蕨市議会 2016年9月定例会の一般質問の通告内容

ただ今、開会中の蕨市議会 2016年9月定例会において、以下の6点の一般質問発言通告をしております。
一般質問とは、各議員が好きなように政策提案をしたり、行政側を問い質したり出来る制度です。

  • 富士見球場改修計画と 地下調整池建設計画、及び周辺の内水対策について
  • 西公民館のエレーベーター設置計画について
  • 自然災害情報の公開について
  • 市立図書館の貸出サービスについて
  • 歴史民俗資料館の情報公開について
  • アウトメディア推進事業への取り組みについて
DSC_1603
以下、解説など。
  • 富士見球場改修計画と 地下調整池建設計画、及び周辺の内水対策について
球場改修計画の今後の見通しはどうか。
地下調整池建設計画の今後の見通しはどうか。
周辺の内水被害状況と、対策、今後の見通しはどうか。

 

錦町の地元ネタ。

錦町2丁目の富士見球場近辺は、大雨の時に道路冠水、床下・床上浸水が発生しやすい場所です。

DSC_1462

↑この場所。この写真を撮った後、さらに水深は深くなりました。

hoya_t blog 2016/8/24 : 台風被害など

つい先日の台風の折りにも、道路がかなり冠水して、通行止めになるほどでした。

hoya_t blog 2016/6/29 : 蕨市議会 2016年6月定例会 一般質問の内容#錦町雨水管渠築造工事(28-1工区)について

↑こちらのエントリで説明した通り、本年度、富士見球場北西端(図のB地点)からセブンイレブン蕨錦町2丁目店の角(A地点)までの道路の下に、大型の雨水排水管を通す工事を進めています。

推進工法という、それぞれの端の2箇所のみに穴を掘り、管を押し出しながら設置していく方法ですので、この2地点間の道路全面を掘り起こすわけではありません。

DSC_1604

本日2016年9月21日の、セブンイレブン角の様子。バキュームカーでどす黒い汚泥を吸い出しながら、何かの作業をしていました。

雨水排水管そのものが、貯水機能を持ちます。今年度の上記の部分だけで1,100tの貯水機能があるそうです。
かなり雨水排水機能が向上しますので、効果に期待します。

郷南公園の地下には、既に調整池(雨水貯水池)が設置されています。

更に、富士見球場の地下にも同じように調整池を造る計画があります。

2008年3月の議会答弁で、「ある程度下水管を延長して(その後に)地下調整池を造る」という趣旨のものがあり、そろそろ調整池を造るタイミングなのかな?と、今後の予定を尋ねる予定です。

 

合わせて、管理棟、音響設備、看板類が老朽化している野球場そのもののリニューアル計画についても尋ねるものです。

 

 

 

  • 西公民館のエレーベータ設置計画について
今後の見通しはどうか。

 

これも地元ネタ。

Untitled

西公民館。数年前の、西ふれあい祭りの時の様子。

 

西公民館は2階建てですが、エレベータが設置されておりません。西公民館と、社会福祉法人蕨市社会福祉協議会が所有・運営する老人福祉センター 松原会館とは、敷地が隣接し、各階で連結されており、一体となって利用されることも多いのですが、こちらにもエレベータはありません。

尚、市内7ヶ所の公民館のうち、エレベータが設置されていないのは、
・中央公民館
・西公民館
の2ヶ所だけです。

 

高齢化が進む中で、地元や利用者から、以前よりエレベータ設置の要望が強く在りました。

議会でも何度も取り上げられてきたテーマです。

西公民館のエレベータは、これは必要なのです。
なので、行政は、タイミングは不明ですが、今後、必ず設置することになります。
オフィシャルにはそのような計画は今時点はありませんが、今更私が議会で取り上げなくても、もはや確定路線だと思います。
後述するように、本年度(2016年度)末に発表される公共施設等総合管理計画(ファシリティマネジメント計画)の中で、西公民館へのエレベータ設置時期が、明確に示されることになると思います。

エレベータが設置されると、市長も、過去に議会で取り上げた各議員も、「私がエレベータ付けました!」と一斉に成果をアピールすることになります。
地元の議員の私としては、その際に「私こそがエレベータ付けました!!」と、他の議員に負けじと強くアピールしなくてはならないので、言わばアリバイ作りのようなもので、オフィシャルな場で、この種の質問を今のこのタイミングでやっておかなくてはならない訳です。
もちろん、今まで何もやって来なかった訳ではなく、会派の予算要望などをを通じて行政当局への要望はしてきています。

 

 

議会における、市当局の答弁の様子などから、当局の本件に関する対応を時系列で追ってみますと、以下のようになります。

2012年9月議会 教育部長の答弁
耐震工事を行う際に、同時にエレベータ設置工事を行う方向性を示す。

教育委員会といたしましては、今後、建物全体の耐震性を高めるための補強工事など施設全般にわたる大規模改修をする際に、財政状況などを勘案しながらエレベーター設置についてもあわせて検討してまいりたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと存じます。

2013年 西公民館の耐震診断を実施。結果は、「OK、現状問題無し」
耐震工事が不要になってしまった。

2014年12月議会 教育部長の答弁

現状においてはエレベーターの設置につきましても、先ほどの松原会館とのつなぎの部分と同様に、まず松原会館のほうの耐震化計画等の動向により判断をしていきたいというふうに考えております。

