機のリーダーは大変ですね。

 

 

 

DV・児童虐待が増えることへの対応

既に、人々の心がささくれ立ってきつつあるのを、折々に感じます。
今後、先が見えない家こもり生活、収入減、資産の毀損、失業の恐怖が続けば、ますます人心が荒廃してくでしょう。

家族が一日中、家にいて顔を突き合わせていますので、危機を前にして、お互いの存在のありがたみを実感して結束が高まる家族がある一方で、ギスギスしてケンカばかりという家族も出てくるでしょう。

やはり、DV・児童虐待は増えるでしょうね。

今でも市レベルでの対策はしているのですが、一層の強化が必要になるかも。

 

 

 

オンライン教育どうするか

いつになったら小中学校が再開できるか分かりません。

オンライン授業、これはやるしかないです。
今、やらないという選択肢は無いのではないかと思料。

道具(コンピュータ、ネットワーク回線などの設備)もないし、ノウハウもない。お金もかかるし、本来なら、1年、2年といった長い時間をかけて導入すべきものですが、無いなりに考えて今すぐやるしかない。

 

いわゆるゆとり教育の時代に学校教育を受けた世代の学力の低さを揶揄して「ゆとり世代」と呼んだりしますが、今の小中学生が「コロナ世代は学力が低い」などと言われることは、これは何としても防ぎたい。

ちょっと考えてみますので、別稿にて。


蕨市議会 3月定例会が始まります。

明日、令和2年(2020年)2月20日より、蕨市議会 3月定例会が始まります。

市議会の定例会は、年に4回あり、その中でも3月定例会は、翌年度の予算を審議するために、最も密度が濃く、重要なものとなります。

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ただ今、予算審議に備えて、予算書を読み込んでいるところです。

 

金額規模は過去最大

一般会計の総額は、260億となり、前年比+5.8%、+14.3億円です。

何が増えたのかというと、ざっくり大きな、特別なもの(経常経費ではないもの)をピックアップしてみると、

 

・市民会館の改修
5.6億。
主に空調設備の工事。
経年劣化した設備を新しいものに入れ替える、ということですので、目に見えて何かが変わるわけではなさそうです。

 

・市庁舎の建て替え
4.2億。
来年度は、今年度に引き続き設計を進めます。
仮設庁舎を建てて、引っ越しを行います。
現庁舎の取り壊しを行います(令和2,3年度にかけて)。

 

・蕨駅西口再開発事業への補助
4.0億。
内、1/2は国、1/6は県が負担しますので、実質、市の負担は半分の2.0億です。
再開発の事業主体は、「再開発組合」です。市は一地権者(組合メンバの一人)という立場です。
いよいよ動き出すってところですかね。
再開発は、地権者間の合意形成が最も難しいところですが、デリケートな交渉を含むため、進捗については議会・市民に対して詳しく公開されておらず、不満を感じています。「いつ頃できるの?」と聞かれても、何ともお答えできません。

 

 

・教育ICT:小中学校へのパソコン導入
4.0億。 →訂正 3.2億
新年度は、LAN環境が整備され、小学5・6年生、中学1年生、特別支援学級の全員にパソコンが配備されます。

国が、学校に1人1台パソコンを配ってくれる??

昨年(2019年)11月に書いた、この記事の経済対策(ケインズ的な景気対策)が、その後、「GIGAスクール構想」と名付けられ、早速、新年度予算に盛り込まれています。
同構想によると、めんどうな手続きである、調達は、県がまとめてやってくれるぽいですね。
教職員教育が課題となります。

 

 

ところで、よく、一般会計と特別会計を合わせていくらか?とお尋ねになる方がおられますが、一般会計と特別会計は重複している部分があるので(一般会計から繰り出して、特別会計が繰り入れる)総額の多寡を論じることにはあまり意味はありません(と、私は考えております)。

 

 

個人的に喜ばしいのは、↓これ。

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高齢者の運転免許返納へのインセンティブ制度ができます。

予算は3.0百万。

免許を自主返納した65歳以上の市内居住者に、
・タクシー券(初乗り14回分)
または
・国際航業バス回数券(7,700円分)
を(一回だけ)付与する、というものです。

 

私もかねてより強く導入を訴えてきたところです。

高齢者が加害者となる、不幸な交通事故を防ぐために

高齢者が加害者となる不幸な交通事故がなくなるように望みます。


新しい政策提案をするなら、財源案も示すべき?

