荒川水循環センターを視察

昨日、令和6年(2024年)8月27日、蕨市議会 保守系会派:新翔会の仲間と、荒川水循環センターを視察してまいりました。

水循環センターとは、下水処理場のことです。
親しみやすい呼び名としたものです。

荒川左岸、幸魂大橋の川下に位置しています。
戸田市内です。

彩湖や荒川CRにジョギングに行くたびに横を通り抜けていましたが、初めて中に入りました。

 

 

県の流域下水道・水循環センターの仕組み

身近な、街の中の下水道は、公共下水道と呼び、市町村が運営しています。

それぞれの市町村ごとに下水は集められ、県が運営している流域下水道の管路に流れていき、やがて水循環センターに集まります。

ここできれいに処理して、河川に流します。

 

市町村と県は、このように役割分担しています。

 

但し、歴史的・地理的な経緯から、市町・一部事務組合が独自に下水道の終末処理を行っているケースもあります。

 

 

埼玉県の流域下水道

荒川、利根川などの大きな河川の、右岸、左岸それぞれといったように区分し、8つの流域下水道に分かれています。

荒川左岸下流のエリア(上尾市-さいたま市-戸田市-蕨市-川口市)を担当しているのは、荒川左岸南部流域下水道です。
人口密集エリアであるため、国内でも最大規模です。

蕨市においては、下水の100%の終末処理を、荒川左岸南部流域下水道に委託しています。
尚、蕨市内においては、錦町のみが分流式(汚水と雨水の管路が別系統に独立している)ですが、雨水は、そのまま河川に放出しています。

 

 

流域下水道の費用負担

受益者負担の原則に基づき、県が市町村に請求しています。

料金設定は、県内一律ではなく、流域下水道ごとに異なり、5年毎に見直しています。

人口が疎らなエリアの流域下水道よりも、人口密集エリアの流域下水道の方が、管路・ポンプ場などの投資・運用効率はいいので、料金設定も安くなります。

荒川左岸南部流域下水道は、県内でも安い方です。

維持管理負担金の立方メートル当たりの単価は、荒川左岸南部流域下水道は処理人口:199万人で、@36円です。県内で最高値の荒川上流流域下水道(深谷市・寄居町)は処理人口:2万人で、@99円です。

 

しかしながら、物価・エネルギーコスト上昇が続く中で、今後、値上がりすることは確実な状況です。

 

 

そもそも、下水道が出来る前は、どうしていたの?

荒川左岸南部流域下水道が出来たのは、52年前の、昭和47年です。

これまでは、し尿処理は全て汲み取りでした。

家庭や工場などの排水は、全てそのまま川に流していた、ということになります。

今となっては想像も出来ない世界ですね。

 

 

どうでもいい余談ですけど、私は2016年にセブ島でダイビングのライセンス取ったんですよ。

海はもちろんとても綺麗で、サンゴや熱帯魚、ジンベイザメと戯れながら講習を受けたのですが、島はほとんど下水道が整備されておらず、川は汚くて、それらの汚水がそのまま海に垂れ流されていました。

川はあんなに汚いのに、なんで海はこんなに綺麗なんだろう?と不思議でなりませんでした。

海はとても広大なので、ある程度の量までは、文明社会が垂れ流す汚水を飲み込んで希釈してしまうわけですね。量の問題なのです。

 

 

施設見学の写真レポート

20240827 荒川水循環センター

流域市の維持管理負担金の増額要因・背景、防災対策、施設概要についてお聞きしました。

 

20240827 荒川水循環センター

施設内は、ヘルメットを被って見学します。

場所によっては防塵マスクも装着しました。

 

20240827 荒川水循環センター

中央管理室。

言うまでもなく、下水道処理は24時間体制で行っていますので、この中央管理室も24時間体制で稼働しています。

基本的には、何かを操作する作業するというよりも、異常が無いかどうか監視し、異常が発生したら対応する作業がメインのようです。

 