この時点で、松原会館は耐震診断の結果はNGが既に出ている。
言わば、松原会館を所有・運営する社会福祉協議会にゲタを預けた形。

2016年6月議会 教育部長の答弁

平成25年度に耐震診断を実施いたしまして、耐震性能はあるとの結果が出ておりますが、昭和53年4月の改築以来、38年が経過しておりますので、今後、施設の長寿命化を図るための大規模改修などについても検討する必要が出てくるものと考えております。そうした場合には、本年度策定されます蕨市公共施設等総合管理計画で示されます基本的な方針などを踏まえながら、エレベーター設置につきましてもそういったことも含めまして、その中で議論してまいりたいと考えております。

2016年度(本年度)に策定中の蕨市公共施設等総合管理計画(ファシリティマネジメント計画)の中でエレベータ設置計画を示す予定、と。
言わば、逃げの答弁だが、行政マン的には無難な答弁と言えましょう。

松原会館。
左奥の3階建ての建物は、社会福祉協議会の所有であるものの、事実上、西公民館と一体となって運営されています。
1970年 平屋建てとして新築
1976年 2,3階を増築
1992年 大規模改修
2013年 耐震診断の結果:増築した2,3階部分がNG

 

松原会館は、上記の通り、現状では危険なので、建て替え・耐震補強・廃止のいずれかを意思決定しなくてはならないのですが、社会福祉協議会は、そもそも組織の成り立ちからして、大きな内部留保もなく、収益事業などの自主財源を持っておらず、従って、借り入れを起こすことも不可能なために、自前での建て替え・耐震補強をすることは難しく、今後の対応策については暗礁に乗り上げています。

結局のところ、市が引き取って建て替えるしか無いだろう、というのが私の結論で、市全体のファシリティマネジメントの中で、松原会館の建て替え・改修計画を位置付けることを、以下の通り2015年3月議会で主張したところです。

hoya_t blog 2015:3/10 : 蕨市議会 2015年3月定例会の一般質問通告しました。#公共施設等マネジメント白書について

 

 

まあ、といった状況で、本年度末(2016年度末)には、具体的な設置時期が示されるでしょう。

 

 

問題は、お金ですよね!
エレベータ設置って幾らぐらいかかるんだろう?
さっぱり想像つかないですね?

 

調べてみると、2003年度に、東公民館と南公民館にエレベータ設置工事が行われていることが分かりました。

DSC_1599

↑ 2003年度(平成15年度)決算書より

2003年度 当初予算額(2003年3月時点) 50,300千円(両公民館の合計で)
2003年9月議会での補正予算 +18,924千円(増額)
2004年3月議会での補正予算 -4,418千円(減額)
決算額(2004年9月議会) 57,382.5千円

となっていました。

経緯を想像すると、おそらく、2公民館合わせて、5千万の予定で当初予算を通したものの、もっと膨らむ事が分かり、9月に増額補正をして、ちょっと安く済んだので年度末に減額補正をした、というところかと。

ということで、

南公民館のエレベータ設置費用 27,667,500円
東公民館のエレベータ設置費用 29,715,000円

であったことが分かりました。
財源については、資料だけからは分からず。つまり、全額自主財源(市のお金)ではなくて、国なり県なりからの補助金を得られた可能性がありますが、その有無までは分からず。

意外と高いですね。(この半額くらいかと思ってた)
尚、このエレベーターは、(今これを書いている時点では未確認ですが、おそらく)9人乗りの、車イスでも使えるタイプで、公民館に設置するならばこのサイズは必須だと思います。

2003年当時と比べると今は建築費は高騰しているので、もっとかかるそうです。
また、市内の建設業の先輩に聞いてみると、西公民館は躯体が古いので、構造補強が必要になる可能性があり、その場合はもっと金額が膨らむ、とのことでした。

ということで、ざっくり35~40百万くらい?
よく分かりませんけど。
前述のように、全額自主財源ではなく、国や県からの補助金を得られる可能性もあります。

最近のエレベータ設置工事の相場観を知るためには、よその複数の自治体で、最近、公民館にエレベータを増設工事したところの決算額を調べてみればいいのですが、ちょっと今そこまで手が回らず。
(一般質問の当日の自分の出番の時までに余裕があれば調べます)

 

 

  • 自然災害情報の公開について
市内及び荒川の自然災害情報は、どのように管理し、公開しているのか。
これらを、オープンデータの手法でリアルタイムに公開してはどうか。

 

蕨市に起こりうる自然災害は、主に、
・地震
・大雨による内水災害(都市型水害)
・荒川の決壊による浸水
となります。

・地震は、広範囲に渡って、同時に起こるものです。
・内水災害は、発生しやすい場所はだいたい決まっており、そこを中心に、じわじわ広がっていきます。
・荒川の決壊による浸水は、堤防決壊場所にもよるので、予測は難しく、そもそもどっちの方向から水がやって来るかも分かりません。

地震の場合はともかく、内水災害の道路冠水、床上・床下浸水の状況や、荒川が決壊した場合の浸水エリアと深さについては、災害発生時においては、できればリアルタイムに把握した上で、対策を練りたいところです。

災害発生時は、ネットやテレビなどで情報収集することになりますが、行政が保有しているデータもあるはずなので、これらをリアルタイムに公開する仕組みを整えてはどうか、という提案です。

