都市間競争のKFS(1)

今読んでいる、瀧本哲史氏の本の中で組織論を述べているくだりで、

ハイテク産業における、都市間競争のKFSは、
どれだけ異質な人材をその都市に惹きつけられるか。

という、米国の社会学者であるリチャード・フロリダ氏の言説を紹介していた。
量でも、質の高さでもなく、幅の広さという点がポイント。
(大学生程度向けの本なので、恥ずかしいから書名は伏せるけどw)

また、米国のコミック市場においては、参加しているクリエイタがジャンル的に多様であるほどヒットが出やすい、という研究結果もあるらしい。

 

 

これは米国における研究結果なので、社会の同質性を特徴というか、一つの強みとする我が国においては当てはまらないかもしれない。
あるいは、普遍的な法則かもしれない。

 

 

それでは、我が国の首都圏郊近郊における都市間競争のKFSは何だろうか?

 

そもそも、「競争」というけど、何を競うものなんだろうか?

ヒトか? モノか? カネか? あるいは、土地の価値か?ブランド価値的なものか?市民の満足度か?

そもそも競争すべきなのか?
マイペースに独自路線を貫くべきなのか?

 

といったところを考えてみると、ゲームのルールをどう設定するかというのは、政策論というレイヤではなく、そもそものビジョンとか経営理念とかミッションとかいうレイヤの話であることが分かる。

ちょっと自分の考えをまとめて書いてみようと思ったけど、長くなりそうなので一旦切ります。


【蕨市議会】2017年3月定例会一般質問(1) 自転車防犯対策について

ただ今開かれている蕨市議会2017年3月定例会において、以下の3題で一般質問の発言通告をしております。

  • 自転車防犯対策について
  • 定住外国人実態調査について
  • 今後の公共施設等マネジメントの推進体制について

 

私の出番は、2017年3月21日(火)の、おそらく午後一番13時頃の見込みです。

以下に、考えをまとめながら、一題ずつ解説していきます。


自転車防犯対策について

本市内における、近年の犯罪の種類・場所・時間帯・被害者・加害者などの傾向は。
そのうち、自転車盗の場所・時間帯・被害者・加害者などの傾向は。
近年の刑法犯認知件数・犯罪率は。
行政当局における認識は。

防犯対策としてどのようなことを行っているか。
そのうち、自転車防犯対策としてどのようなことを行っているか。

来年度予算案における新規事業「街なか防犯カメラ設置」の内容は。期待される効果は。
現行事業の自転車盗難対策、放置自転車対策の内容と、得られた効果は。

本市は統計上の犯罪率は高いが、刑法犯認知件数のうち大多数は自転車盗である。自転車盗を減少させることで本市の評判を効率よく向上させることが可能と考えるがどうか。

公共施設・民間商業施設・集合住宅等の駐輪場において、地球ロック用アンカー・フック・パイプ類の普及を促す施策を行ってはどうか。


蕨市は治安が悪い?

「蕨は治安が悪い」
「蕨は犯罪が多い」
と、よく耳にします。

マンション情報コミュニティサイトや、街コミュニティサイトでも、よくこの話題が出ます。誰かが「蕨は治安が悪くて~~」と言い出すと、「私は蕨に住んでいるけど、そんなことはない!」と反論する人がいて、だいたいこの話題が出ると場が荒れます。

 

それでは、本当に蕨は治安が悪いのだろうか?

 

蕨市に住んでいる人で、治安の悪さを実感したことがある方はいますか?
人殺しにあったり、強盗にあったりしたことがある人は??
私は、去年の夏に某国サンクトペテルブルクに行った折りに、超厳重に注意していたにも関わらず、バスの中で「地球の歩き方」に書いてあったのと同じ手口でカバンの奥のサイフをスられるという酷い目に遭いましたが(パスポートともう一つ別のサイフが無事でラッキーでした)、街なかでサイフをスられたことがある人は???