20240827 荒川水循環センター

沈砂池。

水循環センターにやってきた下水は、まずここにやって来ます。

生の下水なので、やはり臭いです。

大きなゴミ、土砂を沈めます。

 

20240827 荒川水循環センター

ポンプ棟。

低い位置にある下水を、高い位置に持ち上げるのが、ポンプの役割です。

 

20240827 荒川水循環センター

管廊。

 

20240827 荒川水循環センター

視察団の面々。

 

20240827 荒川水循環センター

管廊には、近隣の高校生たちに描いてもらった壁画があります。

クマムシくんやコバトンが楽しそうに水の中を泳いでいます。

 

20240827 荒川水循環センター

水の妖精?

高校生たちによる、下水道インフラへの感謝と、ここでオペレーションする方々へのリスペクトの気持ちがよく表現されています。

 

20240827 荒川水循環センター

大きな導水管の前で。

でかいですね。

何となく、ゴゴゴゴゴゴ・・・という音は聞こえるのですが、中は見えないので、どのくらいの勢いで下水がこの中を流れているのかは分かりません。実はチョロチョロなのかもしれません。

 

20240827 荒川水循環センター

管廊案内図。

ここから下水は、8つの系列に分かれていきます。

人口・処理量の増加によって、系列を順次増やしてきました。

今は、第8系列までが配備されています。

 

20240827 荒川水循環センター

第5系列の反応タンク。

ここに微生物のクマムシがおり、下水を処理してくれています。

微生物を使って下水処理を行うのは、埼玉県や国内だけのやり方ではなく、世界的にもスタンダードなのだそうです。

 

20240827 荒川水循環センター

第5系列の最終沈殿池。

 

新しい第5~第8系列は、広い荒川水循環センターの中でも、最も東側に位置しています。道路を挟んで住宅地と隣接しているため、臭気対策のために、上部に屋根を設けた構造になっています。

これは、昨年見学した元荒川水循環センター(桶川市)には無かった仕組みであり、ここの特徴です。

 

20240827 荒川水循環センター

第5系列の上部は、このようになっています。

 

20240827 荒川水循環センター

屋上は、戸田市営の公園として、一般に開放されています。

その名も、上部公園。

週末は駐車場が満車になり、空き待ちをしている車列が並んでいる姿をよく目にします。

 

20240827 荒川水循環センター

 

 

20240827 荒川水循環センター

第3系列の反応タンク。

こちらの系列は、蓋が設けられています。見学のときだけ開けられるようになっています。

ぶくぶくしているのは空気です。空気を送り込んで、微生物を活性化させています。

 

20240827 荒川水循環センター

第3系列の最終沈殿池。

 

20240827 荒川水循環センター

水を汲み出してメスシリンダーに入れてみると、少し黄ばんで見えます。

もはや臭気はありません。

化学的には、荒川の水よりも綺麗です。技術的にはこれよりも更に綺麗にすることも可能ですが、コストが掛かるし、意味がないので、そこまではやりません。

 

 

この後、消毒施設によって塩素処理を施して、荒川に放流します。

 

20240827 荒川水循環センター

汚泥(沈渣、土砂類)は、大量の水分を含んでいますが、これを焼却して減容化(コンパクト化)して、セメント原料等として再利用します。

 

こちらは、昨年、令和5年(2023年)11月に稼働した、新型汚泥焼却炉です。

従来の焼却炉よりも、高温で焼却することが出来る上、排熱を利用して発電する機能も付いています。

温室効果ガス排出量は、従来型と比べると50%以上削減されました。

 

20240827 荒川水循環センター

新型汚泥焼却炉の上部にて。

建屋で囲まれておらず、オープンな構造です。

グレーチングの階段を、上部まで登りました。

燃えているので熱いです。

 

