緑川に沿って歩き、課題や要望を共有するツアー

蕨市内を、塚越から南町にかけて、北から南へ縦断して流れる川、緑川の水害対策について、来年、令和6年(2024年)2月の県議会一般質問で取り上げる予定です。

この度、

令和5年(2023年)11月10日、川に沿って歩きながら、課題や要望、過去の大雨の時の事例などをわいわい話し合おう、というイベントを行いました。

 

参加者は、

流域の地元町会(塚越6丁目、塚越7丁目、塚越5丁目、南町3丁目町会の町会長・防災担当役員など)
蕨市議会の保守系会派:新翔会議員、公明党蕨市議団議員
埼玉県 さいたま県土整備事務所河川部の幹部職員
蕨市 都市整備部 道路公園課の幹部職員

の方々でした。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

 

参加者皆様には、課題や要望のナマ声が共有できて有意義だった、という感想をいただきました。

私としては、冒頭に述べた来年2月の一般質問のみならず、今後の県議会活動に活かして参る所存です。

蕨市議会においても、それぞれの市議会議員各位におかれましては、議会活動に活かしていただけると幸甚に存じます。

 

 

緑川の概要

長さ4.75km、荒川水系の一級河川。

川の戸籍上は、川口市前川を起点に、蕨市・戸田市・川口市を南下して、菖蒲川に注ぎ込み、その菖蒲川はやがて荒川に合流する、という流れとなっています。

江戸時代~昭和初期に、六ヶ村用水という名の灌漑用水として人工的に作られました。

 

 

ここで、便宜上、「川の戸籍」と書きましたが、役所の管理上の川の流れと、実際の川の水の流れは異なります。

以下に見るように、「緑川の起点」と言っても、実際にそこで水が湧き出ているわけではなく、さらに上流に水の流れは続いておりました。
また、「戸籍上の緑川」の途中で、水の流れは分断されている箇所もありました。

 

 

緑川の管理者

埼玉県です。

埼玉県 県土整備部には、12の県土整備事務所という、出先機関があり、それぞれの県内地域に所在しています。

さいたま県土整備事務所が、蕨市・さいたま市・川口市・戸田市を管轄しています。

但し、さいたま市は政令指定都市なので、道路は市が管理しています。市内河川のみ、さいたま県土の整備事務所が管理しています。

 

 

緑川の管理者が、埼玉県 さいたま県土整備事務所であることは分かったけど、それでは、市道と河川の境目のフェンス等は、どちらが管理しているのか?

この点が、よく分からないんですよねー。

質問してみても「それは協議の上で・・・」みたいな感じで、明確な回答が返ってこない感じでした。

 

 

緑川の拡幅計画の進捗

氾濫対策として、下流域を拡幅するための事業計画が、昭和の時代に決定しています。

しかしながら、昭和40年代に戸田市において反対運動が起こり、事業休止しています。
(あくまでも休止であって、撤回・廃止ではありません)

近年、平成後期になって、戸田市においても住民の考えが変わり、再開を要望する声が高まっています。
今の時点では、「休止」の状態が続いています。

 

ざっくりした流れは、以上のようになります。

この当たりは、別途詳しく調べたいと思います。

昭和40年代なんて、まだ紙媒体の時代だったので、ネットでサーチ出来ないので、調べるのが大変なんですよ。

 

 

緑川全図

緑川説明図1

本稿の地図データは、全て、

Geoshapeリポジトリ – 地理形状データ共有サイト | ROIS-DS人文学オープンデータ共同利用センター (CODH)

より。オープンデータです。

 

 

益子病院 南東角の中田橋からスタート

益子病院(川口市)の南東角に位置する、中田橋が、蕨市と川口市の市境となっています。

川口市から流れてきた緑川は、ここで、蕨市に入りました。

今回のツアーは、ここからスタート致します。

 

 