 

 

警察が発表してる統計上の数値として、刑法犯認知件数というものがあります。

刑法犯とは、殺人・強盗・放火・強姦・暴行・傷害・窃盗・詐欺などです。交通違反は含みません。
一般的に日常会話で言うところの「犯罪」とほぼ同義です。

埼玉県警webサイト : 埼玉県の刑法犯認知・検挙状況

この埼玉県警のページによると、平成28年の1年間、県内全体で69,456件の刑法犯がありました。

埼玉県webサイト : 県内の犯罪情勢(平成27年)

経年でみると、この刑法犯認知件数は、大きく減少トレンドにあります。平成16年と比べると平成27年は、6割減になっています。

そして、このページ内で、件数別の内訳を見てみると、30.3%が自転車盗で、最大となっています。

市町村(さいたま市は区)別の刑法犯認知件数は、

埼玉県警webサイト : 市区町村別犯罪等認知件数 犯罪認知件数一覧(平成28年確定値)(PDF)

川口市が最大で6,148件、蕨市は986件なのですが、もちろん面積や人口が違うので、件数だけ比べても意味がありません。

そこで、人口当たりに置き直した数字ということで、人口1,000人当たりの刑法犯認知件数を犯罪率と言います、それが、

埼玉県警webサイト : 市区町村別犯罪率 犯罪率一覧 平成28年確定値(PDF)

県内平均9.6に対して、
1位 さいたま市大宮区 19.6
2位 蕨市 13.6
3位 越谷市 13.2
4位 東松山市 11.8
5位 さいたま市岩槻区 11.6
となっており、蕨市は県内市町村第2位となっています。
尚、お隣りの戸田市は11.0、川口市は10.6ですね。

たしかに、この統計上の数字だけを見ると、蕨市の犯罪率は高い = 蕨は治安が悪い、と言うことが出来そうです。

 

しかし、逆に考えてみると、犯罪率を大幅に減らす事が出来れば、蕨市に貼られた「治安が悪い街」というラベリングを剥がし、「蕨市は犯罪が少ない、治安がいい街です」と堂々とアピールすることが出来るようになる訳です。

 

上記の 市区町村別犯罪等認知件数 犯罪認知件数一覧(平成28年確定値) を再度見直してみると、

平成28年 蕨市 刑法犯認知件数

実に41.7%が自転車盗であることが分かります。

 

ふーむ、自転車盗って、何だろう?
まあ、いろいろな種類の自転車盗があるでしょうね。

ドンキで1万円弱で売っているようなママチャリを中高生がちゃちゃっとパチっていくのも自転車盗1件です。
もちろん、許されるわけではありません。

組織的なプロフェッショナル窃盗団が盗んでいくケースもあるでしょう。
海外の観光地でレンタ自転車・バイクを借りると、日本国内の販売店のシールが貼ってあることがありますが、実際のところ、正規に中古品として輸出されたものか、窃盗品かどうかは分かりません。

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2009年1月、アンコールワットの遺跡巡りに訪れた時のシェムリアップのレンタ自転車屋さん。

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レンタルのママチャリには、警視庁の防犯登録シールが貼ってありました。

 

また、私は、自転車好きなので、ちょっと高いロードバイクとかマウンテンバイクとかに乗っているのですが、だいたいスポーツ自転車に乗っている人は、家の中に保管していますが、ちょっとコンビニに立ち寄ったときなどに盗まれてしまうことがあります。これらを盗むのも自転車盗1件です。こういうスポーツ自転車は、盗まれたら、バラされてパーツ単位でヤフオクで売りさばかれるケースが多いようです。

 

 

「蕨市は治安が悪い」というイメージを、手っ取り早く消す方法

「蕨市は治安が悪い」というイメージが、あくまでも犯罪率の高さを根拠にしたものと、何となくのイメージに過ぎないものである以上、刑法犯認知件数を下げれば、手っ取り早くイメージ向上を図ることができます。

そのためには、件数が最も多い、自転車盗を少なくすればいい、と考えました。

 

平成28年の数字で言うと、自転車盗は411件で、
25%削減したら、犯罪率は12.2となり、3位(←それほど変わらない)
50%削減したら、犯罪率は10.7となり、10位(←まあまあかな?)
となります。

 

うーむ、改めてこうして数字をいじってみると、けっこうハードル高いですね。
自転車盗411件/年を半減させるとすると、件数ベースで205件。
政策的な努力で何とかなるものだろうか?

 

ちょっと視点を変えて、お隣りのさいたま市南区を見てみましょう。
人口 181,142
刑法犯認知件数 1,347件
そのうち、自転車盗 592件
犯罪率 7.4
県内犯罪率順位 49位

何だか、さいたま市南区は、ずいぶん治安がいい街のようです。数字だけ見ると。

人口千人当たりの自転車盗難件数が、
蕨市は、5.7
さいたま市南区は、3.3
です。
尚、参考までに
戸田市 4.0
川口市 3.6

蕨市は、人口当たりの自転車盗難件数が劇的に高いですね。

さいたま市南区は、区域内に南浦和駅、武蔵浦和駅、中浦和駅を抱えているので、決して自転車利用者・駐輪場が少ないわけではないと思われます。

さいたま市南区並みに3.3まで下げる事が出来れば、自転車盗件数は240件になるので、犯罪率は11.2となり、県内順位は8位となります。

まだまだ満足出来るレベルではありませんが、このくらいなら目標としては、現実的かも。

尚、首都圏内の東京、神奈川、千葉の各区市とも比較してみたかったのですが、ちょっと今はそこまで手が回らず。

 

 

現状、自転車盗難対策として何をやっているか?