20240827 荒川水循環センター

最後にクマムシくんポーズで記念撮影。

このキモカワなキャラ、クマムシくんやクマニャンコちゃんは、初見では気持ち悪ーいのですが、施設を一周した後は、その活動に感謝し、とても愛おしく感じてくるから不思議です。

クマムシくんやクマニャンコちゃんがいないと、私たちの文明社会は成り立ちません。

 

 

昨年、令和5年(2023年)9月には、自民党県議団1期生有志にて、元荒川水循環センター(桶川市)を視察しました。

 

視察を受け入れてくださった県下水道局、公益財団法人埼玉県下水道公社の皆様、ありがとうございました。日頃の下水道インフラの建設・維持管理にあらためて蕨市民を代表して感謝申し上げます。


中川・綾瀬川の流域治水シンポジウム

20240826 流域治水シンポジウム 中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト

先日、令和6年(2024年)8月26日、越谷市中央市民会館におきまして、中川・綾瀬川の流域治水シンポジウムがあり、参加してきました。

参加者は白ワイシャツの行政パーソンが多かったようです。

 

 

中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト

中川・綾瀬川流域(春日部市、草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川町、松伏町)では、昨年、令和5年6月の台風2号による内水氾濫によって、大規模な家屋浸水被害が生じています。

この地域は、中川と綾瀬川に挟まれたお椀のような地形になっています。中川・綾瀬川は、河川勾配が小さく、ただでさえ水が流れにくい(排水能力が低い)川です。排水能力を越えた雨が降ると、溜まってしまって流れにくいのです。

 

 

この時のことは、私もよく覚えております。

須賀敬史 前県議が立候補した蕨市長選挙の最中で、連日、県内の自民党議員が選対に応援に入ってきていました。

蕨市では浸水被害はありませんでしたが、毎日来てくれていた草加市の議員さんから翌朝一番で、「市内での水害がひどく、一晩中市内を駆けずり回ってきて、今、家に帰ってきたばかりなので、一眠りしてから蕨に向かいます」と連絡を受けたのでした。

 

 

対策として、国・県・市町が連携して、中川・緊急流域治水プロジェクトが動き始めております。

 

 

流域治水という考え方は、2度目のパラダイムシフト(であるべき)

学者の加藤孝明氏の講演で、面白い話がありました。

 

20240826 流域治水シンポジウム 中川・綾瀬川緊急流域治水プロジェクト

「流域治水頑張ろう!」という関係市町の首長の決意ポーズを軽く揶揄した上で、

 

流域治水という考え方は、本来であれば、2度目のパラダイムシフトであるべきなのだ、と。

 

 

古代~中世:人類文明は、自然の脅威に抗う術を持ちませんでした

文明 < 自然の脅威のフェーズです。

大雨の時に浸水して流され、少なかぬ被害が生じるのは当たり前で、高台に住むくらいしか対策はありませんでした。

いざ自然災害が発生したら、人々は一丸となってこれに対処する必要がありました。

 

 

近世~近・現代(江戸時代~平成):土木技術・防災インフラが自然災害から人々を守りました

これが第1のパラダイムシフトです。

文明 > 自然の脅威のフェーズです。

人類文明は、自然の脅威と戦う道具として、土木技術を手に入れ、防災インフラを整備していきました。

堤防、ダム、河川改修などの土木技術・防災インフラがあれば、人々は、自然災害を恐れる必要はなくなりました。

土木技術・防災インフラが、人々を自然災害から守ってくれました。
人々は、自然災害と直接対峙する必要はなくなりました。

 

 

今(令和~):流域治水

これが第2のパラダイムシフトです。

文明 < 自然の脅威のフェーズです。

気候変動により、自然災害は頻発化・激甚化し、防災インフラ整備のスピードが、追いつかなくなりました。

土木技術・防災インフラ整備が、自然災害から人々を守りきれなくなりました。

人々は、自然災害をある程度は受け入れていく覚悟が必要になりました。
いざ自然災害が発生したら、人々は一丸となってこれに対処する必要が出てきました。これが流域治水です。