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中田橋の南側より、中田橋を望む。
写真奥(橋の先の方)が川口市であり、緑川の上流部です。

橋の下は、自然な水の流れとはなっておらず、金属製パイプを介して水が流れてきています。

標高が、下流部(写真手前側)の方が高いために、このような仕組みになっています。

ある程度の量の河川水が溜まったところで、間欠泉のようにぶしゅっと水が吹き出すように流れてきます。

中田橋の上流部は、遊歩道のように整備されており、水質もきれいですが、中田橋の下をくぐって出てきた水は、茶色く淀んで汚らしくなっています。

中田橋の左右にも、緑川に流入してくる別の水の流れがあり、雑排水が流れ込んでいるようです。

 

 

産業道路(県道35号 川口上尾線)を斜めに横切ってくぐる

「下をくぐる」というのは、要するに、橋ということなんですけど、通行するクルマの方は、橋であることに気が付かないかもしれません。

道路は舗装の継ぎ目すらありません。

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ところが、よく見ると、舗装に斜めにヒビが入っています。

このヒビが、橋と、道路の根本との、継ぎ目です。

地元町会長曰く、よくヒビが入るとのこと。

 

 

尚、産業道路は県道なので、緑川と同じく、埼玉県 さいたま県土整備事務所が管理しています。

県土整備事務所の中は、ざっくり道路系と河川系の部署に分かれているのです。

それでは、緑川と産業道路が交差する、この橋の部分は、道路系と河川系のどちらが管理しているのかな?

それは、道路系部署です。
橋は、河川ではなく、道路の所属です。

 

 

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大雨のときに、道路上に水が溜まりやすい箇所があり、道路から緑川に向かって雨水を排水できる小さな排水口が設置されています。

地元町会長が、直接、さいたま県土整備事務所に要望して、付けてもらったとのこと。

逆に、緑川の水量がいっぱいになった時には、道路側に水が流れてこないように、逆止弁が付いているとのこと。

 

 

塚越地区の水害の被害状況

産業道路を渡って、塚越6丁目町会会館の脇へ。

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このように、緑川に対して流れ込む土管が幾つも設けられています。直径20cmくらいから、5cmくらいまで、太さはまちまちです。

上の写真のように、しばらく水が流れが途絶えているのか、雑草が生えて詰まっているようなパイプもあります。

おそらく雑排水が流れ込むパイプなのだろうが、それぞれがどこからどのように流れているのかは、県土整備事務所でもいちいち全ては把握していないようでした。

 

 

この塚越地区では、大雨の時に、川の天端ギリギリまで水面が上がってくることは、しばしばあるとのこと。

溢れて越水することもたまにある、と。

しかしながら、元々それほど太い川ではないために、越水したところで大した水量ではなく、道路の表面が冠水する程度で、家屋に被害を及ぼすほどではないとのことです。

 

 

腐食した鋼矢板の改修工事

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ただ今、改修工事が行われています。

緑色のパイプで、水の流れをバイパスさせています。
この区間を乾燥させてから工事を行う、という仕組みのようです。

 

 

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こちらが、改修工事前の状態。

緑川の横面は、波打った鉄板が、川の表面から道路に対して潜り込むようにして設置されています。
これが、鋼矢板。

この鋼矢板が腐食してきており、これを改修する工事を行っています。

これが壊れてしまったら、上部の道路にも影響が及びかねません。

 

 

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こちらが、改修工事後の状態。

コンクリで補強されています。
その分、川が狭くなってしまっています。

 

 

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緑色パイプによって水の流れをパイパスさせ、ドライ化している区間。

川底に捨てられていた自転車でしょうか。
あり得ないくらいぐにぐににねじ曲がっています。

 

 

川を囲むフェンス問題

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塚越地区の緑川のほとんどの区間が、このような緑色のフェンスで覆われています。

目が詰まっている網なので、子どもの目線の高さでは、角度によってはフェンスの先が見通しづらくなっています。

(例えば、この写真では、川の左側はフェンスの向こう側は透けてよく見えますが、川の右側はよく見えません。)

緑川に面して小学校、中学校、高校もあり、通学路となっているために、たいそう危険です。

 

 

そもそも、フェンスを取り払って、蓋をして、暗渠化すればいいのでは?