市の予算の中でも、様々な科目に分かれているのですが、代表的なものは、

自転車盗難等防犯対策委託料 2,592千円
駅前自転車等対策 51,191千円

等。
これ意外にも、広義には、防犯灯や防犯カメラなども自転車盗難対策の一部に含まれます。

 

この辺りの内訳が今ひとつ不明確なので、詳細を明らかにした上で、自転車盗のトレンド変化に対応しておらず昔ながらのやり方をしている部分がないかどうか、非効率な部分がないかどうかを探っていきたいと思います。

 

 

新たに自転車盗難対策として何ができるか

これは、他市の成功事例を調べて真似をすればいいのです。
本来ならば、首都圏全域で、そこそこ自転車利用度が高そうであるにもかかわらず、人口当たりの自転車盗が少ない区市を抽出して、そこがどんな自転車盗難対策を行っているかを調べればいいのです。
まずは、さいたま市南区が何をやっているのか調べてみればいいのです。

何をすればいいのかは分かっているのですが、正直、時間切れでそこまで手が回らない。
今回は、深く調べた上での有意義な自転車盗難対策案が提案出来ずに残念ですが、取り敢えず私が思いついたところで、地球ロック用のアンカー・フック・パイプ類を駐輪場に設置することを促進する政策を打ってはどうかと提案します。

出来ればコスト感も調べておきたかったのですが、時間切れで間に合わず。

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2017年某月 香港の郊外住宅団地にて。
これは地球ロック用のパイプですね。

ワイヤ式鍵を、自転車のフレームとパイプをくくりつけるようにしてロックします。
プロが工具を使って鍵を壊そうと思えばいくらでも出来てしまいますが、出来心による寸借盗は防げるはずです。

パイプの設置には費用がかかりますし、パイプの幅の分、駐輪台数は少なくなります。

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2016年5月、UKのランカスター駅構内の駐輪場。
こちらも、地面から生えたパイプ式。

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2016年8月、中共の広州市内。
歩道上に駐輪スタンドがあります。
これだと、フロントホイールを地球ロックすることは可能ですが、構造上、フレームごとチェーンロックするのは無理ですね。

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2016年7月、シンガポール市内。
このように、駐輪場でも何でもない場所で、電柱・ポール・フェンス類に勝手に地球ロックされるのは、迷惑であります。

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2016年12月、スペインのマラガ市内。
地球ロックしておいても、盗まれる時はパーツを外して盗まれます(笑)


なんとまさかのMy Yahoo!終了

INTERNET Watch 2016/9/21: 「My Yahoo!」が来週サービス終了、RSSデータのエクスポート機能を提供中

来週でなんとまさかのMy Yahoo!が終了。
個人的には、スタートページにはしていなかったけど、よく使っていたので残念、というかかなり不便になる。

Google : iGoogle廃止のお知らせ

何気に今気づいたけど、i Googleは既に2013年に終了してた。

 

そう言えば、久しぶりにNetvibesどうなっているだろう?と見てみたけど、開発は完全にストップしている?みたい。

 

My Yahoo!、けっこう使っている人は多いと思うのだが、何で終了するんだろう?

おそらく、サーバリソースを食う割りには広告媒体としての価値が低くて、つまり収益性が低かったから、というところではないかと思うけど。

↑上記ページ内でGoogleが語るiGoogle終了の理由も何だか意味不明なものだし、Yahoo!はMy Yahoo!終了の理由を全く公表していないし。

 

hoya_t blog 2007/5/2 : カスタマイズド・ページのサービス。

2007年ころにガラケー向けにこの種のサービス作ろうかと考えてたけど、結局、思いつきだけで終わってしまった。

結局のところ、今のスマホは、よりネイティブなレイヤで、画面内のアプリの配列そのものがMy Yahoo!的な機能を果たしているので、ブラウザ上で動くその種のサービスはそもそも必要性が無い、ということなのだろう。