つまり、古代~中世に戻った、ということになります。

 

 

加藤教授は、この考え方に基づき、葛飾区において浸水対応型市街地構想を進めています。

 

 

はっはっは。ここでも、人類は、自ら作り出した地球温暖化によって、大きなしっぺ返しを受けているわけです。何と言う皮肉でしょうか。


荒川第二・第三調節池 建設現場を視察

大雨の際に、荒川の外水氾濫を防ぐべく、荒川第二・第三調節池の建設工事が進んでいます。

荒川が外水氾濫した場合、市内全域が水没してしまう蕨市民としては、待ち望んでいた土木事業です。

↑上記の特設webサイトは、ドローンによる動画映像などがふんだんに盛り込まれており、とても見応えがあります。

 

事業開始が決まった平成30年(2018年)の記事。

 

令和4年(2022年)、荒川第二調節池の建設進捗について、外から眺めた様子の記事。

 

 

現在の建設工事の様子について、現地視察して参りました。

 

現地でアテンドしてくださったのは、国土交通省 関東地方整備局 荒川調節池工事事務所(この建設工事だけのために開設されている部署です)、

埼玉県 県土整備部にアレンジしていただきました。

同行したのは、以下の4名の県議・市議でした。

林薫県議(さいたま市南区・自民党県議団)
比企孝司市議(蕨市議会新翔会)
栃本由兼市議(蕨市議会新翔会)
岡田三喜男市議(蕨市議会新翔会)

 

 

20240801 荒川第ニ調節池

荒川第二調節池は、既設の第一調節池に対して羽根倉橋をはさんで上流部に位置しています。

 

20240801 荒川第ニ調節池

まずは、羽根倉橋のたもとに建つ、あらいけDX体験館にて説明をお聞きしました。

 

20240801 荒川第ニ調節池

右から、

岡田市議、栃本市議、比企市議、林県議。

 

20240801 荒川第ニ調節池

 

建設工事の進捗

計画上の建設期間は、

平成30年(2018年)~令和12年(2030年)の、13年間

です。

 

 

現在の建設工事進捗は、6割方と言ったところで、順調とのことです。

ダム工事のように用地買収がほぼ不要であることと、地盤沈下などの不測の事態がほぼ発生していないことが、順調であることの要因のようです。

用地内にはかつて2つの河川敷ゴルフ場がありましたが、国有地を貸し付けていたものであり、返却してもらったそうです。上尾市平方地区などの一部地域では、水田を用地として購入しました。

 

 

完成は、上記のように令和12年(2030年)となりますが、2段階サービスインを予定しています。第一弾として、部分的に令和8年(2026年)出水期にはサービスインするそうです。
もう間もなく、2年後の話です。

 

驚くべき猛烈なスピードで建設工事が進んでいる様子がよく分かります。

遅々として進まず、ズルズル、ダラダラと計画よりも遅れていく蕨市の蕨駅西口再開発、錦町土地区画整理と比べると、国が本気で進めるとこんなに速く物事が動くのか!と驚くばかりです。

 

 

荒川第二・第三調節池によって見込まれる効果

大雨の際に、荒川の水を引き入れることによって、荒川を流れる水の量を減らし、氾濫を防ぐ、という、至ってシンプルな仕組みです。

 

第二・第三調節池あわせて、治水容量は、5,100万m3です。

参考までに、既設の第一調節池は3,900万m3、八ッ場ダムは6,500万m3です。

 

シミュレーション上の大雑把な表現としては、

10年に1度クラスの大雨の際に、第二・第三調節池を稼働させる(水を引き入れる)、

100年に1度クラスの大雨にも、外水氾濫を起こさずに耐えられる、

ということになります。

 

とは言え、これに安心して水害への備えを怠ってはいけません。

 

 