→ここは川なので、川はオープンが原則だ、とのことです。
世の中にある多くの暗渠は、川ではなく下水です。
下水ならば暗渠化することも可能ですが、川である以上、オープンであるべきだ、というのが河川管理者の発想です。

なるほど、そういうものなのか。

 

 

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川の左右両岸に沿って、それぞれ一方通行の道路が走っています。
川に橋が掛けられている箇所。

このような箇所は、交通安全上、見通しが悪い緑色フェンスだと危険です。

上記写真においては、交差点付近のみ、目の荒い、白色フェンスに付け替えられています。

 

 

過去に、市と県との話し合いの中で、このような付け替え工事が行われたようどえす。

 

確かに、目が荒い分だけ、見通しが良くなりますので、道路交通の上では安全ですね。

しかしながら、目が荒いが故に、子どもが登ったりしやすいために、子どもの安全という観点では、別の危険があるとのことです。

 

 

拡幅工事の予定地

塚越5丁目へ。

この辺りから、休止中の緑川拡幅工事のための買収済みの用地が現れてきます。

今現在、事業休止中のため、県としては、積極的な用地買収は一切行っていません。

地主から、買い取ってほしい旨の交渉要望があれば、交渉を行い、買い取る場合もある、とのことです。現実的には、金額面で折り合いがつかずに合意に至らないこともあるようです。

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写真の左手奥の木々の敷地が、丁張稲荷公園。

緑色の雑草防止シートをかけ、黒フェンスで覆われた区画が、買収済みの敷地です。

雑草防止シートをかけているといえども、夏には隙間からかなりの量の雑草が生えてきてしまうとのことで、この11月という季節にも、枯れた雑草の姿が残っています。

さいたま県土整備事務所としては、今後、雑草防止のために、浸透性舗装工事を行っていく、とのことでした。

 

 

このような買収済み敷地については、上記写真のように空き地となっているところもあれば、市に貸し出した上で、ちびっこ広場として供されているものもあります。

(蕨市におけるちびっこ広場とは、都市公園法上の公園ではないものの、事実上、公園と同じように提供されているものです)

 

 

事業休止している以上、空き地にしておくのはもったいないし、事業再開まで(いつになるか分からないが)の間、ちびっこ広場にするなり、コインパーキングにして小銭を稼ぐなりしておけばいいのでは?という気もしますが、

県としては、積極的に何かに利用する考えはないようです。

ちびっこ広場にするにしろ、コインパーキングにするにしろ、隣接・近隣の民家の住民の理解が得られることが大前提かな、とも思います。

 

 

塚越5丁目町会では、年に2回、自主的に掃除している

本来であれば、管理者は県であって、県が適切に浚渫するのがスジではあるのですが、地元の方々が、自主的にきれいにしているとのことでした。

次は、12月のゴミゼロの時にやる予定とのこと。

12月の寒い時期に、川に入って掃除するのは大変なことと思いますが、夏は夏で臭気があるのでもっと大変だ、とのことでした。

 

 

水面に生える菖蒲

JR京浜東北線・高崎線をくぐって、南町3丁目へ。

川は、線路をくぐり抜けていきますが、人は、大回りして跨線橋を渡って行くことになります。

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蕨一中の東南側。

ここまでくると、川幅はかなり広くなります。

川底はコンクリではなく、土です。
蕨一中の校庭の砂が、多少は流れ込んでしまっているようです。

 