個人的には、Android上のGoogle Nowがかなり便利。特に旅行の時に、GPS情報と連動して自動的に現地の天気予報やら通貨レートやらを出してくれる機能が素晴らしく便利。おそらく収益性は低いのではないかと思うが、Google先生にはこのサービスは是非とも続けてもらいたい。


ミッドナイト競輪がヒットしているらしい

カジノ合法化に関する100の質問 : オンラインで息を吹き返す公営競技業界(2016/1/5)

このブログ、書いている木曽崇さんという方はどういう方かはよく知らないのだが、カジノ業界の専門家だそうで、かなり詳しく、今のところ国内カジノ開設の最大のネックとなっている法制度の動きについても解説が早いので、チェックしている。

 

最近は、公営ギャンブルがオンライン販売拡大を契機に、長期低迷トレンドから底打ちの兆し、とのこと。

蕨市も、戸田市・川口市とともに戸田競艇組合に出資している(出資比率:25%)のだが、たしかにずっと右肩下がりトレンドだった。
配分金(株主への配当金に相当するもの)も、年々減っていて、ピーク時の1/10になっていた。

原因としては、
・日本経済全体の景気低迷
・競艇ファン層の高齢化
の2つであると、言われていた。

景気低迷は外部要因なのでコントロール不能。ファン層の高齢化は、たしかに競艇場に足を運んでみると、年齢層の高さ、若者がさっぱりいないことに気がつく。これは、逆に言うと、新規顧客層の開拓の必要性に気づきつつも、ずっと手を付けていなかった or 失敗し続けていた、ということの裏返しでもある。

公営ギャンブルの中でも、唯一、中央競馬(競艇、競輪と違って、競馬は、中央競馬と地方競馬の2種類がある)だけは例外で、バブル期に派手に広告宣伝予算を投下して「馬はかわいい」、「デートで競馬場に行こう」的なマーケティングを行った結果、新規ファン層の開拓に成功しており、それほど右肩下がりでもなかった。

 

という、公営ギャンブル全体の長期低迷トレンドが、ネット販売を契機に、底打ちしている、ということらしい。

戸田競艇については、細かい経営数字は公開していないし、私自身は今年度は競艇組合に出向していないのでトレンド変化については知らない。
(尚、平成26年度決算からweb上で公開するようになったけど、大雑把なものなので、これだけだとよく分からないな。オンライン売上のトレンドとか読めないし。ないよりましだけど。)

 

ところで、ミッドナイト競輪というのがヒットしているらしい。
これ、おもしろい。

ナイター競輪ではない。
つまり、夜間に、明るい照明のもとで、普通に競艇場に観客を入れてレースを行うわけではない。
夜間に、観客なしでレースをやって、オンライン販売だけを行う、というもの。
レースの開催には、もちろん競艇場の運営コストがかかる。建物運営費だけではなく、人件費は膨大で、近隣の駐車場運営、警備員のコスト、周辺対策コスト(詳しくはよく知らないが、概ね、公営ギャンブル場の周りは治安が悪くなるので、いろいろ対策にお金がかかるということ)など。
競艇場に観客を入れずに済むなら、これらのコストが縮減できるので、利益率はググッと上がる。

 

ミッドナイト競艇もやってみるとおもしろそう。検討してみる価値はあるかな。
ボートにチカチカのLEDとか付けてやってみて欲しい。
暗い中を高速のボート運転するのは危険そうだから、照明設備の新規設置は必要だけど。

と、考えたのですが、私が次に戸田競艇組合議会に出向するのは、平成29年7月からの予定で、今のところは発言権は何もないので、しばらくこの件は放置します。誰かFSしてください。


大宮の氷川神社に戦艦武蔵の碑

さて、一ヶ月以上前の話ですが、本年2015年10月末に、大宮の氷川神社境内に戦艦武蔵の碑が新たに建立されたと聞いて、見に行ってきました。

朝日新聞dot. 2015/10/24 : 沈没から71年…戦艦武蔵の顕彰碑が建立 元乗組員「死んだ戦友、これで浮かばれる」

 

知りませんでしたが、武蔵の艦内神社は氷川神社から分祀されたそうです。
そもそも、実は氷川神社行くの初めてでした。
ガキの頃、連れられてお参りしたかもしれませんが、記憶の範囲では初めて訪問。

戦艦武蔵の碑戦艦武蔵の碑

戦艦武蔵の碑

まあ、ただの石碑ですけど。

先日、シブヤン海の底で見つかった大和型戦艦武蔵は、世界の海軍史上最大最強の46cm主砲を備えておりました。

 