ご支援者様と話をしていて、よく尋ねられるのは、

「新たに○×をやろう、と政策提案をするのならば、その財源案も示すべきではないのか?」

ということです。

 

 

議会での議員の発言は、

「新たに○×をやろう」

という新規の政策提案で溢れています。

もちろん何をやるにしてもお金も人手もかかります。
お金が黙っていたら降ってくる、あるいはどこかから湧き出てくる訳ではありません。
高度経済成長期のように、毎年毎年、人口も税収も増え続けていた時代とは違います。

財源は、
・既存の出費の何かを削る
・新たな税収を増やす
といったやり方で確保する必要があります。

しかしながら、議会での議員の新規政策提案において、共に財源案が示されることは少なく、それどころか、その新規案に幾らくらいのお金がかかるのかというざっくりした予算の規模感すら示されることはあまりありません。

 

 

冒頭の発言は、それはおかしいのじゃないか?という不満、あるいは素朴な疑問です。

おそらく、「社会保障の充実のために、消費税率を上げる」というようなものをイメージされているのかと思います。

これに対しての、私の見解を以下、申し述べます。

 

 

私は、地方議会における議員の新規政策提案においては、以下の理由で、財源案を示す必要はないものと考えます。

 

  • 行政当局が提示する新規政策案と、議会の新規政策提案は、違う。

行政当局が示すのであれば、可決されれば即、実行フェーズに移れるような、精緻で完璧な状態な案である必要があります。

行政と議会とは、求められる役割が異なります。

行政当局を動かして「精緻で完璧な案を作らせる」のが、我が国の地方自治の在り方における、地方議会の役割です。
議会において議員が提示するのは、「アイディア段階」のもので構わないと考えます。単なる思いつきだと困りますけどね。

また、行政当局と議会には、情報の非対称性があります。議会は、能力もリソースも限られています。

 

 

  • 住民の身近なテーマを扱う地方議会での発言は、カジュアルでラフなものでも構わない。

何丁目何番地のゴミ置き場がカラスの被害がひどいとか、どこそこの交差点に信号を設置してほしい、といったような、住民の身近なテーマを扱うのが市町村議会です。

そうであるからこそ、漠然とした不満、漠然とした要望、漠然とした問題提起のようなものでも構わないと考えます。

 

 

  • 地方自治体では、税収を操作できる余地があまりない(国と比べて)。

新たな税制を設けたり、税率をちょこっといじったりして、短期的に税収を増やすなんてことは、そんなに簡単には出来ません。

中期的には、人口を増やしたり、企業誘致を図ることによって税収を増やすことは出来るかもしれません。しかしながら、蕨市は、空いている土地もほとんどなく、首都圏におけるベッドタウンという街の位置付けからしても、新たな産業を起こしたり、外から企業を誘致する余地はありません。


蕨市 平成30年度決算(3) 蕨市立病院が黒転したって、ほんとなん?

これもよく聞かれますね。

赤字垂れ流しだった蕨市立病院が、コミュニストの現市長の下でバリバリ再建されてピカピカに黒字化されたって本当なの?
と。

 

結論から言うと、そんなことはないですね。

虚偽とがプロパガンダと言うと、言い過ぎですが、まあ、「黒字基調になった」とまで言うと、明確にウソですね。

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それでは、蕨市立病院事業会計の平成30年度決算資料を見てみましょう。

 

 

平成30年度は、-78百万の純損失

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平成30年度は、78百万の純損失でした。

なお、昨年度 平成29年度は、38百万の純利益でした。

 

 

直近5年間の推移は?