令和元年 台風19号のケース

あの時は、既設の荒川第一調節池はフル稼働しました。

治水量3,900万m3のうち、3,500m3まで貯留しました。
9割がいっぱいになり、余裕は1割しか無かった、ということになります。

台風の翌日 令和元年(2019年)10月13日に、荒川第一調節池を訪れましたが、もう本当に「ふち切りいっぱいまで満水」という印象でした。

IMG_20191013_123832

令和元年(2019年)10月13日、台風19号翌朝の荒川の幸魂大橋。

 

IMG_20191013_132024

令和元年(2019年)10月13日、台風19号翌朝の秋ヶ瀬公園。

 

令和元年 台風19号を振り返り、考察した記事。

 

それでは、もし仮に、台風19号の時に、荒川第二・第三調節池が供用されていたら、どうなったか?

シミュレーションすると、赤羽岩淵水門の地点において、荒川の水位を30~40cmも下げる効果が見込まれたそうです。

 

 

建設工事現場の様子

20240801 荒川第ニ調節池

囲繞堤(いぎょうてい)と川の間の部分。

 

20240801 荒川第ニ調節池

消波ブロック(いわゆるテトラポッド)を作っています。

 

20240801 荒川第ニ調節池

第二調節池の排水門。

第二調節池に引き入れられた雨水を、大雨が収束した後に、荒川に流していく役割を果たします。ポンプで強制的に排水するのではなく、自然流下です。

飛島建設(株)が請け負って建設中です。

エンジニア全員のヘルメットに、おにやんま君(c)が付けられていました。スズメバチが多いのだそうです。タヌキも多いそうです。マムシなどのヘビはいない、とのことでした。

余談ですが、ハチ毒アレルギー持ちの私は、山に入る際は必ずオニヤンマ君をリュックに装着し、エピペンとポイズンリムーバを携行しています。

 

 

今後の防災対策を考える上で、今回の視察の知見を活かしてまいります。


緑川 蕨市内に河川監視カメラが新設

緑川において、蕨市内の2階所で河川監視カメラが新設されています。

場所はこちら。

 

 

埼玉県 県土整備部の、さいたま県土整備事務所 管内の河川監視カメラの一覧です。

 

 

ページを開くと、最新の河川監視カメラ画像が閲覧できます。

当日0時00分から2分おきの画像が記録されているようです。それ以前の画像を遡ることは出来ないようです。

かなり解像度が荒い画像ですが、水面の高さは見られます。

夜間でもそれなりに明るく撮影出来るようです。

 

 

他の監視カメラ設置地点では、監視カメラによる画像データに加えて、cm単位の水位計を備え水位データまでも表示しているところもあります。

しかしながら、埼玉県 さいたま県土整備事務所に確認したところ、蕨市内の2地点に関しては、あくまでも簡易なものであり、画像データのみしか記録・掲載しないとのことでした。

 

 

その1 南町 桜並木末端部との合流地点近く

202405 緑川 河川監視カメラ

緑川と桜並木末端部との合流地点から、少し上流位置、右岸側に設置されています。

この写真は、下流側から上流に向けて撮影したもの。

 

この敷地は、緑川拡幅事業用地です。

 

202405 緑川 河川監視カメラ

太陽光発電設備を備えております。

「埼玉県 簡易型河川監視カメラ 太陽電池制御盤」と書いてあります。

 

202405 緑川 河川監視カメラ

上流側から下流に向けて撮影したもの。

緑川拡幅事業用地は、上記の以前の記事に記載した通り、耐水性舗装が施されています。

 

 

 

その2 塚越小 留守家庭児童指導室の横

202405 緑川 河川監視カメラ

緑川右岸の街路樹の中に設置されています。

下流側から上流に向けて撮影したもの。

左側の建物は、塚越小学校敷地内の、留守家庭児童指導室です。

「その1 南町」の河川監視カメラと同じように、ポール + 太陽光発電設備 + カメラですね。

 