武蔵、早くうちの鎮守府にも来てほしい。
長門も陸奥も大和もいるけど、武蔵だけはさっぱり出ず。秋イベが終わったので(もちろんE-5までクリア。丙ですが)、そろそろ大型艦建造祭りに突入予定。


2014年12月衆院選雑感–全体編

自民党員の地方議員としての立場、かつ自民党陣営の一員として選挙活動に関わった立場から、あくまでも主観的に感想を書き付けてみる。
(数字を用いた分析はナシで。くれぐれもツッコミもナシで頼みます。)

 

自公圧勝の内訳

自公は圧勝したが、自民党単独では、300行くと思っていた。残念ながら、事前の「自公圧倒的優勢」というマスメディア報道によって、判官びいき効果が働いたようだ。
内訳を見ると、積極的な自民党支持が増えたわけではなく、消去法で消極的に選択した人が多い、って感じでしょうか。

おそらく今後4年間はほぼ解散総選挙はなく、安定した自公連立政権が続くものと思うが、自民党は、ここで驕って、数を頼みに強引に自分たちの考えを通そうとしたりすると大変なことになるだろう。圧倒的に勝った時こそ、少数派に配慮した、より丁寧な政権運営が求められる。自民党のコア支持層からは「やったね!これでやりたい政策を邪魔されずに好きなように出来るようになるね!一気に憲法改正しちゃおうぜ!」と声援を受けることが多いと思うが、調子に乗って鵜呑みにしていけない。

いずれにしても、自民党は今が一つのピークだろう。

 

民主党は壊滅

ボロボロですね。
当然とも言える。
戦略レベルでもそもそも政権奪回を目指しておらず、有力幹部が何人も落選したこの度の民主党には、もはや政権担当能力はない。
一強多弱の構図が確定してしまったという点で、1994年に選挙制度を中選挙区制から小選挙区比例代表並立制に移行し、健全な二大政党制の実現を目指した試みは、また一歩後退してしまったことになる。

ところで、民主党といえば、民主党候補の選挙ボランティアをやった方による回想録が面白かった。匿名の増田なので真偽は不明だけど。余計なお世話だけど、日教組と労働組合左派と、菅直人氏のような左派市民運動出身者を切らないとダメじゃないかな。

はてな Anonymous diary 2014/12/15 : 民主党の選挙事務所で働いてみた

 

無党派層・浮動票狙いの第三極も壊滅

第二極(民主党)も壊滅したが、第三極も壊滅。
みんなの党は選挙を待たずに内部対立から崩壊してしまった。
維新は選挙の準備不足で後退。これは安部首相による選挙戦略が成功したことによるもの。選挙に失敗しただけであって、支持を失ったわけではないので、今後に期待したい(後述)。

 

日共が受け皿としてファンクションした

第二極、第三極の壊滅に伴い、反自民・自民不支持セグメントの票が日共に流れた。日共が伸長したことは残念でならない。日共を叩き潰すためにも、健全な二大政党制を何としても実現しなくてはならない。

 

次世代の壊滅要因は不明

個人的には、比例でもうちょっと取ると思っていた。ここまでボロボロだとは思わなかった。理由はよく分からない。
個人的には彼らの主張は支持出来ない部分が大きいが、自民党よりも保守的な政党の存在は、何より自民党にとって必要なので、もっと頑張ってほしいと思う。

 

今後の政界再編に向けての展望

第二極の民主党がここまでボロボロになってしまい、第三極のみんなが自壊し、維新もボロボロだった以上、今後、野党/反自民・非自民の合従連衡が進まざるをえない。現状では、誰が/どこのグループが、コアになるのか見えてこないが、4年間も時間があるので、健全な二大政党制を実現するために、丁寧に政界再編して欲しいと思う。まあ、あまりモタモタしてると、自民党は、また電撃的に解散すると思うけどね。現状ではコアになり得る人物は、民主党の中で日教組・労組の組織票を頼みとしていない若手あるいは維新の橋下さんくらいだろうか。