それでは、過去5ヶ年度分を見てみましょう。

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平成26年度
-6億44百万の赤字

平成27年度
-14百万の赤字

平成28年度
1億37百万の黒字

平成29年度
91百万の黒字

平成30年度
-29百万の赤字

 

となっております。

 

会計年度によって、黒になったり、赤になったり、と言ったところですね。

 

財務会計上の決算の数字なんて、ある程度いじれる部分がありますので、単年度で見てもあまり意味がないかもしれませんね。トレンドを見ないと。

ビジネスをやっていて、銀行にお金をお借りしに行く時は、直近3期分の決算を見られます。
3期連続して黒を出していないと、そもそも融資検討の対象外で、門前払いを食らいます。
私も本業で経験ありますけどね・・・アハハハハハッハ
ついでに言うと、プライベートカンパニを経営している社長個人は、会社の決算が3期連続して黒を出していないと、個人で借金することも不可能です。

 

 

累積では?

それでは、累積で見たら、どうか?

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利益剰余金は、
-6億60百万です。

これは、要するに、累積赤字を意味します。

 

資本金 22億83百万
ですが、この資本を毀損していることになります。

 

 

異次元の赤字に突入

ところで、↑ この2つ上の画像:直近5ヶ年度の推移の中で、

医業収益-医業費用

を見てください。

 

この数字は、要するに、医業そのものの損益を示します。
要するに、粗利ということです。

 

メーカならば、研究開発の先行投資が必要だし、
卸ならば、在庫をたくさん抱えてしまうこともありますし、
サービス業ならば、先行投資でシステム開発をしたり、広告宣伝費を打ったりして、

粗利が赤になることもあるでしょう。

 

しかしながら、医業の費用というものは、
人件費
薬やら点滴液やらの仕入れ
減価償却費(建物、設備などの、医業そのものに必要な資産に関わるもの)

から構成されています。

どうやら人件費の中には、管理部門の部分も入っているようで、一般的な、民間企業のビジネスにおける財務会計であれば、販管費に含みそうな部分も若干あると言えばあります。
しかしながら、言わば、医業という本業そのものにおいては、よほどのことがない限り、粗利が赤になることなどはあり得ないのではないでしょうか。

 

直近5年間、純損益は黒転したり赤転したり行ったり来たりといった状況でしたが、平成30年度は、粗利が初めて赤転しました。

これは、今までになかった、異次元の赤字に突入したということになります。

 

 

異次元の赤字の理由は、医師の確保の失敗

それで、平成30年度の業績悪化の原因なのですが、
決算書の説明によると、

常勤医師の確保の失敗、と解説されております。

産婦人科において7月と11月に常勤医師が各1名退職したことのほか、外科において常勤医師が病に倒れたことによる影響もあり・・・

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まあ、人が辞めてしまったものは仕方がないのですが、辞めた分を適切に補充するのが経営者の仕事であります。

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常勤医師が減った結果として、
・入院患者数
・外来患者数

が、大幅に減ってしまっています。

昨対でも減っておりますし、予算に対する達成率は93%です。

 

 

蕨市立病院の経営におけるKFSは、「常勤医師の安定的な確保」です。

8年前から、これ、各種の資料に書いてあります。

常勤医師が16人しかいない小規模な病院ですので、一人辞めただけでも、収益へのインパクトは極めて大きいのです。

今まで、ベストの経営努力をして果たせなかったのか、そもそも経営努力をしてこなかったのかは分かりませんが、なお一層の経営努力を望みます。

 

 

その他

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ちょっと気になるのは、これ。

 

建物の償却残が、9億70百万あります。

建物、というのは、市立病院の
・本館(昭和45年築)
・サービス棟(昭和45年築)
・リハビリ棟(平成12年築)

のこと。

大規模修繕の費用も、「建物」に入っているはずです。

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定額法で8~39年ということになっていますけど、

市立病院の建物は、耐震診断の結果が不合格となっており、耐震対応(建て替えか、耐震補強か)が喫緊の課題となっています。

取り壊す際は、残を一括償却しなくてはならない可能性があり、これが隠れた爆弾かもしれません。

 

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あともう一つ、

一般会計からの繰入は、

2億57百万です。

このうち、↑ の画像の中の
・救急医療負担金
・企業最利息負担金
・児童手当補助金
・院内保育所負担金

は、公営企業への繰出基準に基づくものですが、

・企業再償還金負担金
1.3百万

は、基準外のようですので、金額は小さいですが、一般会計からの赤字補填と言えます。


蕨市 平成30年度決算(2) 朝鮮学校への間接的補助金がゼロに

今回の決算で、個人的に最も喜ばしいのはこれ。

 