各自治体・国や県の機関などがオープンデータで情報をフィードすれば、それらをアグリゲートして見れるようにするアプリなりwebサービスが出てくるはずので、便利かと。

 

また、当面は、上記のようにリアルタイムというのは難しいかもしれませんが、内水災害の被害状況については、事後的に公開してほしいですね。

・○☓地区の何番地で3戸、床下浸水
・ここからここまでの道路が、約20cm道路冠水
みたいな感じで、マップ上に示してくれるといいと思います。

「この前の台風で、どのくらい被害があったのか?」というのは、よほどひどい被害でない場合はマスメディアに出てくることはありませんが、誰もが知りたがっている情報です。
現状では、これらを網羅的に把握しているのは、各自治体だけだと思います。

 

 

  • 市立図書館の貸出サービスについて
自宅・職場等への配送サービスを実施してはどうか。

市立図書館の開館時間は、
平日は、10-18時
休日は、9-18時
となっています。

平日昼間働いていたり、学校に通っている人は、なかなか市立図書館に行くことが出来ません。休日は休日で、遊びや家族サービスに忙しく、図書館なんか行ってるヒマはない、という人は多いと思います。

以前より、開館時間を延長してほしいという要望が多々ありました。

現実的には、人繰りとコストの問題で実現していません。今のところ、実現のための具体的な予定もありません。

そこで、貸出サービスを拡大して、市内の自宅や職場に配送してくれるサービスをやってはどうか、という提案です。

詳細はこれから調べますが、幾つかの自治体で先行事例があります。

梱包資材の費用と配送料(図書館から発送する送料と、読み終わった後の返却の送料)費用は、クレジットカード払いなり着払いなりでユーザ負担とします。
あるいは、返却のみは夜間に図書館の返却ボックスに返しに行ける、という人は、直接来てもらっても構いません。

図書館からユーザへの発送は、郵便や民間物流会社を使わなくても、蕨市自身が「行政連絡員」という文書通信のための物流ネットワークを持っており、わずか1通信当たり@12.79円で4日間以内に市内どこにでも発送することが可能です。

問題は、配送するに当たり、梱包、発送、受領開封の工数が発生するということです。(厳密に言うと、梱包資材の保管と作業を行うためのオフィス家賃も発生します。)
この人件費負担をどうするか?

総務省法令データ提供システム : 図書館法

(入館料等)
第十七条  公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。

図書館法上、公共図書館は無料でなくてはならないという原則があるのですが、何か、配送に関わる人件費分をユーザ負担とする方法がないものか?
これから調べてみます。

実際、ユーザ視点でみたら、個人的には、発送料と人件費負担合わせて@2~300円くらいならまあ払ってもいいかな、という気はします。Amazonマーケットプレイスの国内配送料が@257円ですし。プライシングはもっと練った方が良いですけど。
ある程度ボリュームがないとイニシャル投資分を回収できないので、当初1年間は無料キャンペーンかな。あるいは、1,000円単位でプリペイド制にするとか。
アウトソーサーに丸投げ出来れば一番ラクですけど。ツタヤがやってくれないかなw

 

 

 

  • 歴史民俗資料館の情報公開について

ストックしている写真・地図・文書等の資料や紀要等の成果物の全てを、ネット上で閲覧しやすく公開してはどうか。

中山道沿いに建っている歴史民俗資料館、実は行ったことないな~という人が多いかもしれません。

郷土の資料を収集、保管し、研究して、紀要という形で発表しているのです。

写真(航空写真を含む)、地図、文書などの2次元のデータについては、できるだけネット上で(もちろん、著作権や肖像権などのライツの適切な処理をした上で)公開してもらいたいと思います。

今、蕨市webサイトの上で見られるのは、ざっと見たところ、↓これくらいかな?

蕨市webサイト : 写真で巡る蕨の昔

うーーーん、ちょっと控えめに言って、見にくいですかね?

撮影場所を、地図上で示してほしいですね。更に、現在の写真を横に乗せて、比べられると面白いですね。

今どきChrome非対応で、IE8以上対応(9推奨)となっているので、2011年ころ作ったものですかね。

 

 

まあ、こういった、歴史的写真、寺社仏閣旧跡の情報というのが、今までの歴史民俗資料館が集めてきた郷土資料の中心だったと思うのですが、これから力を入れて欲しいのが、過去の災害情報です。

池だった場所、用水路があった場所、田んぼだった場所、よく大水が出た場所などが、地図上で見やすくわかりやすいようにしてほしい。

明治時代の荒川決壊のときの様子などを、古老に語ってもらって、ムービーで見れるようにしたりしてほしい。

言うならば、自然災害版の大島てるのようなサービスが欲しい。

 

過去の災害情報というのは、口伝えでその地域には伝わっているものの、意外と新住民は知らなかったりします。そのような方々への注意喚起になります。

また、これから蕨市に移住することを検討している人たちにとっても、有用な情報になります。

 

 

 

  • アウトメディア推進事業への取り組みについて
アウトメディアとは何か。
市内におけるアウトメディア運動に対して、行政はどのように関与しているのか。
本市のアウトメディア推進事業の目的と、これまでに得られた成果、今後の見通しはどうか。

(書き途中です。)

あああ

 


議会側と行政側には圧倒的な情報の非対称性がある

議会(議員)の主要な役割の一つが、行政のチェックです。
行政のやる仕事が正しい考え方、やり方に基づいて、適正に行われているかどうか、事前に、あるいは事後にチェックしていきます。