ネット選挙活動に関してメモ

今回の2014年暮れの衆院選は、ネット選挙活動が法的に解禁されて、国政選挙としては2回目、衆院選としては初めてのものになる。

私自身は、自民党埼玉15区(蕨市、戸田市、さいたま市南区・桜区)において、運動員として活動することになる。基本的には、この種の選挙事務所の中は完全に年功序列/議員としてのの役職序列で、私は戦略・戦術レイヤに関しては発言権はまったく無い。無駄な会議が多く、今どきスケジュール管理すらローカルのexcelベースでやっていて、情報共有手段は紙ベースのみで、当然ながらシンク出来ずに連携ミスが多発するという○×○×しさなのだが、会議でもその点は黙っている。言われた通りに宣伝車の運転をしたり、指示通りの場所に行ってビラ配りしたりするだけなので、うちの選対がネット選挙活動をどうするかよく知らないし、発言権もないし、まあ考えるだけ無駄なのだが、一応、ちょっと調べてみた。

私自身は元々、ネットビジネスのマーケティング領域が専門分野で、なおかつ、選挙に関しては自分自身と、他の候補者のものとに幾つかかかわって、そこそこ詳しくなってきたので、将来的に、そっち系のサービスを作ろうかともちょっと考えている。

 

ネット選挙制度について現状まとめ

  • 匿名でのコンテンツ配信/投稿はNG
    掲示板へ投稿する際は、連絡先を明記しないとならない。
  • メール送信は、政党・候補者本人のみOK
    支持者・運動員はNG
  • ペイド広告出稿は、政党(リンク先:政党)のみOK
    候補者本人による出稿は現時点ではNG
    (いずれ解禁される可能性あり)
    現時点でも、PACがやるならOK? ←だぶんグレー
  • なりすまし、誹謗中傷はNG
    刑事罰の対象になり得る。
  • ネット利用可能期間は、リアルと同じ。
    公示日~投票日前日
    事前運動は禁止。
  • 未成年者による投稿はNG
    リツイ、シェアもNG

 

 

方向性についてメモ

・「どう情報発信するか?」ではなく、「どうバズらせるか?」

・キャッチーなフレーズ、コピーを考え出して、繰り返す。名前ではなく。
・キャッチーなシンボルが必要。
オレンジの帽子、雨傘を広げるアクション、かっこいいロゴマーク、真似したくなるカッコいいボディアクション(例えば手指のVサイン、右腕を高々と振り回すとか)など。候補者だけではなく運動員みんなで真似する。

コンテンツ:
・駅頭活動、街宣車の運行スケジュールの告知、どこの会合に参加したなどの写真レポート:有権者は興味ない。
・有権者が興味あるもの → 争点について、候補者がどう考えるか。
テキストとムービー両方で。
ムービーは、1イシューについて1.5分間程度。
イシュー毎に素材を分割する。
前回参院選:山本太郎の成功例:反原発を巧みに争点化することに成功した
但し、争点を表に出すか/隠すか、これは全体戦略の中で位置付けられるべきもの。

私見:
争点の中には、例えば景気対策のように、何を行うのが正しい政策なのかは判断しにくいものも多い。
結果論でしか判断できない部分も大きい。

自信を持って、自説を明確に言い切る力強い姿勢を見せることが必要なのではないか。
・今後の景気対策
・アベノミクスの現状評価
・集団的自衛権の必要性
・原発を再稼働するべきか
・今、解散総選挙することの大義/総選挙費用700億は必要なのか?
・どうして小笠原のサンゴを中国漁船から守れないのか?
・年金制度は破綻するのか?

・ターゲットを明確に設定することが必要
私案:高学歴サラリーマン家庭新住民・埼玉都民
旧住民シニアはネット選挙の戦術ターゲットとしては切り捨てる←旧住民シニアに対しては、既存の手段でアプローチする

・本人の投稿/秘書の投稿を、明確に分ける。
秘書の投稿は、「秘書が投稿しました」と明記する。
秘書のなりすましは、絶対にバレる。

・ネガティブキャンペーン/比較広告
→匿名はNG。
→現実的には、現時点では困難か。PACがやるならOKか?

・ソーシャルツールをどう活用するか
運動員に、自らの言葉で友人に語りかけてもらう(リツイ、シェアではなく)
街頭演説で、「私の写真を撮って、候補者の○×△がいたよとツイート、FBにアップしてください!但し、未成年はダメですよ」とお願いする。

・メディア対応、煽り
まだ意図的な炎上マーケティングが通用するフェーズ。

・有権者からのQへの対応
有権者のツイート、リプライ、コメントに対しては、出来るだけ候補者本人が自分で返信をする。
ネガティブな投稿や、反対派からのものも含めて。
選挙期間中は、投稿作業時間を確保しておく。どのQに反応するべきかは、予めスタッフが選別しておく。