この辺りも、川の天端ぎりぎりまで水がいっぱいになることは、しばしばあるようです。

川の天端よりも、周辺の民地の方がかなり標高が低くなっており、越水して道路冠水することもあるようです。
民家の被害状況については正確には分かりませんでしたが、この緑川沿いはそれほど大きな被害は過去には生じていないようです。

 

 

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埼玉県道110号 川口蕨線にかかる三和橋を越えて、更に下流へ。

この区間には、菖蒲が大量に繁茂しています。
南町3丁目町会の長老が、2,30年前に、水質改善のために植えたものが繁殖した、とのこと。ある程度の効果は上がったとのことです。

今は11月なので、それほどもしゃもしゃ生えている、という感じではありませんが、夏には、かなり大量に繁茂して、水の流れを阻害するほどになってしまっており、菖蒲を撤去してほしい、という要望の声も近隣から上がっていました。

市から県に要望し、県土整備事務所では、今年度中に、菖蒲ごと川底を浚渫する工事を行う予定です。

 

 

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南町桜並木の暗渠からの流れが、緑川に合流する地点。

桜並木の暗渠は、河川ではなく下水道であり、蕨市が管理しています。
こちらはしばしば氾濫するようです。
この地域の下水道は合流式なので、ひとたび溢れると、かなり汚い水が道路や民地に流れ出てしまいます。
昔は、トイレットペーパーがプカプカ流れている姿を見た、といったこともあったようです。

 

合流式下水道では、雨水と汚水(お風呂、台所、トイレから流れ出てくる水)が混ざり合って一緒に処理されています。

大雨のときには、下水処理設備の処理能力を超えると、処理せずにそのまま川に放出される仕組みです。

最近は、全くそのままという訳ではなく、大きなゴミは取り除く程度の、簡易なろ過は行われているようですので、「トイレットペーパーがプカプカ」ということは今日においては無いのではないでしょうか。

 

 

これにて、緑川を歩くツアーは終わり。

お疲れ様でした。

 

 

緑川拡幅工事再開に向けて、蕨市民の声

今日においても、川の天端ギリギリまで水量が上がることは多く、越水して道路・民地が冠水することもしばしばあります。

近年の気候変動による大雨の増加を考えると、拡幅工事を進めてほしい、というのが、ほぼすべての方の意見であります。
少なくとも、近隣町会の役員レベルの方々は、概ねそのように考えています。

しかしながら、個別に一軒一軒の家を訪ねて意見を聞いてみたわけではありませんが、拡幅工事の用地買収の対象地に家を建てて住んでいる人の中には、反対する方もいるでしょう。

古い家ばかりではなく、ここ10年以内くらいに建ったと思われる、新しい物件もありました。

 

 

下流の戸田市

別の日に、緑川下流の戸田市を一人で歩きました。

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戸田市喜沢2丁目。

堤防補強工事が行われていました。

 

 

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拡幅工事のために買収済みの敷地。

 

 

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同じ土地を別の角度から。

川のフェンスに物干し竿のスタンドをくくりつけている、のどかな風景。

 

 

上流の川口市

このたびのツアー出発地である中田橋の上流を、一人で歩きました。

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ちょっとした遊歩道のようになっており、ちょうど草刈り作業中でした。

この辺りは、水質はきれいです。

 

 

緑川説明図3

更に上流へ。

緑川と堅川が十文字に交差する地点。

 

川がクロスする、という状態は、素人には分かりにくいものです。
川っていうのは、下流に流れていくに従って、幾つもの川が合流して、流れが太くなっていくものなのではないの?