その、事後チェックの主要な舞台が、先のエントリで述べた決算委員会です。
hoya_t blog 2016/9/14 : 蕨市議会 9月定例会の決算委員会

 

チェックすると言っても、もちろん制約が大きく、全てを完璧にチェックするのはほとんど不可能に近いと言えます。

 

議員は、基本的には様々なバックグラウンドを持った人たちで、その分野に関しては専門家ですが、当然ながらそれ以外の分野に関しては素人ですので、まず、能力的に限界があります。
何かの決算項目に対して、その結果や金額が適正なのか?というのは、かなりその分野に精通していないとなかなか判断できるものではありません。
行政側に対して、「これは適正なんですか?」と間抜けなことを聞くことも多いのですが、当然ながら、回答は「はい、適正です」の一択となります。
国政レベルでは、官僚出身の国会議員は多いですが、地方レベルでは少ないと思います。蕨市議会においては、過去には部長クラスの出身者がいましたが、今はおりません。

蕨市議会においては、議員数は18人であり、そのうち、決算委員会は9人です。
秘書や政策スタッフがいるわけではないので、全て自分で調べなくてはならず、リソースの量的にも限界があります。
人数が多ければいいというものでもありませんけど。

また、そもそも、持っている情報量に限界があります。
議会が(議員が)持っている情報は、基本的には公開情報のみです。そもそも、NDAベースで議会に(議員に)対してのみ公開されている(市民に対しては非公開の)秘密情報というものは存在しません。

決算委員会などの場では、個人情報などの本質的に秘密にしなくてはならない情報を除いては、議員側(委員会メンバ)が質疑したことに対しては、基本的には、行政側は必ず答弁しなくてはならないはずですが、

・その情報は、記録していません
・その情報は、今は持ち合わせがありません

と回答して、事実上、答弁を拒否するという裏ワザがあります。

 

また、本会議における答弁は、百戦錬磨の部長級が行うのですが、委員会における答弁は、現場の実務レベルの課長級・係長級が行います。

どうやら、委員会における答弁のやり取りが、彼らの人事評価にも関わっているようで、私が所属する自民党系会派は、現在は野党の立場ですが、いずれは与党に復帰しますので、あまり個人的に恨みを買いそうなエグい質疑はしたくない、という事情もあります。

ハフポスト 2015/6/10 : 民主・小西洋之氏「政権を奪い返し、官僚を必ず処分する」 (書き起こし)

(集団的自衛権の限定容認という)憲法違反のお先棒をかつぐというような官僚の皆さんは、絶対に許さない。政権を奪い返してから、必ず皆さんを処分する

2015年6月の参議院外交防衛委員会で民進党の議員がこのような発言をしたとのことですが、そもそも本気で政権を取り返すつもりはないんでしょうね、たぶん。


【蕨市議会】2014年12月定例会が開会しました。

昨日2014年11月26日(水)より、蕨市議会 12月定例会が開会しました。

市議会の定例会は、
年に4回、
3,6,9,12月に、つまり3ヶ月毎に開会されます。
会期は、ほぼ1ヶ月です。

 

今回の議案(市長提出議案)は、それほど紛糾しそうなものはありません。

・歯科口腔健康条例案(これは、私が所属している保守系会派:新生会が導入を推進してきたもの)
・人事院勧告に基づく市長・副市長(現在空席)・教育長、市職員の給与テーブルの賃上げ改正案
・衆議院解散総選挙に伴う選挙費用を追加するための補正予算案

などが主なものです。


12月定例議会の議案説明資料。


全国市議会議長研究フォーラムに参加してきました。

さて、2014年8月6-7日(水木)に、岡山市にて開催された全国市議会議長研究フォーラムというイベントに、蕨市議会 保守系会派:新生会のメンバ一同で参加してきました。
旅程は8月5-7日(火-木)の3日間で、政務活動費による公費出張です。

このイベントは、年に1回開催され、全国の市議会議員を集めて行う講演会です。全国に市議会議員は約2万人いるため、参加者はもちろん全員ではないものの、かなり多くの人が集まるイベントであります。

私が所属している会派は、毎年このイベントに参加しています。
デフォで参加することが確定しているため、私個人がテーマ内容に対する興味・関心の度合いよって参加/不参加を意思決定することは事実上不可能であります。

 

人口問題とその対策もろもろ

キーノートスピーチは増田寛也氏で、ちょっと前に発表されてニュースになった「少子化・高齢化による消滅可能性都市レポート」で話題になったグループ研究に関わっていた学者。学者だけど、元建設官僚で、岩手県知事経験もある。
この基調講演だけは面白かった。

メモとして、以下箇条。

・国立社会保障・人口問題研究所の研究成果物・未来予想はかなり正確。ほとんど外れない。
唯一外れているのは、東京への一極集中度合いのみ。
国勢調査の結果により、30年先まで、性別/5歳毎年齢クラスタ別/市町村別の予測を出力出来る。

・フランスは出生率を1995年:1.7 → 2012年:2.01に上昇させることに成功しているが、婚姻制度を変え(事実婚の奨励)、移民を増やしたことによる。

・出生率を2.0以上にすることは、文明国ではもはや不可能。現実的数値として政策目標は1.8に置くべき。

・東京圏への人口移動は依然として入超状態で、2020年東京オリンピックまでは続くと予想。人手不足により給与水準が上がっているため。

・先進国において、主要都市の全人口に占める割合が上がり続けているのは東京のみ。これは一種の異常な状態。

・今後の人口政策は、「出生率向上」のみならず、「東京一極集中の是正 = Uターン、Iターンによる地方への移住促進」も目標とするべき。

 