202405 緑川 河川監視カメラ

よく見ると、緑川をまたいで、川の表面に向けて、何かの」機器が新たに設置されています。

 

202405 緑川 河川監視カメラ

拡大したところ。
川面に対して垂直に向けられています。

カメラでは無さそう。

水位を測定するセンサでしょうか。

 

202405 緑川 河川監視カメラ

このセンサの制御ボックス。

「機器名:水位計(危機管理型水位計)」と書いてあります。

 

上記webページ上には、あくまでも画像データしか掲載されておらず、水位データは表示されていません。

前述のように、管理者である埼玉県 さいたま県土整備事務所に確認しましたが、「あくまでも提供しているのは画像データのみであり、水位データは提供しない」とのことでした。

従って、何らかの実験的な機器か、平時においては稼働せず有事においてのみ稼働する機器ではないかと予想します。


ゴミゼロ 緑川のゴミ浚い

ゴミゼロ運動 「さわやか環境の日 クリーンわらび市民運動」というイベントが、全市的に年2回、町会単位で行われております。

 

本日、令和6年(2024年)6月2日は、塚越五丁目町会のゴミゼロに参加させていただきました。

 

この町会では、ゴミゼロ運動において、地域内を流れる緑川のゴミ浚いを行っています。

 

20240602 塚越五丁目町会ゴミゼロ 緑川ごみ浚い

胴付長靴(胸までの長さがあるゴム長靴。釣り師が着ているようなイメージの、オーバーオール型長ズボンと長靴が一体化しているようなもの)を着て、二の腕までの長さがあるゴム手袋を装着して、塚越親水公園から緑川に入りました。

 

 

 

塚越親水公園脇の、緑川が塚越大通りの下をくぐり抜ける箇所には、金属製のゴミ除けスクリーンが設置されています。

20240602 塚越五丁目町会ゴミゼロ 緑川ごみ浚い

目の荒い金属製ネットのようなもので、大きなものはここで引っかかり、下流に流れないようになっています。

このゴミ除けスクリーンには、大量の空き缶・ペットボトル、ビニル袋に入れられたゴミなどがひっかかっておりました。

これらを柄の長い熊手でかき集め、箱に入れます。

これらのゴミを集めた箱は、川岸の道路上にいる別の方々の手によって引き上げられていきます。

20240602 塚越五丁目町会ゴミゼロ 緑川ごみ浚い

最終的にこれらのゴミは、すべて浚いました。

 

 

自転車や廃テレビといったサイズの大型のものはありませんでしたが、大量の空き缶・ペットボトル、藻類でみるみるうちに、箱の中は山になっていきました。

空き缶やペットボトルといえども、中に水が入ると水面に浮かばず、水底に沈み込んでしまうのです。何度も熊手で水底を掻いて、ゴミをかき集めました。

 

 

早朝に降ったばかりの雨上がりだったためか、水はどす黒い泥で濁っていましたが、ヘドロの堆積はありません。

作業を行った区間は、川の壁面も底面もほぼコンクリート敷でした。
足裏はコンクリート敷の底にとどきますし、ぬるぬる滑るとか、泥で足が取られる、ということはありませんでした。

20240602 塚越五丁目町会ゴミゼロ 緑川ごみ浚い

雨上がりのためか、それなりの早さで水も流れていました。

緑川には、基本的には雨水排水は流れ込んでいないはずなのですが、多少は入ってきていることによるものかと思います。

川の壁面のコンクリートには、多数の穴が空いており、土の中を染み込んできた程度の排水が流れ込んでいるものかと思います。

 

 

生物もわずかながら生きており、

タニシは多数おりました。
シジミもいたそうです。

全長20cmくらいの亀も見かけました。
これは、以前より住みついているとのことです。

 

 

大金は出てきませんでしたが、年金手帳、パスポート、国際免許証、マイナンバーカード、キャッシュカード、銀行預金通帳、米ドルコイン、スマートフォン、病院の診察券などは拾い上げられました。