 

昔は、緑川と堅川は伏せ越し、つまり、一方の川が他方の川をくぐり抜ける仕組みになっていました。

今は改修され、流れが混ざり合っています。

水の流れは、上図のようになっています。

 

 

緑川の上流から流れてきた水は、全て竪川に流れ込んでいます。
つまり、緑川の流れは、緑川浄化施設を境に、完全に分断されています。

緑川は、戸籍上は、緑川浄化施設の上部と下部では一つのものなのですが、水の流れはまったく別モノです。

 

 

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緑川浄化施設

上流から撮影したものですが、水の流れは、手前に向かって、つまり上流に向かって流れ、堅川に合流しています。

川の水が、下流から上流に向かって流れているなんて、なんとも不思議な感じがします。

 

 

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写真右側が、堅川の上流部。
写真奥が、緑川の下流部。その先が緑川浄化施設です。上述のように、水は手前に向かって(上流に向かって)流れてきています。

 

 

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緑川浄化施設の排出部。

水はここから左右に分かれ(いや、上下に分かれ、と言うべきか)、それぞれ、上流と下流に向かって流れていきます。

そもそも、この浄化施設の水は、元はどこから取水したのか?
水の流れがよく分からず。

 

 

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写真奥が、堅川の上流部。
写真右側が、緑川の上流部。

 

 

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堅前橋ポンプ場

これは埼玉県ではなく、川口市の施設ですが、どのような役割を果たしているのか、よく分からず。

別途調べてみます。

 

 

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堅前橋ポンプ場と、竪川。
川の流れは、写真では、右から左へ。

竪川の横面に、ポンプ場の取水口が見えますが、水面が取水口よりも下にあります。
この水量では取水できませんね。

 

 

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竪川下流部。

ここも汚いですね。

 

 

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緑川を更に上流へ。

イオンモール川口前川の西側辺り。

 

川表はコンクリで固められていますが、隙間から雑草が生え、川面にはゴミが流れています。

 

 

緑川説明図2

上記地図の、青色が交差する地点が、緑川の戸籍上の起点です。

 

 

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ここが起点。

住宅街です。

 

 

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緑川は再び細くなっていますが、水量は豊かです。

 

 

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緑川起点から、西側の水の流れ。

 

緑川の起点と行っても、泉があって水が湧き出ているわけではありません。

起点の上流は三方に分かれ、別の川に繋がっています。

これもまた、昔の六ヶ村用水の一つなのでしょうか。

 

 

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緑川起点から、北側の水の流れ。


【蕨市内】見沼代用水の近況

さて、ここしばらく、さっぱり雨が降っておりません。
年が明けてから、おそらく数えるほどしか降っていないのではないかな?

私個人的にも、また、所属している蕨市議会の会派:新生会(自民党系)としても、市内北部(北町~錦町)を流れる見沼代用水の環境美化対策を主張しているところです。

見沼代用水は、元々は農業用水ですが、浦和~蕨~戸田を流れる部分は、支流に当たり、現在はこの地域では水稲耕作用水としてはまったく使われておりません。

江戸時代から続く用水であるために、権利関係が複雑である上に(正直、厳密にどうなっているのかは私もよく分からない)、管轄している見沼代用水土地改良区(という組織)も、支流の支流であるために完全な放置状態です。

蕨市としては、この見沼代用水土地改良区に環境美化をするように訴えているのですが、全然進んでおりません。

水が流れていないために、ヘドロの堆積がひどく、夏は悪臭を放っています。

 

しばらく雨が降っていないので、どうなっているものかと様子を見に行ってみました。

 

20170306_見沼代用水_蕨市錦町付近

春日公園の裏。

近年まれに見る汚さ。
藻と混ざったヘドロが堆積しているのみならず、空き缶などの不法投棄されたゴミも浮いていました。

20170306_見沼代用水_蕨市錦町付近

リンテックの研究所・工場から道路をはさんで南側。

ここも同じような状況。

尚、この辺の見沼代用水は、素掘りのままの状態です。

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さいたま市との境の近く。

この辺は、通年、水が多少は流れているので、上記2つの写真の場所ほどは汚くはないのですが、それでもここしばらく雨が降っていないために、けっこうヘドロが溜まっています。

 

 