まあ、何というか、皆うすうす気づいていたけど、やっぱりそうだよね~、という感じでしょうか。

人口問題は、あまりにも問題が大き過ぎ、かつゆっくりじわじわと進むために、誰もが認識していながらなかなか取り掛かれていない問題であります。
また、現実的に、地方自治体レベルで出来ることもあまり無いような気もします。

他方で、インターネットが普及し、社会のマイルドヤンキー化が進む中で、そのうち若者の「東京への憧れ」みたいなものは、ほっといても無くなるだろうと思います。

 

議会改革うんぬんのパネルディスカッション

2種類のパネルディスカッションがありましたが、学者が好き勝手な空論を述べたり、議会改革先進市とされている自治体の議長が体験談を述べるだけという、とても退屈かつ無意味なものでした。
正直、わざわざ公費を使って出張しているのに、あんなくだらない話を聞かされたらハラが立ちますね、個人的には。

 

いわゆる「地方自治体の議会改革」というやつには、トレンドがあり、最近流行っているのは以下のようなものです。
・議会説明会を実施する
・議場でノーパソやタブレットを使用okにする
・市長・執行部側に反問権を付与する
・議会基本条例を作る

まあ何というか、正直どうでもいいというか、誤解を恐れずに言えば、興味ないですね。

 

企業経営に置き換えて言うならば、「議会改革」というのは、例えば、
・執行役員制度を導入するべきか否か!?
・カンパニー制がいいか、事業部制がいいか!?
・クレド・経営理念を作らないと!?
みたいな、組織論・制度論であって、これはビジネスの本質ではないです。ビジネスの本質は、どれだけ事業を成功させて、利益を叩き出して株主利益を拡大して、社会に貢献するか、です。
私の専門は、ネット業界における事業開発・マーケティングですが、ビジネスパーソンとしては、どんな組織形態・制度であっても、所与の条件の下でベストを尽くして結果を出すだけです。
(経営者としては別だが)

形式論・制度論は、取締役会で喧々諤々話し合うのはイイと思いますが、最終的には経営トップが独断で決めるもんなんじゃないの?

「議会改革」も、特別委員会を設置して意見を出させるのはイイと思いますが、最終的には議長が独断すればイイと思料します。
下っぱ一議員としての私は、所与の組織・制度の下で、自分の専門分野のスキルと経験を活かして、政策立案/企画提案にベストを尽くすだけです。

但し、私なりに考える「議会の組織論的・制度論的理想像」というものは持っているので、もし仮に(蕨市民がそれを望んで)私が蕨市議会議員として当選期数を重ねて、議会で力を持つようになったら、ガラッと変えたいと思います。
(議会は当選期数による年功序列)

 


増田寛也氏のキーノートスピーチ「人口減少時代と地方議会のあり方」


学者、元市長などによるパネルディスカッション「分権改革20年と地方議会のあり方」


岡山市内で見つけた、出汁のペットボトル自販機。
麺つゆや冷奴に使う。

 

個人的には、旅行中に4,5年ぶりに偏頭痛が発生して、ちょっとしんどい思いをしました。
かつて仕事の中でトラブル解決に頭を痛めていた時とその後しばらくは、クォーター毎くらいでちょいちょい発生していましたが、今回の偏頭痛はかなり久しぶりでした。ちょっとストレス溜まってるぽいです。


蕨戸田衛生センター組合議会が開かれました。

本日2014年5月15日(木)、蕨戸田衛生センター組合議会が開かれ、会期1日で終了しました。

蕨戸田衛生センターは、蕨市と戸田市の、ゴミ処理・リサイクル・し尿処理のための共同事業です。複数の自治体によるこのような共同事業体を、一部事務組合と呼びます。一部事務組合の意思決定は、構成する自治体議員の出向による組合議会において行われます。

 

今回は、組合議員報酬の削減、職員の住居手当体系の変更の2点のみで、特に大きなトピックスはありません。

 

運営者による報告の中で、特記すべきは以下2点。

 

  • 余剰電力販売は順調

焼却炉でゴミを燃やすときの熱で発電をしています。この自家発電で、衛生センター自体の電力消費をまかなっているのですが、余った分をPPSに販売しています。

25年度は173kwh、1,081万円で、順調とのこと。
この数字、今時点までの実績値なのか年度全体の見込み値なのかは聞き漏らしました。また、予算に対する達成率は、今手元に予算書がないので不明(後で追記します)。

ところで、余剰電力はPPSに販売しているわけですが、蕨市、戸田市ともに、この同じPPSから電力購入しているんですよね。

よく考えてみたら、わざわざ中間業者を通さずに、直で余剰電力を蕨市、戸田市の公共施設に送ることは出来ないのかな?

・蕨戸田衛生センターの近所には、両市の公共施設はない。
・最寄りの公共施設まで送電線を引くのにお金が幾らかかるか分からないが、おそらく自前で送電線を保有するのはペイしない。
・PPSも東京電力から送電グリッドをレンタルしているはずで、蕨市、戸田市、蕨戸田衛生センター組合が、同じように送電グリッドをレンタルすることは出来ないのだろうか?