町会役員より警察にお渡ししましたが、空き巣被害による盗難品も含まれていたそうです。

現金のお札だけ抜き取って、これらは川に投棄されたようです。

 

いやはや大変な作業でした。

塚越五丁目町会では、毎年2回ゴミ浚い作業を行っているとのことで、頭が下がります。

 

20240602 塚越五丁目町会ゴミゼロ 緑川ごみ浚い

常にゴム手袋をはめておりスマホを取り出せなかったため、作業中の写真は無し。

撮影してくれていた方がいましたので、後で写真データを受け取りましたら追加掲載します。

→ 【2024/6/3】写真と解説文を追加しました。

 

 

 

以下の2枚の写真は、令和6年(2024年)5月24日(作業日の9日前)に撮影したものです。

20240524 蕨市塚越5丁目地内の緑川

この日は、川底に多少の泥が堆積しているのが見えますが、水は透明でした。

 

20240524 蕨市塚越5丁目地内の緑川

カゴに入ったゴミが半分沈んだ状態で投棄されていました。

藻類が繁茂している姿も見て取れます。


大久保浄水場を視察

本日、令和6年(2024年)5月17日(金)、大久保浄水場を視察してきました。

蕨市議会 保守系会派:新翔会(私が市議会議員時代に在籍していた会派:令政クラブの後継組織)の有志とともにお伺いしました。

 

 

水道(上水道)事業は、市単位で運営しています。

市は、県から浄水を購入した上で、独自に採取した井戸水とブレンドし、市内の各お宅に配水しています。

 

昨年(2023年)2月の記事に書いた通り、蕨市は、井戸水の比率が高いのが特徴で、そのため、蕨市水道事業は安定的な黒字となっています。

しかしながら、長期的に見ると、管路・施設が順次老朽化し、更新費用がかかってくるため、令和27年頃から単年度ベースで赤転する見込みです。

 

 

20240517 大久保浄水場視察

管制センタにて。

浄水機能に異常がないかどうか、24時間体制でチェックしています。

水槽に飼育した金魚の動きによって水質をチェックするという方法も採用されています。

浄水場は、戦争・テロの際に標的として狙われやすい重要インフラなので、その種の監視も行っています。

 

20240517 大久保浄水場視察

屋外にて説明をお聞きする。

 

 

大久保浄水場の浄水施設は、

・中央系(県南地域へ配水)
・西部系(県西地域へ配水)

に、完全に2つに分割され、それぞれ独立しています。

中央系の方が古いため、施設の老朽化も早く訪れる見込みです。

 

 

人口減少を見据えると、長期的には浄水機能のダウンサイジングが必須です。

人口減少の度合いは、地域によっても異なるし、必ずしも予測通りにもなりません。
必要以上に浄水機能を縮小し過ぎると、水不足を招いてしまいます。

 

 

20240517 大久保浄水場視察

浄水のプロセスは、

不純物を沈殿させ、取り除く
フィルターを通してろ過する

という、想像通りのものです。

 

家庭用の浄水器がやっている事と、基本的なプロセスはまったく変わりません。

 

 

20240517 大久保浄水場視察

ブロック形成池。

不純物を塊にしていきます。

 

20240517 大久保浄水場視察

沈殿池。

不純物ブロックを沈めて取り除きます。

 

 

20240517 大久保浄水場視察

ただ今、工事中の高度浄水施設 建築現場へ。

 

従来の浄水プロセスの後工程に、「高度浄水処理」を行うことになります。

オゾンと活性炭を通すことによって、トリハロメタンなどの、従来のプロセスでは取り除けなかった微細なモノを取り除くことによって、更に水が美味しくなります。

 

 

埼玉県には、5つの浄水場がありますが、順次、高度浄水施設の建設を進めています。

新三郷浄水場では、既に稼働しております。

 