参考:

hoya_t blog 2013/6/7 : 【蕨市議会】6月定例会の一般質問発言通告をしました。#見沼代用水の本市錦町地内部分の埋め立て構想について

hoya_t blog 2015/1/20 : 見沼代用水の環境整備もろもろ

hoya_t blog 2015/3/10 : 蕨市議会 2015年3月定例会の一般質問通告しました。#見沼代用水の環境整備について

 

 

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ところで、私が好きでよく行く彩湖ですが、今日訪れたところ、この写真のような感じで、かなり水位が下がっていました。

ここ15年ほどで、こんなに水位が下がっているのを見たのは初めてです。


荒川河川敷のスポーツ愛好者間の諸問題

さて、私は実はチャリがけっこう好きでして、昨日は、彩湖で行われたTOKYOエンデューロRiver Stage 2014 in 彩湖・道満グリーンパークの4時間チームエンデューロに参戦してきました。

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晴天に恵まれたものの、風が強くて寒く、フラれて落車する選手が続出、救急車まで出動していました。

 

ロードバイクが流行っている

近年、ロードバイクが流行っている。
細いフレームに細い車輪をつけて、くねっと曲がったドロップハンドルをつけて、ピタピタのタイツとジャージを着てシャーッと走る、アレです。
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この種の趣味のジャンルが流行ると、ファン人口が増えて市場が拡大するので、パーツの技術革新は進むし、値段も安くなるしで、いいことだらけなので、個人的には嬉しい。

 

荒川河川敷は、ロードバイクのメッカ

シャーッと走るロードバイクは、街中で走っても楽しくない。
趣味性が高い分野なので、好みの楽しみ方によって別れるのだが、概ね、↓こんな場所を普段走って練習したりしている。

ロードレース、トライアスロン好き→平地を止まることなく高速巡航したい。
ヒルクライム好き→峠の上りを走りたい。

ということで、往復で100km以上距離が取れる河川敷沿いのサイクリングロードというと、首都圏近郊ならば、荒川と多摩川しかないので、荒川サイクリングロードは、ロードバイク乗りのメッカみたい感じになっている。

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(荒川サイクリングロード 東京都北区の戸田橋ゴルフ練習場の辺り。戸田橋と新荒川大橋の間。)

荒川は一級河川なので国が管理しているのだが、笹目橋を境にして上流と下流で管理事務所が違うらしい。
wikipedia:荒川サイクリングロード

たしかに、体感では笹目橋を境に、河川敷の景色は劇的に異なる。

下流域では、サイクリングロードの道幅は広くなる(クルマ3台分くらい)。野球場、サッカー場、テニスコート、ゴルフ場・ゴルフ練習場(打ちっぱなし)が連なっている。

上流域では、道幅は狭くなり、自転車がすれ違えるくらい(クルマ1台分くらい)。夏には草刈りの頻度が下流よりも低く、草ぼうぼうになっていることも多い。大きなゴルフ場は幾つかあるが、それ以外は荒れ地や田んぼになっている。鴻巣辺りまで足を伸ばすと、川幅は数キロに及び、川と堤防の間に集落が幾つもある。

 

荒川サイクリングロードの危険性と自転車規制

下流域では、野球、サッカー、テニス、ゴルフの愛好者やウォーキング愛好者が多いので、ときどき衝突事故が起こっている。死亡事故が起こったこともあるそうだ。

流行って愛好者人口が増えたので、当然、マナーが悪い人も増えたようだ。
追い抜きざま「邪魔だよ、バーカ!」みたいに怒鳴るような人もいるらしい。

そこで、下流域において、衝突事故防止の観点から、自転車が規制されている。

河川敷のクルマの駐車場の出入口を中心に、自転車が通れないようにわざと鉄パイプを設置された。

数年前から、下流域のみ、「時速20km以下で」という標識も設置された。

参考:
Cycle Sports:オレ達の”走り場”が危うい(2010年)
Cycle Sports:荒サイからサイクリストが締め出されるってホント!?(2013年)