機会があればコスト感と、何年くらいでペイするのかちょっと調べてみようと思います。

 

 

 

  • 焼却炉の中から大量の金属類が見つかって修理が必要

焼却炉が調子悪いので中を見たら、大量の金属類が見つかったとのこと。
分別せずに「可燃ゴミ」の中に金属類を一緒に入れて捨ててしまった不届き者がいて、焼却プロセスの中の分別装置で分別しきれなかった分が溜まってしまったようです。

1週間の除去工事が必要で、この間、焼却炉が使えなくなるとのこと。
(焼却炉は1台だけではなく、いくつか持っている)

今後は、ゴミの分別の啓発活動に力を入れるとのことですが、まー、現実的には、悪意はなくても、ホチキスで綴じた書類を可燃ゴミとして捨ててしまうようなことはよくありますので、エンドユーザがゴミを捨てる段階で100%分別するのは難しいですよね。

合わせて、焼却プロセスの中での分別装置のカイゼンを期待したいです。


26年度単発事業の臨時福祉給付金給付事業の予算

昨日のエントリの続き。

 

臨時福祉給付金の概要

この2014年4月の消費税率が5%→8%上がるに当たり、低所得者に国がお金を上げる、というもの。
今回一回だけのもの。
国がお金を出すのだが、市町村が作業を行う。
給付金と事務費(作業に関わる人件費、オフィス家賃、システム代、郵送料、振込手数料など経費全て)は、国がお金を出す。

参考サイトとして、
厚生労働省:臨時福祉給付金
(このページ内のPDFファイルが詳しい。)

対象は、市町村民税の均等割が非課税の人(課税対象者の扶養親族は除く)。
つまり、単身世帯の場合は、課税所得(年間)が35万円以下の人。普通に働いている人やその家族はもらえない。
生活保護受給者は対象外。

金額は、1万円。
さらに、老齢基礎年金、障害基礎年金、遺族基礎年金の受給者等は、+5千円。

 

対象者の数

日本全国で:
上記の厚労省のwebサイトによると、2,400万人。つまり、国民1.28億人のうちの18.8%
この内、加算分の対象者が、1,200万人。

蕨市で:
対象者:2.0万人。つまり、市民7.2万人のうち、27.8%
この内、加算分の対象者が、7千人。
(先日の本会議での答弁による)

蕨市って、意外と低所得者が多いんだね。

 

給付の作業に関わる事務経費

国全体では、420億円
つまり、
給付総額は3,000億円なので、事業全体に対する経費率は、12.3%
給付対象者一人当たりの経費額は、@1,750円

では、蕨市ではどうか?
26年度予算案を見てみると、

蕨市の事務経費は、66,327k円
つまり、
給付総額は235M円なので、事業全体に対する経費率は、22.0%
給付対象者一人当たりの経費額は、@3,316円

 

→→
と言うことで、

ちょっと蕨市の経費見積りは、高過ぎるのじゃないかな?

(後で話を聞いてみると、詳細が未だ決まってないし、国から通知も来てない部分もあるので、ざっくり多めに見積もらざるを得ない、という事情があるとのこと。)

 

過去の同種事例:2009年の定額給付金

ところで、5年前の2009年に、定額給付金というのがあったそうです。

総務省:定額給付金について

 

景気回復のためという名目で、国内に住んでいる人(外国人を含む)全員に一律12,000円を国が上げたらしい。
(18歳以下と65歳以上は、+8,000円)

みんな、知ってた?
私は知らなかった。

これ、私も対象のはずなんだけど、もらってないな。
あるいは、もらったけど忘れちゃったのかな。
そもそも通知の類を受け取った記憶もないんだけど。
それ以前に、こんな制度があったなんて知らなかった。

2009年といえば、仕事がむちゃ忙しかった時期で、通知をもらっても面倒だから捨てちゃったのかもしれない。
当然、新聞は毎日読んでたけど、興味がないからさっぱり自分のアンテナに引っ掛からなかったみたいだ。

国内に住む人全員に一律12,000円上げるなんて、単なるバラマキじゃん、くだらない!と思ったが、これ、当時の自民党:麻生政権の政策だったらしい。
まあ当時は私はまだ自民党員ではなかったし、このくだらない政策については置いとくとして、

この時かかった経費は、いくらだったのか?

国全体では、
↑上記の総務省のwebサイトによると、決算ベースでは

給付対象者:不明。(世帯数は書いてあるんだけど)
給付総額:1兆9,367億円
事務経費総額:不明。(予算ベースでは825億13M円)

ということで、
事業全体に対する経費率は、不明。しかし、決算ベースの(給付総額+事務経費総額)を、予算ベースの事務経費総額で割ると、4.1%
給付対象者一人当たりの経費額は、不明。

 

蕨市は、

→2009年(平成21年)度の決算書を見てみると、

給付対象者:69,701人(内、加算対象者は24,328人)
給付総額:1,031,036k円
事務経費総額:35,712k円

つまり、
事業全体に対する経費率は、3.3%
給付対象者一人当たりの経費額は、@512円

 

2009年の定額給付金の時は、蕨市は、全国平均と同じくらいあるいは若干安めに給付事務を行うことが出来た。

このたびの臨時福祉給付金の給付事務に関しては、全国平均の2倍近くに見積もっており、これは、いくら余裕を持たせてあるとは言っても、過大過ぎるのではないか。

 