私は従来より、北朝鮮による拉致被害者の身柄を取り戻すため、北朝鮮による核・ミサイル開発を放棄させるために、蕨市における、朝鮮学校への間接的な補助金「外国人園児・児童生徒保護者補助金」の廃止を求めておりました。

この一見すると、全ての外国人の子供の親を対象としたかのような名前の補助金制度は、事実上、大宮にある朝鮮学校にに通う子供の親だけを対象としたものであり、間接的な朝鮮学校への補助金にほかなりません。

朝鮮学校は、我が国の北朝鮮の出先機関である朝鮮総連の傘下にある以上、北朝鮮にお金を上げるものである、と見なすことができます。

まったく意味が分からないですね。

私は、経緯も根拠も不明で、我が国の国益に反する、極めて邪悪な補助金制度であるとして、議会でも度々取り上げて問題視し、廃止を求めてきております。

↑ こちらが、2012年3月、平成24年度(2012年度)予算審査の時の、会派内部での検討用に私が作った資料です。

この時は、会派内部では賛成は得られませんでした。

在日の人たちもかわいそうだしね・・・という、問題の本質を理解していない意見もあれば、そちら方面の集団による恫喝的・暴力的な反対運動を予想してビビってしまっているような方もいました。

 

あの時から7年半経ちましたが、我が国の世論はかなり変わりました。

拉致問題への関心も高まり、何としても拉致被害者の身柄を奪回しよう!という機運も高まっておりますし、同様に、北朝鮮による核・ミサイル開発が進み、同盟国や国際社会と協力して、北朝鮮への圧力を強めていこう、という機運も高まっています

他方で、朝鮮総連の力(資金力や、人的リソースの動員力、我が国の政界や世論への影響力)も衰えているものと推測します。

 

平成29年度決算:28万8千円

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28万8千円でした。

学年によって金額が異なり、生徒数も変わるため、毎年金額は変動します。

 

 

平成30年度予算:28万8千円

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そして、平成30年度予算、すなわち、今回、審査している年度の予算では、前年度決算額と同じく、28万8千円が計上されていました。

 

 

平成30年度決算:0円

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今回審査している、平成30年度決算。

ゼロになっています!

 

しかし、「予算は計上されながら決算がゼロ」というのは、どういうことなのか?

・保護者側からの申請がなかったので、ゼロだったのか、
・保護者側からの申請があったものの、却下して執行しなかったのか、

ここまでは、この決算書類からは分かりません。

 

明日から始まる決算委員会で、誰かが聞くと思います。
(私は、副議長として出席しますが、質疑・発言することはできません)

 

 

今年度、平成31年度予算では、:28万8千円

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ところで、今年度(平成31年度、令和元年度)予算ではどうなっているのか?

実は、28万8千円が計上されております。

 

つまり、まだ廃止されたわけではないのです。

 

来年度(令和2年度)予算においては廃止を求めます。

 

 

BLOGOS 2019/8/31 赤池誠章 : 朝鮮学校への地方からの支援見直し 4千万円減もいまだ2億円超を支援

ところで、平成30年度決算における、全国の都道府県、市町村からの朝鮮学校への間接的補助金については、↑こちらの記事がまとまって解説してあります。

 

 

 

過去に北朝鮮による拉致問題について書いた記事

北朝鮮による日本人拉致被害者救出活動を進めることの難しさ

拉致被害者家族会 飯塚繁雄氏の講演会がございました。

拉致問題を考える埼玉県民の集いに行ってきました。

北朝鮮が日本人拉致問題の全面的な再調査を受け入れ

国連調査委による、北朝鮮の拉致問題に関する最終報告

北朝鮮による横田めぐみさん拉致被害現場

米朝首脳会談と共同声明を受けて

朝鮮学校保護者補助金を、朝鮮総連が吸い上げている?

特定失踪者問題調査会の現地調査(池袋-川口)に参加しました。