ということなんだけど、自転車で20km/hというと、ほとんどママチャリでちょっと頑張ってこぐくらいのスピードなので、まったくもって非現実的。
ロードバイクの速度は、例えば昨日の彩湖エンデューロだと、かなりの強風の中を数人で交代しながら4時間走って、優勝チームが平均39.52km/h、私のチームが平均33.50km/h。追い風区間では巡行40km/h以上は普通に出る。トライアスロンの大会だとドラフティング(=スリップストリーム)禁止なのでもっと遅くて、私の昨年の彩湖道満トライアスロンATCカップの記録が、最高気温37度の中を熱中症寸前で寒気を感じながら走って(ラン途中で時間切れDNF)、平均28.4km/h。

この荒川サイクリングロード(下流域)の「時速20km制限」は、まったく非現実的なものだし、罰則があるわけでもないので、畢竟、誰も守っていない。

また、前述の彩湖道満トライアスロンATCカップは、私はここ7年ほど毎年出ているミドル距離の大会なのだけど、昨年歩行者と衝突事故が起きたために今年は使用許可が下りなかったそうで、バイクパート無しのアクアスロンとなってしまった。
(アクアスロンだったら、敢えてあんな臭くて汚い水の中を泳ぎたくないので、今年は出ませぬ)

 

他方で、危険でマナーが悪いのは自転車ばかりではない。

野球チームのボールが飛んできて私の自転車に当たったことがあるし、目の前で野球のボールが飛んできて、ロードバイクの女性の頭(ヘルメット)に当たって落車するのを見たこともある。

サイクリングロード上で野球チームのちびっ子たちがキャッチボールをしたり、あるいは数人で横一列になっておしゃべりしたりして道を塞いでいるところを、指導者らしい大人が近くにいながら注意もせず、やむを得ずかき分けて走ることもある。

 

どっちが悪いということではない、マナーが悪い人はどこにでもいる。

同じ場所で、別の分野の人達が共存している訳だから、フリクションが生まれるのは当たり前だ。

 

荒川河川敷で、自転車だけが規制される理由に関する考察

私が知る限り、規制されているのは自転車だけのようだ。

この理由は、個人的な考えだけど、少年野球チーム、少年サッカーチームの政治的発言力が強く、自転車愛好家のそれが弱い、ということに尽きるのではないかと思う。

少年野球、サッカーチームは、地域密着で、指導者層が概ね、地元で力を持つ自営業者だったり、名士だったりすることが多いように思う。そして、地域の政治家がバックに付いていることも多い。
何を隠そう、私も某中学生野球チームの副会長を仰せつかったりしている。
私は何の力も権限もないし、野球なんてさっぱりやったこと無いにもかかわらず、チームリーグ戦の始球式でボール投げさせてもらったり、飲み会でご挨拶するくらいのことしかしてないけど。
そして、この種の団体スポーツは競技の性格上、チーム内の結束力が強いし、チーム同士で戦う競技であるためにチーム間の横の繋がりも強い。

自転車愛好家は、基本的には個人プレイだし、趣味サークルを作っている場合も、関東全域の仲間が集まっている、というような広域団体が多いため、政治的意志が集約されにくい。

 

今後について

個人的には、荒サイの今後の自転車規制がどうなるかについては大いに利害があるが、何か働き掛けなり陳情とか請願とかその類を、自ら動いてやろうとは今のところは思わない。蕨市政とは無関係だし。
しかし、誰か中心になってやる人がいれば、応援する。

また、埼玉県はじてんしゃ王国 埼玉を目指しているそうだけが、何を目指したいのかさっぱり分からない。

王国を名乗るのであれば、河川敷の他スポーツ団体とのフリクション問題を解決して欲しい。

埼玉県:「じてんしゃ王国 埼玉」の確立を目指して
埼玉県公聴広報課:ポタ日和