今回の臨時福祉給付金と2009年定額給付金の給付ワークフローの違い

ここで、2009年定額給付金のときの給付対象者一人当たり経費額(決算ベース)が@512円だったのに、今回の臨時福祉給付金の予算ベースでは@3,316円と見積もっているのはおかしいじゃないか!と思ってしまうところだが、これは、そもそもワークフローが違うからだ。

臨時福祉給付金の給付ワークフロー

2009年定額給付金では、全居住者に一律お金を払えばよかったのだが、
今回の臨時福祉給付金では、1次申請者からパーミッションを付与してもらった上で納税情報にアクセスして給付対象がどうかを判定して結果を通知し、再度2次申請をしてもらう、という手続きが必要になるので、比較は出来ない。

それにしても高く見積もり過ぎだろうとはおもうけど。

2009年定額給付金の給付ワー

(図はクリックすると拡大する。
私の理解に基づくものなので、実際は違うかも)

 

臨時福祉給付金のワークフローにおける、オーバースペックな点

今回の予算案では、
正規スタッフ 1人
臨時スタッフ(嘱託) 2人
派遣スタッフ 5人

を想定しているそうだ。
オフィスは、自治会館の部屋を一定期間借り切ることを想定しているそうだ。

このボリュームが適切なのかどうかは分からない。
郵送物の処理作業は、作業量を平準化することが出来る。
他方で、問合せ対応作業は、ピーク時期に集中する可能性がある。

そもそも、市役所内で人を抱えて作業をやる必要はないので、全ての作業をアウトソーシングすることを検討してもいいかもしれない。

しかし、この給付作業は、「国のお金で蕨市内に雇用を生んでいる」という副次的な効果もある。これはこれで蕨市の利益である。

 

人工の部分は分からないので、それではシステムの部分を見てみよう。

 

2009年(平成21年)度決算書によると、2009年定額給付金システム等開発は、
NECに発注していて、4,725k円

この度の26年度予算案における、「臨時福祉給付金システム開発委託料」は、
7,560k円

いくら2009年定額給付金のときと比べてワークフロー上の工程数が多く、不確定な部分が多いとはいえ、これは大きく見積もり過ぎではないだろうか。

 

尚、2009年定額給付金の時も、この度の臨時福祉給付金においても、これは国が全国の市町村に下請けして行う作業なので、全国の市町村で、まったく同じ作業を行っている、ということになる。

当然、全国の市町村で、まったく同じようなシステムを開発している、ということになる。
これって、国全体で見たらかなり無駄だと思う。
正直言って、何でこんな無駄なことになっているのか訳が分からない。

自治体ごとに異なる部分は、基幹系の住民基本台帳システムのデータフォーマットが自治体ごとに異なり、この流し込みに関わる作業の部分だけのはずなのに。

 

まあ、それはそれとして、

 

臨時福祉給付金給付の業務向け既存ソリューション

全国の自治体で同じような業務が同時に発生しているので、当然ながら、これを解決する汎用的なソリューションも作り出されているはず。
それらが使えるのであれば、システムをスクラッチで開発する必要はない。

それで、ググって調べてみると、やはり幾つか使えそうなものがヒットした。

セールスフォース・ドットコム:SaaS型臨時福祉給付金ソリューション
ここはSFAの大手ベンダで、自治体向けの納入実績も豊富。2009年定額給付金のときは、甲府市などに納入している。

イセト:バックオフィスサービス
ここのは、郵送物受発送業務、問合せ受付業務も含めて一連の業務丸ごとのアウトソーサー。

行政システム:Probono国政給付ヘルパー 臨時福祉給付金・子育て世帯臨時特例給付金事務支援システム
ここは、パッケージ。

以上書いたのは、それぞれweb上に掲載しているオープン情報のみ。
多分、他にもいろいろあると思う。
個別に電話して聞いてみたが、ざっくりとした相場観としては、5クライアントアクセス(PC端末5台)のライセンスで、住民基本台帳データの流し込み作業を含めて、
パッケージで、200-300万
SaaSの場合で、50-100万
くらいというイメージ。
しかもこの金額は、同時に行われる「子育て世帯臨時特例給付金」のシステムも含まれる。

 

単発の業務(今後、同じ業務が発生する可能性はほぼゼロ)なので、敢えてパッケージを買う必要は低い。パッケージを使うメリットは、スタンドアロンなネットワーク内で作業が出来るので、セキュリティ面のリスクが小さい、ということくらいだろうか。
SaaS利用ならば、余裕を持たせて見積もるとしても、せいぜい200万てとこで十分じゃないかな?