20240517 大久保浄水場視察

杭打ち作業が進められています。

荒川沿いの、元は田んぼが広がっていた場所であるため、地盤が緩く、多数の杭打ちを要するようです。

 

20240517 大久保浄水場視察

施設の概要図。

 

高度浄水施設が出来上がるのが楽しみですね。

 

20240517 大久保浄水場視察

会議室に戻って、水の飲み比べ。ブラインドテストをしました。

 

20240517 大久保浄水場視察

ペットボトル水「黄色」は、「南アルプスの天然水」で、軽めの硬水だそうです。

個人的には硬水が好きなので、これが一番美味しく感じました。
この点は、好みですね。

 

水道水「赤」は、他と比べると、生っぽいと言うか雑な感じ。

 

この2つは、明確な違いを感じました。

 

「緑」と「青」は、正直、あまり違いは分からず。

 

20240517 大久保浄水場視察

最後に記念撮影ぱちり。

案内してくださった大久保浄水場の皆様、ありがとうございました。


県内の国の施設見学 — 国立女性教育会館

嵐山町に、国立女性教育会館があります。

 

男女共同参画、女性差別撤廃を目指した国の宿泊機能付き研修施設で、現在は独立行政法人によって運営されています。

建物は昭和52年(1977年)に建設されたもので、老朽化しております。

国は、このたび、施設廃止の方針を打ち出しました。

 

地元である嵐山町では、この廃止方針に反対の声が上がっています。

自民党県議団としても、令和5年12月、存続の要望を国に提出しました。

 

埼玉県議会でも、令和5年12月定例会にて、現在地での存続を求める意見書を可決して提出しております。

 

ということで、私のオフィシャルな立場としては、「現在地での存続を国に求める」ということになります。

 

 

ちょっと前の話になりますが、本年、令和6年(2024年)3月3日、嵐山町の国立女性教育会館を見学してきました。

場所は、関越道 東松山ICから5kmほど。
電車の場合は、東武東上線 武蔵嵐山駅から1.7km。

なぜ交通至便な都内ではなく、この地にあるかというと、「都会の喧騒を離れ、緑豊かな場所で、泊まり込みでじっくり研修をする」ための施設だからです。

 

202403 国立女性教育会館

入口ゲート。

 

202403 国立女性教育会館

施設全体マップ。

広い敷地は緑豊かで、建物は点々と余裕をもって配置されています。

 

202403 国立女性教育会館

実技研修棟。

本部棟に相当します。

 

202403 国立女性教育会館

本部棟入口。

 

202403 国立女性教育会館

書架。

 

202403 国立女性教育会館

パネル展示コーナ。

 

202403 国立女性教育会館

男女共同参画を求める昔のポスターが展示されていました。

 

202403 国立女性教育会館

レトロポップな感じがいいですね。

 

202403 国立女性教育会館

研修棟。

大ホールがあります。

 

202403 国立女性教育会館

この日の利用団体リスト。

地元の団体が活発に利用している様子が伺えます。

 

202403 国立女性教育会館

左派政治団体による映画上映会をやっていました。

政治団体による利用もOKのようです。

 

202403 国立女性教育会館

敷地内には人口の池が設けられており、ゆったり散策できます。

 

202403 国立女性教育会館

研修棟は、泊まり込み合宿ができるようになっています。

朝早起きして散歩したら気持ちいいでしょうね。

 

202403 国立女性教育会館

テニスコート。

 

202403 国立女性教育会館

屋内プール棟。

 

202403 国立女性教育会館

屋内プール棟を窓から覗き込んでみると、水は抜かれており、使われていませんでした。

ネットの情報によると(真偽未確認)、2010年から営業休止しているようです。
老朽化のためでしょうか。

 

202403 国立女性教育会館

茶室。

 

 

ということで、至れりつくせりの、地元にとっては素晴らしい施設でした。
地元の方々が廃止に反対するのは当然ですね。