26年度新規事業のスポーツ施設予約システム新規構築の予算

先のエントリの続き。

掲題の新規システム構築案件が、26年度予算案に乗っている。
これが、どう考えても必要最低レベルを超えて過剰性能だと思われるので、以下、指摘する。

 

蕨市のスポーツ施設予約システムの概要

今回作ろうとしているのは、
・錦町の富士見球場と塚越球場の野球場2面
・錦町の富士見テニスコート4面
・錦町の多目的スポーツ広場1面
の、オンライン予約システムだ。
つまり、予約施設数は、7施設(データの数で言うと)。

従来は、スタンドアロンで管理されていたので、使いたい人は、市役所の担当部署に電話して予約しなくてはならなかった。
当然、夜や休日に予約することは出来ないし、電車の移動中やくだらない会議の合間にさくっと予約することも出来なかった。

この度作る新システムは、これが出来るようになるもの。
元々、市長の公約「新あったかプラン」にも入っており、市民からもオーソライズされている。
今どきwebで予約するのは当たり前なので、これを作るのはイイと思う。

 

26年予算案に計上されている内容

予算案には、
公共スポーツ施設予約システム導入委託料 5,130k円(←イニシャル?)
公共スポーツ予約システム利用料 497k円(←ランニング?)
庁用器具(サーバ購入費か?) 497k円(サーバ購入費か?)
が計上されている。

初年度年間合計で、6,124k円。
2年目以降の年額は、497k円かな?

蕨市の人口7.2万の全員が使うわけではなく、おそらく、主に使うのは、市内、近隣市の野球、テニス、グラウンドゴルフの愛好団体、個人に限られるだろうから、おそらく想定ユーザ数は、100とか200くらいだろうか。
施設数は上記のように7施設であり、市内にこれからスポーツ施設を新設する計画はないし、時代の流れ的にもこれからその種の施設を作れるはずもないので、この数字が増える可能性はない。

そうすると、ちょっとこれって、高過ぎるんじゃないか?
というのが、第一印象。

しかも、予算書の説明資料を見ると、平成27年2月稼働予定と書いてある。26年4月から最初の作業に着手するとしても、兼任で他の作業をやりながらだとしても、10ヶ月もかかるというのは、ちょっと掛かり過ぎな気がする。
(まあ、入札とかしないとならないので、そこで時間がかかるんだろうけど。)

 

スポーツ予約システムの要件

実は、新卒で入った会社が総合商社だったのだけど、なぜか情報システム部門に配属されて、会議室予約システムとかを作っている人が同じ部署内にいたので、この種のシステムはだいたい分かる。
→分かる言うのは言い過ぎかもしれないけど、何となく土地鑑がある。

基本的に必要な機能は、
・施設管理
・ユーザ管理
・トランザクション(予約)管理
・決済管理(←これは、オンライン決済をサポートしないのであれば、不要)

を中心とするデータベースアプリケーションということになる。

この種のものは枯れたシスタムなので、スクラッチで開発するということはあり得ないので、パッケージを導入するなり、SaaSを使う、ということをまず最初に考える。

そこで、この種の施設予約システムのパッケージとSaaSにはどんなものがあるか、調べてみた。

 

公共施設予約システムのパッケージ/SaaS

このワードでググってみてヒットしたwebサイトを見てみる。
だいたい価格は書いていないので(個別お見積りだから)、電話して聞いてみる。

そうすると、
この種のソリューションは、

(1) 高スペック/高価格:
100施設以上の規模を想定した、数百万円規模のパッケージまたはSaaS

(2)低スペック/低価格:
10施設くらいの規模を想定した、月額数万~20万円くらいのSaaS

といった2種類があることが分かった。
ミドルレンジのサービスは、ざっと見たところ、見つからなかった。

(1)の例は、
NEC:GPRIME施設予約システム
富士通:InterCommunity21施設予約SaaS
NTT PCコミュニケーションズ:公共施設予約システム
誰もが知っている大手ベンダで、自治体への導入事例も豊富っぽい。
でも、高い。

(2)の例は、
リザーブマート:施設予約システム(SaaS)
こちらはイニシャル52,500円~、ランニング月額21,000~
リザーブリンク:チョイスリザーブ(SaaS)
こちらはイニシャル31,500円~、ランニング月額21,000~

 

次に、近隣市の状況を調べてみる。
お隣りの戸田市は、どうしてるんだろう?

戸田市:スポーツ施設予約

ドメインを見ると、「cultos-y.jp」のサブドメを使っているので、SaaSだろうと見当をつけて、whoisでこのドメインを調べて辿ってみると、

ワイイーシーソリューションズ:施設予約管理システム CULTOS-V2

を使っていることが分かった。
この会社の会社概要ページを見ると、NECの100%グループ会社なので、上記(1)パターンのNEC:GPRIME施設予約システムのSaaS版を提供しているのかもしれない、あるいは、別モノかもしれないが、いずれにしても、(1)高スペック/高価格のパターンに分類されるだろうと推測出来る。
(戸田市図書館に行って決算書見てみれば、幾ら払ってるかも分かるけど、面倒なのでそこまではやらない。)

 

蕨市の場合、(1) 高スペック/高価格 と (2)低スペック/低価格の、どちらが必要か?

施設数:7
ユーザ数:100~200
という前提で考えると、(2)低スペック/低価格のソリューションで十分ではないかな?

この(2)の各サービスは、安価ゆえにカスタマイズは基本的にしない(出来ない)ので、現行の蕨市のワークフローに合わない部分もあるかもしれない。

しかし、はっきり言って、スポーツ施設予約はそもそもミッションクリティカルな業務ではない。

徴税、教育、福祉などのミッションクリティカルな業務に関わるシステムであれば、カスタマイズをして既存のワークフローにシステム側を合わせる必要があるが、スポーツ施設予約ならば、システム側に合わせてワークフローを変更してもいいと思う。

ということで、(2)低スペック/低価格のSaaSソリューションで十分だと思います。
これだと、導入期間は、ユーザ教育も含めてせいぜい1ヶ月といったところだと思います。